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歳をとるという事

4.60代後半から喜びに溢れた。

退職後の身の振り方については、まだふらふらした気持ちでふさぎ勝ちであった。
主婦経験のない私は、主婦の会話はいろいろ聞いていても頷くだけで面白くない。それはまだまだ自分に高齢者という実感がないのだ。

高齢化社会とは65歳以上が総人口の7%以上と言われていた。日本は世界で類を見ない速さで超高齢社会に突入した。

年寄りという実感のない私はウォーキング、体操で身体を鍛えた。さらにパソコン、絵手紙にも興味を持って夢中で取り組んだ。そのため空虚感からは時間の経過とともに解放されていった。

地区の公民館から絵手紙の講師を頼まれた。私は以前よりも溌溂として、人にお世話にならないで生きていこうと言い聞かせたものである。

そのうちに、同年代の方々からパソコンを教えてほしいと言われ、一瞬不安がよぎったがやることにした。
毎日が勉強であり、年寄りにあった教材作りが楽しくて嬉しかった。友達もたくさんできて、みんながいろいろな自分の作品ができるのを楽しみにしてくれた。
初めは恐るおそるであった高齢者も、やめるという人が出てこないので、パソコン教室は15年も続いた。
私もいつの間にか80歳を迎えた。





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