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バッグ好きが、ずっと欲しかった90,000円の最強リュックを買った瞬間、売った話。

バックパックの最高峰“Nomin Pack”とは

自他共に認めるバッグ好きであるこの僕が、かねてから購入を検討していた、バックパックの最高峰。

Arc’teryx Veilance / Nomin Pack

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バックパック好きなら知ってる人も多いであろうアークテリクス。

そのアークテリクスが快適性とデザインを追求したコレクションが「Veilance/ヴェイランス」シリーズです。

通常のアークテリクスのプロダクトとは異なり、隠れたこだわりがいくつも詰まっています。

1番分かりやすいのが、見た目。

よく比較対象として挙げられるGranville Zip 16と比べて、情報量が最大限に抑えられていて、ミニマルでノイズの無いデザインが特徴的です。

Nomin Packのデザイン

多くのバックパックは、利便性と耐久性を担保するため、表面にポケットや縫い目が剥き出しになっています。

大きな荷物はメイン収納部に、よく使う小物は外側のポケットに入れるのが一般的です。

最近では、外側のからの取り出し口を最低限に絞って、内側にポケットが沢山あるバックパックも増えてきました。

Nomin Packを背負って真後ろから見ると、ジッパーやポケットが1つも見えない構造になっています。

バックパックは利用シーンが多い為、よりシンプルで無難なデザインが追求されてきました。

ブラック一色のバックパックや、ロゴの小さいアイテムに人気が出始め、2013年、iOS7のリリースを皮切りに、陰影の無いミニマルなデザインが流行り始めました。

そして、2021年現在。ノイズを感じさせないデザインの一つの「解」として存在感を放っているのが、このNomin Packです。

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徹底的にノイズを消す

肩ストラップには長さを調節する機構がありますが、それすらも布に包まれているため、バッグそのものが持つ機械的な印象を一切外に漏らすことなく、バックパックの基本的な機能を実現しています。

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ジッパーは2つ部屋は6つ

外から開閉可能なジッパーは全体をぐるっと囲む2箇所のみ。

しかし、ジッパーを開ける位置によって開くポケットが異なり、優れたデザインと利便性を両立しています。

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保護力

表面の素材が薄く、バッグ全体がペラペラな印象ながら、守るべきPCスペースは前後左右にしっかりしたクッションが敷かれています。

Nomin Packの収納力

これだけシンプルな作りながら、PC、財布、衣服といった、モノの定位置がしっかりと定められています。

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PC・タブレット・書類を仕切りでスッキリ収納

バッグの中心部には薄い物を収納するスペースがあります。

背面側がPCのスペース、ここには左右と下部にクッションがあり、さらに硬い板状の仕切りで挟み込む作りになっている為、衝撃による破損の心配を軽減してくれます。

硬い仕切りを1枚挟んでメイン収納部側にはペラペラのファイルのような素材の仕切りが1枚あり、書類やタブレットなどの、そこまで衝撃に弱くない薄物を収納することに適しています。

薄い仕切りがあるおかげで、書類ファイル等でPCスペースを圧迫しないのは、地味に魅力的です。

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クイックアクセス

PCスペースと同じジッパーで覆われた、上部に位置するクイックアクセスコンパートメント。

ここには財布やモバイルバッテリーなど、頻繁に出し入れするモノを入れるのに適しています。

近頃のバックパックでは、この上部収納がない方が珍しいと言えるくらいメジャーな作りですが、1つのジッパーでPCと上部収納を覆うという発想のバックパックはかなり少ない為、Nomin Packの優れたデザインの一つと言えます。

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メイン収納

メインの収納部分はガバッと開くクラムシェル仕様。

素材が薄い分、収納スペースが広く、パッキングキューブなどで仕分けすると、かなりスッキリ収まります。

また、細かなものが下に落ちて、取り出しにくくならないように、このメイン収納の中にも、上部に固定された収納部分があります。

↓詳しく見たい方はこちらをチェックしてみてください↓

Nomin Packを手放した理由

これまで散々褒めちぎってきました。

ここからが批判タイムです!

とはなりません。

今まで触れてきたデザインや収納力が期待はずれだったのかと言われると、全くそうは思いません。

逆に、実際に触れてみて、デザインや収納力は期待以上でした。

ではなぜ手放したのか、、、

そこには大きく2つの要素のバランスが関係しています。

Nomin Packの課題

僕は大きな期待とともにNomin Packを手に入れました。

高い買い物です。値段なりの期待をします。

Nomin Packは定価で約9万円。

通常のバックパックの相場は、せいぜい1〜3万円程度でしょう。

そして、Nomin Packの構造的な部分は期待通りでした。

しかし、手にしてすぐに気がついてしまったのです。

バックパックの劣化

そもそもバックパックというものは、日常的に使うモノの中で、最も劣化の対象となるアイテムであること。

そして、その劣化に対するコストは、間違いなく購入時の価格であること。

この2つのバランスの悪さが原因で、さよならを決意しました。

バックパックは表面積が広く、背面部分以外のほとんどが剥き出しになっています。

そもそも小物を保護するのがバックパックの役目ですから当然です。

根本的にバックパックは、耐久力がコストパフォーマンスに直結してくるわけです。

どんなに防水でも、デザインが良くても、ポケットがたくさんあっても、すぐに壊れるのであれば、短い期間しかそのバリューを発揮しなかったことになります。

Nomin Packの大きな価値の一つであるノイズの無いデザイン。

これは裏を返せば、傷一つ許されないデザインと言ってもいいでしょう。

汚れであれば拭き取れば解決します。しかし、傷は残り続け、ノイズとして存在し続けます。

エイジングを楽しむレザー製品とは真逆の性質を持つNomin Packからすれば、少しの傷でも大きな価値の低下をもたらします。

大きな期待

僕はこの価格設定が高すぎるとは思いません。

研究開発費やこだわりを汲み取るに、正当な価格だと思います。

しかし、消費者として、この価格のプロダクトに期待するのは一生物のバックパックでした。

これさえあれば何もいらない。

そう言いたくて買ったからこそ。

僕はこのバッグが、ボロボロになっていくところを見届ける勇気がありませんでした。

そして、バックパックに求める最も重要な要素はガサツに扱えるかどうかということに気がつきました。

どんな状況でも、自分の大切なモノたちを精一杯守ってくれる。

そんなバックパックを求めて、より良いプロダクトに出会えるよう、これからもバッグを探し続けます。

最後まで見ていただき、ありがとうございました!

リューク




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