rakugaki_85「美術館へ行こう!【奈良編】奈良県立美術館」
私には「美術鑑賞」という唯一の趣味があります。
その「趣味」にもブームがありまして、第一次ブームが1985年〜1987年。
第二次ブームが2009年〜2018年。
第一次ブームの1987年から第二次ブームがはじまる2009年まで20年以上の月日が経っていますが、その間にも何回かは美術観賞をしています。
ただ「ブーム」の期間は、集中的に「美術館」に出かけているので「ブーム」なんですね。
奈良県立美術館は奈良県奈良市にある美術館で、1973年に開館しました。
私の現存する記録の中で、現在まで「奈良県立美術館」の企画展に出かけたのは2回です。
このブログでは、私の大好きな「美術館」に出かけて、観賞した「美術展」の感想とともに、「美術館」の魅力が一緒に伝えられればなぁと思っていますが・・・残念ながら第一次ブームに観た美術展は感想を残していなかったので、手元に残っているチラシと図録からご紹介させていただきます。
1)1986年5/17-6/29「エゴン・シーレとウィーン世紀末展」
こちらの美術展、当時私がレンブラントに傾倒していたこともあり、エゴン・シーレの絵が新鮮で斬新に思えていたことをうっすらと憶えています。
以下、チラシより抜粋いたします。
「青きドナウの首都ウィーンが、19世紀末から第一次世界大戦勃発までのベル・エポックの時代に演じてみせた終幕は、「酒・女・獣」に華やかに彩られていたが、舞台中央にはなにくわぬ顔で時代錯誤のハプスブルク二重帝国が居座っていた。大団円を期待しているものはだれもいなかった。劇場そのものが崩れかけ、不気味にきしむ不協和音を挿入するとき、それを掻き消すように人々は空騒ぎにふけっていたのである。その狂奔にまぎれて、何人かが鋭い視線でその様子を仔細に観察していた。フロイトの精神分析も、シェーンベルクの無調音楽も、クラウスの舌鋒鋭い冗舌も、この爛熟した文化の波間から、20世紀の深部へと測鉛を垂らしたのである。この舞台を性急に、不吉な星のようによぎった画家エゴン・シーレ[1890〜1918]の短い生涯も、ウィーンという背景ぬきには考えられまい。初期にはクリムトに代表される繊細巧緻な装飾性への傾斜がみられ、その後、ゲルストル、ココシュカと並び称される表現主義への突破があり、ウィーン工房との接触によるデザイン感覚の洗練、エロティックな表現をめぐる当局との対立、そしてついには投獄という破局まで経験したシーレはウィーンのただなかにいる。本展は、ウィーンのレオポルト・コレクションを中心に、油彩画60余点、水彩・素描など67点、工芸15点、ポスター8点によって、シーレとその時代の画家たちに照明を当て、かれらがウィーンの終幕になにを見たかを探ろうとする。」
美術展自体が20世紀末に向かう時代ということもあって、19世紀末を扱ったコンテンツがこの時代には多かったような気がします。
こちらの美術展は新宿・伊勢丹美術館、愛知県美術館、奈良県立美術館、山梨県立美術館、神奈川県立近代美術館と巡回しています。
2)1987年1/6-3/1「エル・グレコ展」
こちらの美術展で、初めて本格的にエル・グレコを鑑賞しました。
以下、チラシより抜粋いたします。※チラシは国立西洋美術館のものです。
「スペインの画家エル・グレコ(1541-1614)の名は、倉敷・大原美術館所蔵の《受胎告知》などの作品によって、わが国でも広く知られています。しかし、きわめて独創的な展開を示した彼の画業の全貌は、これまで展覧会のかたちでわが国に紹介されたことはありませんでした。
エル・グレコ(ギリシャ人の意味、本名ドメニコス・テオトコプーロス)は、1541年地中海に浮かぶクレタ島で生まれました。20代半ばでイタリアに渡った彼は、ヴェネツィアとローマで最新の絵画様式を学んだのち、国王フェリーぺ二世の後ろだてを求めて、当時ヨーロッパ最強の勢力を誇っていたスペインに赴きます。彼は宮廷画家の地位こそ得られませんでしたが、文化の中心地であった古都トレードに活躍の場を見出し、死に至るまで、この地の教会や病院のために多くの作品を描き続けました。今日エル・グレコのイメージを決定づけている諸作品ー狂おしいほどの宗教的情熱を神秘的な色彩と揺らめく形態に託して表現した数々の大作、瞑想・啓示・悔悛の瞬間を見事にとらえた聖者像、深い憂愁をたたえた厳粛な肖像画ーは、このトレード時代に制作されたものです。
本展覧会は、プラード美術館をはじめとするスペイン各地の美術館・教会・個人コレクションのほか、ルーヴル美術館、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、エルミタージュ美術館などからの出品作品、さらに大原美術館の《受胎告知》を加えて、合計約50点の油彩画で構成されています。これらの代表的作品によって、この画家に典型的な主題の多くを示すとともに、初期のイタリア時代の画風から晩年の激しく神秘的な表現へと急速にのぼりつめていく劇的な様式発展を示そうとするものです。」
日本では初の本格的なエル・グレコ展だったようです。
こちらの美術展は国立西洋美術館、奈良県立美術館、愛知県美術館と巡回しています。
以上、奈良県立美術館での美術鑑賞でした。
場所が近鉄奈良駅の近くですし、五重塔とか奈良観光を組み合わせた美術鑑賞も良いかも知れません。
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