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子育てが「孤育て」で始まらない世界

はじめまして、産後のリアルストームに埋もれている人を全力でサポートしたいSaharaです。

早速ですが・・

妊娠してまず最初にすべき事って何でしょう?

検索してみました。家族に報告、病院へ行く、母子手帳をもらうなどなど、するコト、考えるコト、学ぶコト、買うモノの情報が惜しみなく出てきます。便利な時代です。でも、断言できます。一番大切な事が埋もれている。


14年前、長男の産声を聞いた朝、私は自分を待ち受ける現実を全く知りませんでした。その日から長男が2歳を過ぎるまで、4時間以上眠れたのは1日だけ、友人の結婚式で1人外泊した夜でした。母乳をあげながら水を飲む暇(心の余裕)もなく、気付けば水分不足で痙攣なんてザラでした。里帰り先で1カ月検診を終え、帰宅した後の2か月をどう過ごしたか、よく思い出せません。残っているのは乾いた心身の記憶。どこでもドアの使い方を誤って砂漠に来てしまった、そんな言葉がぴったりの。楽しいことも沢山あったはずなのに、なぜ思い出せないんだろう。

誤解のないようお伝えすると、夫は決して育児を手伝ってくれなかった訳ではありません。多忙ではありましたが、できる事は協力してくれていました。しかし、産後3ヵ月は、平日赤ちゃんと二人きりで過ごす時間の積み重なりが、楽しさを見出す時間よりも勝っていました。

外出ができるようになりお母さん友達ができ始めると、オアシスに辿り着いたような気持ちでした。そしてその時にふと感じた気持ち。

ここに辿り着くのにもっと別の道はなかったの?

今の私は断言できます。ありました、と。


ここで初めの問いに戻ります。
妊娠したらまず最初にすべき事って何でしょう?
私はその答えを、たまたま住むことになったドイツで見つけました。

Hebamme(ヘバメ)さんの産後訪問サービス

私たち家族は2019年から約1年半、夫の転勤でドイツに住んでいました。ドイツは子どもを大切にする国と聞いていましたが、実際、ドイツだけでなくヨーロッパの国々では「子どもは社会の宝」という価値観が日常に溢れていました。必然的に、子どもを連れた親子には優しい眼差しが降ってきます。ベビーカー生活をした事のある日本人の知人は、口を揃えて「階段だらけで日本よりずっと不便な街なのに困った事がない」と言います。

ドイツに話を戻します。日本とドイツでは出産・子育て・教育に関わる社会のシステムに多くの違いがあり、どちらが良い悪いという判断はできません。ただ、私が非常に素晴らしいと感じた制度があります。それは産後母子をサポートする仕組みで、ドイツでは妊娠したらまずHebamme(ヘバメ)さんを探すという考えが一般的です。

Hebammeは日本語で助産師と訳されますが、日本の助産師さんのイメージとは違い、産後のお母さんと赤ちゃんの体調や生活面のサポートをしてくれる存在。人によって提供するサービスも異なり、希望のサービスをしてくれるヘバメさんを、自分でウェブサイトから探します。

産後、母子が自宅に戻ってからすぐ定期的な訪問サポートが始まります。頻度は事前に相談できますが、帰宅直後は週2回ペースの訪問が多いようです。実際に利用した在独日本人の方も多く、ヘバメで検索すると沢山の情報が出てきますので、興味のある方は是非ご覧になってください。


このヘバメさんによる訪問サービスは、公的健康保険が適用され無料なのです。(上限回数あり、プライベート保険は要確認)


ヘバメさんと意見が合わない、性格が合わない事もあるでしょう。そうしたマイナス面を差し引いても、何が正解なのかわからず赤ちゃんと2人きりで過ごす家に、自分たちを見守る第三者がたびたび訪れてくれる安心感こそが、産後砂漠でさまよった私の欲しかった道しるべなのだと、ドイツで気付いたのです。

妊娠してまず最初にすべき事、それは「産後3ヵ月までの生活面をサポートしてくれる存在を確保する」こと


というのが、今の私の答えです。

しかし、妊娠したらまずすべき事の選択肢に、特に初産婦さんで私の答えを当てはめる方は少ないでしょう。私自身は微塵も頭にありませんでした。世のお母さんはみんな何とかしてるから何とかなる、と思っていたし、そして幸い何とかなりました。でも運が良かっただけ。あの頃何とかならなかったとしても、何の疑問もないのです。また、子育てに協力的な男性は年々増えていますが、産後母子の急激な心身の変化を一手にケアするのは、実際のところ非常に難しいだろうと思います。だからこそ…

孤育てが始まらない制度を国として提供するドイツ、、すげー

と思いました。
 これって日本では無理なのかな? 私はできると思います。


近年、産後ケアの必要性が日本でも浸透しつつあり、産前産後のサービスを助成する自治体や提供する企業が増えてきた事は、素晴らしいと思います。しかし、公的支援でドイツの制度ほど頻度の高いサービスは提供されておらず、民間の産後サービスは費用面で躊躇する方も多いでしょう。

ちなみに、昨年12月中旬から厳しいロックダウン措置をしているドイツ。ヘバメさんのサービスはどうなってるのかと気になって、先月出産した知人に聞いてみたところ、時間が短くなるよう事前に連絡を取り合い、訪問は継続してくれているとのことでした。

目指してみたい、弧育てから始まらない世界があるなら

私が死ぬまでに実現するかなんてわからない、けどできる事まずやってみよ!ドイツから帰国した私はそう思うに至り、今日このNOTEに辿り着きました。じゃ具体的に何するの?を事業計画書と睨めっこして考えています。でも事業内容が何も決まってなくてもブログ発信は今すぐできるでしょ!というアドバイスをいただき、早速実行しました。

冒頭の写真はドイツの大手ドラッグストア内の売り場に設置されたオムツ交換台。平日の朝、ここで首の座らない乳児を若いお父さんが1人、楽しそうにおむつ替えしている姿を見つけ、赤ちゃんだけでなく、親を取り巻くドイツの環境をとても素敵だなと思ったのでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました:)

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