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映画レビュー『グレムリン』(1984)かわいくても侮れないVFXの至宝

騒動はかわいいペットからはじまる

子どもの頃から何度も観ていて、
クリスマスに観たい映画の筆頭が
本作ですね。

クリスマスに発明家の父から
もらった奇妙なペット(モグワイ)が
きっかけで街中が大騒動になる
SFブラックコメディーです。

父はチャイナタウンの骨董屋で
モグワイを見つけたのですが、
店主は売るのを拒みました。

しかし、店主の孫が、
こっそり渡してくれたので、
父は息子にこのペットを
プレゼントすることができたのです。

なぜ、店主が売るのを
拒んだのかというと、
この生き物を飼うには、
特別なルールが必要だったからです。

やぶってはいけない
3つのルール

モグワイに、
主人公は「ギズモ」
という新たな名前をつけます。

ギズモを飼うには、
三つの約束事がありました。

「光に当ててはいけない」
「水をかけてはいけない」
「深夜(0時以降)に
 食べ物を与えてはいけない」
という三つの約束事です。

骨董屋の主人が危惧していたとおり、
約束事が守られることは
ありませんでした。

特に、重要なのは、
「深夜に食べ物を与えてはいけない」
というルールです。

これをやぶると、
この生き物はサナギになり、
ふ化すると狂暴なグレムリンに
変化してしまいます。

さらに、水をかけることによって、
個体が増えるので、
街中にグレムリンが大量発生し、
暴れまわる事態になってしまうのです。

低予算だからこそ、
特撮の完成度が素晴らしい!

子どもの頃に観た時は、
本作を大作のようなスケールで
捉えていました。

ところが、大人になった、今では、
割とコンパクトな作品に感じられます。

というのも、まず、
上映時間が106分と短めです。

さらに、子どもの頃には
気づかなかったのですが、
本作は全編に渡って、
スタジオ撮影で作られています。

撮影は、ユニバーサル・スタジオで
行なわれ、一部のシーンには、
同時期に撮影されていた
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
と同じ背景も使われているんですね。

こういった部分を見つけるのは、
80年代の洋画ファンには
おもしろい要素かもしれません。

短い時間の中で、
しっかり起承転結が付けられた
ストーリーも
コンパクトながらよくできています。

私がもっとも魅力を感じるのは、
本作の特撮の巧妙さです。

まだ映画に CG を使っていない時代なので、
たくさんの趣向を凝らして、
違和感のない映像を作っています。

これは子どもの頃には、
まったく気がつきませんでした。

ギズモのかわいらしさ、
グレムリンの恐ろしさ、
相反するキャラクター造形が
子どもを惹きつけるでしょう。

一方で、大人は、
この映像がどのようにして
作られているのか、
読み解くことによって、
充分に楽しむことができます。

本作に関しては、
特撮のおもしろさがつまった作品なので、
いずれ別の記事で、
詳しい話を書くかもしれません。

このクリスマスに、
家族で本作を楽しむのは
いかがでしょうか。


【作品情報】
1984年公開
監督:ジョー・ダンテ
脚本:クリス・コロンバス
出演:ザック・ギャリガン
   フィービー・ケイツ
   ホイト・アクストン
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:106分

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