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それはクソからはじまった

昨日の記事の最後では、

・なぜ、ユーラシア大陸が
 農耕・牧畜に有利な環境だったのか
・なぜ、農耕・牧畜ができると、
 発展できるのか

という二点の疑問点を挙げました。

順番が前後しますが、
今日は農耕・牧畜ができると、
なぜ発展できるのか考えてみましょう。

※ちなみに今日もこの本に
 書いてあったことや
 今までに私が読んだ本を
 思い出しながら書きます。
 細かいところが間違っていたらすみません^^;

昨日の記事では、
人類の暮らしは、
狩猟生活からはじまった
と書きました。

厳密にいうと、
「狩猟・採集」ですね。

狩で動物や魚を獲ったり、
木の実を獲ったりして、
生活をしていました。

しかし、これだと人間は、
その日に食べることだけで、
手一杯になってしまいます。

動物と変わらないと言っても
いいかもしれません。

先のことを考えて、
食料を備蓄したりすることができず、
毎日、食べ物を探すために、
生きなくてはなりません。

しかも、同じところで、
狩りや採集を繰り返していれば、
やがて、そこにいる動物や
果実はなくなってしまいます。

ですから、この暮らしを続けるには、
別の場所に移住しながら、
生きていかなくてはならないですよね。

そうなると大変なのが、
大家族での大移動です。

道中は今の現代のように、
人の手によって舗装された道が
あるわけではありません。

獰猛な肉食獣もいれば、
危険な場所を通らなければ、
先に進めないこともあるでしょう。

そんな中で、子どもやお年寄りを
連れて歩くのは、
大変、骨の折れる旅です。

おそらく、道中で命を落とす人も
多かったのではないか、
と想像できます。

この暮らしぶりでは、
たくさんの子どもをもうけるのは、
現実的ではありません。

つまり、狩猟・採集による
生活を続けている限り、
人口を増やすことができないのです。

そんな中で、農耕・牧畜を
はじめる民族も出てきました。

牧畜はなんとなく、
その起源が想像しやすいですよね。

人が動物を飼いはじめて、
それを食料にする、
という発想は自然な流れだと思います。

しかし、農耕の方は、
どうやってはじまったのでしょうね。

この本の中では、
人間の排泄物に含まれていた、
果実のタネからはじまった
と書かれていたはずです。

もちろんこの時代は
トイレもないわけですが、
みんなが用を足す場所は、
なんとなく決まっていたのでしょう。

植物の種は消化されませんから、
その用を足す場所にタネが集まりますね。

そこにみんなが用を
足していくわけですが、
そこから新たな植物の芽が出てきたため、
人間はタネを植えると、
新たに植物が育ってくる、
ということを学んだのでしょう。

そのタネを植えて、
畑のようなものを作りはじめたのが、
農耕のはじまりです。

そんなことに気づくなんて、
なんだかんだ言って、
人間って賢いですよね。

ちなみに、この本の中では、
人為的に生産されている果実と
野生の果実の違いについても
言及されています。

例えば、リンゴひとつをとってみても、
スーパーに売っているものと
野生のものでは、
大きさも味も違います。

野生のリンゴの方が小ぶりで、
おいしくないでしょう。

これは、今では品種改良
という技術があるので、
なんとなくわかると思いますが、
そんな技術ができる前から、
大きさや味に差があったんですね。

というのも、
先ほど、人間の排泄物に
残っていたタネから、
農耕の歴史がはじまった、
と書きました。

もとは人間が採集した木の実です。

採って食べるからには、
大きくておいしい果実がいいですよね。

そう思うのは、大昔の人たちも同じです。

ですから、必然的に、
人々が集めるのは、
実が大きくておいしい果実なんですね。

そういった大きくておいしい
果実のタネばかりを
集めて植え続けていると、
その果実は野生のものと違っていきます。

まだ品種改良
なんていう技術もない時代ですから、
長い年月を要したとは思いますが、
人為的に寄せ集められた結果、
野生のものよりも
大きくておいしい果実を育てることが
できるようになったんです。

そして、農耕や牧畜ができるようになって、
はじめて人類は、その日を生きることで、
手一杯という生活から解放されました。

狩猟・採集による生活の時には、
一つのところに定住することも
できませんでしたが、
それができるようになったのです。

これは人口を増やすのにも有利ですね。

最初こそ、農耕や牧畜に従事していなければ、
生活することができなかったかもしれませんが、
人口が増えていけば、
それもある程度の人数で賄うことができます。

これが発展するうえで、
もっとも大きなことです。

それまでは食べるための
仕事しかなかったのが、
いろんな仕事をする人ができる
余地が出てきたのです。

特に、学問のような分野は、
「食べる」ことからは
もっとも遠いものですが、
その有無は発展に
大きく関わっていそうですよね。

つまり、農耕・牧畜ができるようになって、
人々は狩猟生活から解放され、
安心して子どもを産むことができ、
他のことも考えることが
できるようになったんですね。

これが農耕・牧畜ができると
発展できる理由です。

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