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非ロックな私が選ぶロックの名盤10選

学生時代に周りが聴いているようなポップスが苦手だったのは、私がバンド嫌いだったからです。

特に「ロック」に苦手意識があって、これは今でも変わりありません。

そんな私がバンドに興味を持つようになったのは、高校3年生の時に YMO に興味を持ったのがきっかけでした。YMO だって、ロックといえば、ロックですが、ロックっぽくないところが好きでした。

YMO の曲でもロックっぽいものはありますが、「嫌い」ということもないけれど、あまり好みではありません。

そこから年数が経って、いろんな音楽を聴くようになって、ロックにもいろんなものがあることを知りました。もともと、私はテクノにしか興味がなかったのですが、’70年代末期~’80年代に活躍したテクノ系のバンドは、ロックの範疇に入るものでした。

さらに、そこから遡って、19~20歳頃の私が好きだったドイツのクラウト・ロックも完全にロックでした。

そうやって、いろんなものを聴くうちに、ロックがあまり好きではない私でも好きなロックがあることがよくわかったんです。

未だに「ロック」と言われると、苦手意識の強い私ですが、そんな私が「ロックの名盤」を選ぶと、こんなラインナップになります。

①『Rubber Soul』The Beatles(’65)

ビートルズの6枚目のアルバム。タイトルは、ビートルズが影響を受けたアメリカのソウルミュージックに由来し、本場とは違うことから「ゴム製のソウルミュージック」とした。インドのシタールを使用(②『ノルウェーの森』)するなど、さらに音楽性を広げている。

②『Tago Mago』Can(’71)

ジャーマン・ロックを代表するバンド、カンの3枚目のアルバム。ダモ鈴木が本作からメインボーカルを務めている。73分23秒にもおよぶ長尺の作品で、レコードでは2枚組だった。カンが影響を受けたフリー・ジャズ、現代音楽の要素が多分に含まれた前衛的なサウンド。

③『Before and After Science』Brian Eno(’77)

ブライアン・イーノの5枚目のアルバム。アンビエントに移行する直前の作品であり、イーノの歌声が聴ける末期のアルバムでもある。のちに共同名義でアルバムも制作するドイツのクラスターも一部の曲に参加している。’70年代末期~’80年代にかけて、イーノがプロデュースワークで見せる斬新なサウンドの萌芽がすでに感じられる。

④『Trans-Europe Exepress』Kraftwerk(’77)

ジャーマン・ロックを代表するバンドであり、テクノポップの開拓者でもあるクラフトワークの6枚目のアルバム。タイトルは実在したヨーロッパの列車の名前からとったもの。列車の走行音を再現した表題曲(④)が、’80年代にヒップホップで引用されるなど、各方面に大きな影響をもたらした。

⑤『Q: Are We Not Men? A: We Are DEVO!』Devo(’78)

アメリカのディーヴォのデビュー・アルバム。ブライアン・イーノがプロデュースを務めた。サウンド的にはパンク・ロックだが、ディーヴォの調子の狂ったような独特なサウンドは、ニュー・ウェイヴを牽引することに。ストーンズの『サティスファクション』をまったく異なるアレンジでカバーした②が有名。

⑥『Remain In Light』Talking Heads(’80)

トーキング・ヘッズの4枚目のアルバム。ブライアン・イーノがプロデュース、エイドリアン・ブリュー、ジョン・ハッセルも参加した名盤。アフリカ音楽のポリリズムやアフロビートを取り入れた民族音楽的なロックになっている。

⑦『Sitting In The Park』Gangway(’86)

’80~’90年代に活動していたデンマークのバンド、ギャングウェイの3枚目のアルバム。’80年代に流行ったネオ・アコースティックなサウンドで、’60年代のブリティッシュ・ロックの影響が強い。メロディーが際立ったキャッチーな曲が多く、今聴いてもその親しみやすさは変わらない。なお、ギャングウェイは2017年から活動を再開しているらしい。

⑧『Emperor Tomato Ketcup』Stereolab(’96)

イギリスのバンド、ステレオラブの4枚目のアルバム。タイトルは寺山修司が監督した映画『トマトケチャップ皇帝』から引用したもの。トータスのジョン・マッケンタイアをプロデューサーに迎え、音響が独特な仕上がりとなっている。ジャーマン・ロック、ソウル、ファンクの影響が強く感じられる。

⑨『FANTASMA』Cornelius(’97)

小山田圭吾のソロユニット、コーネリアスの3枚目のアルバム。コーネリアスの作品では、はじめて海外でも発売された作品でもある。電子音とギターサウンドの調和が絶妙で、アルバム全体のバランスも含め、独創性の高い世界観が形成されている。

⑩『Viva La Revolution』Dragon Ash(’99)

ドラゴン・アッシュの3枚目のアルバム。本作からメンバーに DJ の BOTS が加わり、ヒップホップを融合したロックに生まれ変わった。①のイントロから⑥まで継ぎ目なく続く前半はヒップホップ色が強く、⑦以降の後半はロック色の強い楽曲となっている。1曲ごとの完成度もさることながら、全体の構成も素晴らしい。

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