見出し画像

私の本棚(2)お気に入りの小説

100均で買ってきた
小さな本棚にお気に入りの本を
並べてみました。

今回は上段の本を紹介します。

上段はフィクション系の本です。

画像10


画像1

『星の王子さま』
サン=テグジュペリ(1943)

フランスのサン=テグジュペリの
代表作です。

仲良しのバラとケンカした王子が、
いろんな星を渡り歩いて、
最後にたどり着いた星で
キツネと出会います。

キツネとのやり取りの中で、
王子は自分にとって
大切なものを思い出すのです。

古典の海外文学は、
難しいものが多い印象ですが、
これは読みやすく、
誰にでも楽しめる本だと思います。


画像2

『江戸川乱歩傑作選』
江戸川乱歩(1960)

デビュー作『二銭銅貨』(1923)、
名探偵の明智小五郎が初登場する
『D坂の殺人事件』(1925)
などの短編が収められています。

これらの短編はもちろん、
推理小説として秀逸です。

しかし、それ以上に、
江戸川乱歩といえば、
本書にも収められている
『人間椅子』(1925)のような

人間の変態的な欲望の描写を
包み隠さず、明らかにしているのが、
大きな魅力ですね。


画像3

『宇宙のあいさつ』
星新一(1963)

短編よりも、さらに短い
「ショートショート」で
多くの名作を生み出し、

「ショートショートの神様」
とも言われる星新一の
短編集です。

星新一のすごいところは、
いくら時代が変わっても、
圧倒的に読みやすいことですね。

表現の一つひとつに
配慮が行き届いています。

星新一は、
小松左京、筒井康隆とともに
「SF 御三家」と称される
SF 作家でもあり、

未来を予測したような設定が
多く見られます。

今でこそ、お店で買い物をすると、
ポイントが貯まるシステムは
当たり前ですが、

今から半世紀以上前の作品なのに、
そんな設定が出てきます。

しかも、ブラックユーモアも含みつつ、
それを痛快に風刺しているんです。

作者の観点は
どれだけ進んでいたのだろうと
思わず感心してしまいます。


画像4

『クラインの壺』
岡嶋二人(1989)

岡嶋二人は、日本では珍しい
コンビのミステリー作家です。

今は、コンビを解消し、
その片割れの井上夢人が
現役の作家として活躍しています。

本作は岡嶋二人の
最後の長編小説でもあり、
その完成度の高さは
折り紙付きです。

ゲームを題材にした
SF タッチのミステリーで、

’80年代の終わりに書かれた作品ですが、
すでに今日の VR の概念が
取り入れられています。

ちなみに、岡嶋二人自体は、
それほど売れた作家ではありません。

しかし、大人気作家である
東野圭吾や宮部みゆきも
彼らの影響を受けていたようです。
(お二人とも、岡嶋二人の
 文庫改定版の
 あとがきを執筆している)


画像5

『地下街の雨』
宮部みゆき(1994)

宮部みゆきは大好きな作家さんで、
好きな作品が多数あります。

本当は長編の
『ブレイブ・ストーリー』とか、
『蒲生邸事件』辺りを
入れたかったのですが、

これらの本は巻数が多かったり、
分厚かったりしたので、
入れると本棚がいっぱいに
なってしまうので諦めました^^;

本書は短編集なので、
それほど厚みもなく、
うまく収まりました。

正直言って、短編集って、
時間が経つと、
ほとんど内容を忘れてしまいます。

しかし、宮部みゆきの作品は、
読んでいる時に
鮮明に映像が浮かんでくるので、

場面の印象などは、
今でも鮮明に残っていますね。

特に、この短編集では
表題作『地下街の雨』に
何度も出てくる喫茶店の
印象が強く残っています。


画像6

『ネバーランド』
恩田陸(2000)

私が今まで読んだ小説の中で
一番好きな作品です。

もう何度も紹介しているので、
詳しい内容は割愛しますが、
(気になる方はこちらをどうぞ)

男子高校生の話で、これを読むと、
学生時代の感覚が蘇るのが、
好きなんですよね。

あと、クリスマスから年明けまでの
一週間くらいの物語なので、
やはり、年末に読みたくなる本です。

作者の恩田陸は、
東北のご出身というのもあって、
冬の寒さの描写なんかが、

北国育ちの私にはものすごく、
共感できます。


画像7

『東京物語』
奥田英朗(2001)

奥田英朗も大好きな作家さんです。

エッセイもフィクションも
文章が読みやすく、
かつ、ユーモアたっぷりで、
スラスラ読めてしまいます。

はじめて読んだ
奥田英朗作品が本作でした。

私がまだ20代の頃です。

タイトルのとおり、
主人公が上京する話なんですが、
事件が起きたりするような
物語ではありません。

多くの読者が共感できそうな
平凡な日常が描かれています。

もちろん、大事件があったり、
いろいろと凝った設定の物語も
好きですが、

本作のように、
ごくありふれた日常を
おもしろく描ける作家さんも
すごいなぁと思います。


画像8

『ジャージの二人』
長嶋有(2003)

この方の文をはじめて読んだのは、
マンガやゲームの評論を行なっている
「ブルボン小林」名義のコラムでした。

なので、個人的には、
未だに「ブルボン小林」の
名前の方に馴染みがありますね。

長嶋有としては、
芥川賞、大江健三郎賞、
谷崎潤一郎賞など、

数々の文学賞を受賞している
純文学系の作家さんです。

私はどちらかというと、
純文学は苦手で、
割とエンタメ系の作家さんを
読む方なんですが、
本作は楽しく読むことができました。

「ジャージの二人」というのは、
表紙にも描かれている
親子のことです。

二人がひと夏を
人里離れた別荘で
過ごす話になっています。
(別荘とはいっても、
 古くてぼろい日本家屋)

親子と言っても、息子の方も
結構、いい歳ですから、
(30代くらいだったか)
微妙な距離感がおもしろく
描かれていました。

本作は映画化もしていて、
そちらの方も
気になっているのですが、
まだ観たことはありません。
(堺雅人、鮎川誠主演)


画像9

『三匹のおっさん』
有川浩(2009)

これはテレビドラマにもなっていたので、
ご存知の方も多いかもしれません。

タイトルのとおり、
「三匹のおっさん」が主人公で、
彼らが人知れず、
世直しをしていく物語です。

非常にわかりやすい
勧善懲悪なストーリーですが、
話の中に出てくる事象が、

現実世界によくある社会問題
だったりもするので、
読んでいてスカッとします。

有川浩は『図書館戦争』も人気作で、
どちらかというと、
マンガに近い感覚の小説を
多く書かれている印象です。

もともと、ライトノベル出身の
作家さんなので、
それほど本を読まない人にも
読みやすい作品かもしれません。


以上、私のお気に入りの文庫本、
計15作品を紹介しました。

気になったものがあったら、
ぜひ読んでみてください。

この記事が参加している募集

わたしの本棚

サポートしていただけるなら、いただいた資金は記事を書くために使わせていただきます。