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第五十六回短歌研究新人賞最終選考通過作『冬、サイレント・クライ』
数年前、短歌研究新人賞の最終選考通過した連作です。今、読み返すと直したいところがたくさんあります。お読みいただけるとうれしいです。
追記、第五十六回でした。2013年です。
選考委員は、栗木京子/米川千嘉子/加藤治郎/穂村弘の四氏でした。
木製の列車に乗っているようだ からだをきつくしばられたまま
頭髪のすべてが白い人たちがやまいのことを長くながくはなす
ほほえみが医師の仕事のほとんどで、プ
NHK短歌テキスト5月号
吉川宏志選、テーマ『組織』
命とは手漉き和紙より軽いもの労働組合なきわが社では
岡野大嗣選、テーマ『続く』
休職をするほど病んでいる僕を回復させる母の肉じゃが
一年間NHK短歌に投稿してみました。四人の選者、(川野里子、山崎聡子、吉川宏志、岡野大嗣、敬称略)にすべて選ばれた月もありましたが、全没の月も一度ありました。入選なし、佳作秀歌一回、佳作多数でした。
今年で投稿はやめようと思ってい
NHK短歌テキスト2024.4月号『コンプリート』
NHK短歌テキスト2024.4月号
川野里子選 題「顔」
顔色をうかがいながら野良猫はひかりの速さでエサを咥えた
本名での投稿でした。初めて佳作秀歌に選んでいただきました。
山崎聡子選 テーマ「傷ついたこと」
欠落を人間だから責められる月ならそれも愛されるのに
吉川宏志選 題「さえ(助詞)」
ボンネット軽く叩けば猫がでるそんなことさえ冬のやすらぎ
岡野大嗣選 テーマ「コンビニ」
『うたそら』第19号「犬の名は」
湿ってる、健康だねって俺の鼻さわって笑うきみが好きです
永久に気球が浮かぶ奇跡でもあればうつむくこともないのに
フカヒレを食べた呪いのせいなのか海馬に鮫が群がってくる
ファミコンのソフトに残る噛み跡がわが家の犬の遺品になった
愛だった キャラメルコーンを真夜中に買いに走った頃のすべてが
うつくしいソ連映画を観たあとにテレビが映す燃えるひまわり
ていねいに海老の背わたを取るように黒い
NHK短歌テキスト2024/03
岡野大嗣さんの選で一首載せてるいただきました。
亡き母がホットケーキを焼いている古いブログを保存しておく
今月のテキストは松村正直さんの連載「こころ以上ことば未満」が興味深かったです。「句切れとはなにか」「句割れと句またがり」などの記事。実践的でわかりやすい短歌入門ですね。過去の記事も読み返そうと思いました。
岩倉曰さんに他選していただくの巻
湿ってる、健康だねって俺の鼻さわって笑うきみが好きです
凄まじい魔力をもったユンケルも癒やせなかった僕のさびしさ
ひきこもる僕に「空飛ぶ円盤を見よう」と誘う友がいたこと
岩倉曰さんの#いわくのたせんにてうたの日の一月分から三首選んでもらいました。コメントもいただけてうれしかったです。
一月の自選短歌です。
ファミコンのソフトに残る噛み跡がわが家の犬の遺品になった
病室の小さなテレビでみちのくの太宰の生家へゆく旅をみる
フカヒレを食べた呪いのせいなのか海馬に鮫が群がってくる
百頭のジュゴンをひきつれ泳ぎたい珊瑚が光る夜を選んで
湿ってる、健康だねって俺の鼻さわって笑うきみが好きです
「うたそら」第18号「冬、賀茂川にて」
あかぎれにニベアの青缶ぬりながらあるべき世界の夢をみていた
練乳をチューブから吸い怒ってるわけを言わない君のくちびる
もうきみが残していったセーターの柄のトナカイみな死にました
家庭科で習ったカレーをつくってた 母の帰りが早まる気がして
見る前に跳べ、と留学したけれど今は家から一歩もでない
雪の日にお湯に浸かったカピバラも日本情緒のひとつと思う
泣きながら蟹とたわむれ啄木はそのあと蟹を
NHK短歌テキスト一月号の結果です。
今月のNHK短歌テキストなんですが、全ボツかと思いきや、岡野大嗣さんが選んでくださいました。お題は「高速道路」でした。
自転車で高速道路は無理だけど君ときれいな空気を吸った
岡野さん、ありがとうございます。