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読みがえり

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読んだ本のレビュー(書評)をまとめています。雑多な書棚ですが、興味があればどうぞ!※注意🚨紹介している本を一度読んでから開くのをオススメします。限りなくネタバレに近いので笑笑
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2023年12月の記事一覧

書評:『改訂新版 共同幻想論』吉本隆明

書評:『改訂新版 共同幻想論』吉本隆明

①紹介

日本思想界のスーパースター(?)吉本隆明による『改訂新版 共同幻想論』(角川文庫、1982年)を紹介します。これを書くにあたり、彼は『古事記』と『遠野物語』に依ったとのことですが、はたして本書は哲学書?宗教書?難しい内容なので理解するのにちょっと骨が折れました。禁忌としての「幻想」から世界認識の方法を探る異色の国家論です。


②考察

・「人間はしばしばじぶんの存在を圧殺するために、

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書評:『イスラーム文化』井筒俊彦

書評:『イスラーム文化』井筒俊彦

①紹介

東洋哲学の碩学で、イスラム教の聖典『コーラン』を最初に日本語に訳した井筒俊彦の『イスラーム文化-その根柢にあるもの』(岩波文庫、1991年)を紹介します。(あれ、イスラム?イスラーム?ここの違いは後で調べましょう)彼は研究のためにおよそ30ヶ国語を操ったとか。イスラームをイスラームたらしめているものは何か?アッラーと契約を結んだムスリムの知られざる生き方に迫ります。

②考察

・「誰で

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書評:『定本 想像の共同体』B.アンダーソン

書評:『定本 想像の共同体』B.アンダーソン

①紹介

アメリカの政治学者ベネディクト・アンダーソンによる『定本 想像の共同体-ナショナリズムの起源と流行』(白石隆、白石さや訳、書籍工房早川、2007年)を紹介します。なぜ人は国家に属するのか?国民を国民たらしめるものは一体何か?それらのヒントは私たちが普段何気なく頭の中で行なっているアレにありました。

②考察

・「国民は〔イメージとして心の中に〕想像されたものである」
→心に思い描いたも

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書評:『絶対に挫折しない日本史』古市憲寿

書評:『絶対に挫折しない日本史』古市憲寿

①紹介

(今はどうかわからないけれど)『真相報道バンキシャ!』などに出ている社会学者の古市憲寿さんが書かれた『絶対に挫折しない日本史』(新潮新書、2020年)。中学高校時代に使った歴史教科書にありがちなダラダラ感は一切なく、退屈する暇もなし。本書は2部構成。第1部は日本の興りから終わりまで。第2部はいくつかのテーマに分けて「日本とは何か?」を読者に問う内容となっている。


②考察

・「現在

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