見出し画像

骨盤後傾位の改善方法を深掘りして考える

こんにちは^^

理学療法士、PHIピラティスインストラクターの飯沢です。


骨盤後傾を深掘りして考える
このような話題で記事を書いていこうと思います。


その前に大殿筋にフォーカスした記事を書いているので、こちらから見ていただけると理解が深まると思います。


今回は長座位に焦点を当てて考えていきましょう!

ではやっていきましょう!



長座位をシンプルに考えると・・・

ハムストリングス、大殿筋の短縮により骨盤後傾、腸腰筋での骨盤前傾が困難な状態になっています。これは誰が見ても分かる内容であると思います。


運動療法で考えると・・・


ハムストリングスのストレッチ、腸腰筋のトレーニングを行いましょう。ここまでは学生さんや若手セラピストでも理解できると思います。ここから臨床的に活かせる内容で書いていきます。


深掘りしていきましょう!


ハムストリングのストレッチと聞くと・・・・

SLRなどが頭に浮かぶと思いますが、これだけをやって長座位を取れるようになりました!ということは臨床では少ないです。その場で長座位を取りやすい状態にはなりますが時間が経つと出来ない状態に戻ってしまいます。


そのため・・・


大腿骨を軸とした骨盤前傾(腸腰筋求心性&ハムストリング遠心性)お尻プリッとして更に骨盤前傾+ハム遠心性収縮を促す筋活動が必要になります。



股関節に対して骨盤が前傾する作用が重要になります。


ハムストが硬いからストレッチしましょう!腸腰筋が弱いので足上げをしましょう!間違いではありませんが、それだけで改善は中々難しいです。



腸腰筋での骨盤前傾とハムストリングの遠心性収縮を促すことはわかりました!ではやってみましょう!


ここ意識するだけも改善できてきますが・・・


更に臨床的に深掘りして考えていきます。


ハムストや大殿筋の短縮が強いほど骨盤後傾し、腸腰筋が伸ばされつづけています。遠心性収縮という解釈でなはく、強制的に伸ばされ張力を発揮できている訳ではありません。




このような状態で・・・

骨盤を前傾させるようなエクササイズをおこなっても拮抗関係で筋を働かせることはかなり難易度が高い状態となります。

まずは・・・

大殿筋と腸腰筋の拮抗関係を優先して改善していく必要があります。



腸腰筋とハムストリングスのレバーアームの長さを考えたときに・・・

画像をみてイメージしてもらいたいのですが・・・


腸腰筋による骨盤前傾誘導したときに、ハムストリングスの遠心性収縮が行われますがレバーアームが長い分、共同して収縮する難易度が高くなるのは想像がつくと思います。

更にハムストリングスに関しては二関節筋でもあるため、膝関節の可動域制限によっても腸腰筋の作用に影響を及ぼすことも考えられます。

そのため、単関節筋である腸腰筋、大殿筋の拮抗関係での収縮を優先して行うことで、ハムストリングスと腸腰筋の拮抗関係で収縮を促しやすい環境を作ることが可能です。


運動療法


シンプルに捉えていくと・・・

ハムストリングスの影響をを除外する
・大腿骨が安定し、骨盤前傾を促せる環境


この二つの環境を作る事が重要になってきます。


座位を取り膝関節と同じ高さにくる台があればベストです。


プラットホームくらいの高さが丁度良いのもあるので、整形や病院勤務の方は利用してみてください。



環境設定ができてから・・・

腸腰筋と多裂筋の収縮感覚がかなり入りやすいので是非体感してもらいたいです!


①大腿骨でベット押し付けながら、坐骨前方支持。

②股関節のはめ込みを意識、エロンゲーション意識をしながら体感前傾。

②お辞儀45°くらいで更にエロンゲーション、そこから小指意識でゆっくり上肢挙上していく(腕が外転開かないように!)と多裂筋、腸腰筋の収縮感覚が入ります。

③最後に骨盤前傾をちょっと意識!!更に感覚UP



がっつり多裂筋に収縮感覚入いるので是非やってみてください!


骨盤前傾を促すことで大臀筋の縦方向への遠心性収縮を促すことも出来ます。



その後に・・・

殿部伸張性、多裂筋、腸腰筋の運動感覚が分かってきてからハムストリングスの遠心性収縮も考慮した上で、エクササイズを行うことで、拮抗関係での収縮を促すことができます。


骨盤前傾を促すポイント

骨盤前傾を促しても腰椎伸展で代償してしまうのが臨床ではほとんどのため、エロンゲーションを意識してもらうことで腰椎伸展の代償を防ぎ、骨盤前傾を促しやすいな〜と実感しています。

特に多裂筋の感覚は骨盤前傾を促すよりも感覚が入りやすいので意識してみてください。


NGパターン


SNSなどで様々なトレーニングが紹介されてはいますが、対象者によって運動強度をコントロールすることが大事であって、ただエクササイズを行えば良いという訳ではありません。


私の場合は60〜80代の患者さんが多いため、ピラティスのテキストに載っているエクササイズでは難易度が高すぎるため、エクササイズをそのまま利用することはほとんどありません。


殿部を鍛える一般的なトレーニングだと・・・

ヒップヒンジ系のエクササイズがありますが、最初から行うと難易度が高く代償動作が出やすいため、対象者によってエクササイズの難易度を下げて行うことが重要で対象の部位を意識しやすい環境を設定することが重要になります。


骨盤前傾の感覚が掴めてきたら、ヒップヒンジ系のエクササイズにレベルUPすることはOKですが、いきなり・・・エクササイズの種目があるからやろうはNGです。


今回は骨盤後傾位について深掘りして考える内容でした。

今回のポイントとして

①大腿骨に対する骨盤の前傾が重要である。
②腸腰筋と大殿筋の拮抗関係を優先して改善する。
③骨盤前傾ではなく、エロンゲーション意識


今後もヨガ、ピラティス、トレーナー、若手PT向けに記事を書いていくのでよろしくお願いしまーす!



質問があればインスタグラムのDMからメッセージしていただけると返信させていただきます!
https://www.instagram.com/tefinta.09/?r=nametag



待っててね〜!


理学療法士
PHIピラティスインストラクター

飯沢柊哉

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?