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『約束はできない』Revisited

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雨の粥が二十歳の頃に初めて作った薄い冊子を十数年ぶりに再現しようという企画です。
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#感覚

詩をめぐる『約束はできない』その5

詩をめぐる『約束はできない』その5

机上の紙に何が記されていたのか、今となってはもうわからない
紙の上の文字は姿を消してしまった
かつてそこに描かれた軌跡は残されていない

プールサイドにあるジャグジーの泡だけがその内容を知っている
それは飛び込み台について書かれた不思議な詩だ
有名ではないが誰もが知っている詩、つまり電光掲示板に映し出されるロケットだ
詩人は口笛を吹くように呪文を唱えている
森の木々の最初の一本はどれだろうかと考え

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