見出し画像

店長がバカすぎて、を読んで


表紙の主人公と思われる女性の絶妙な表情に親近感を覚えて本に手を伸ばした

目の感じも鼻が少しふっくらしたところも
あれ?造形もわたしに似ている...?

そっと裏にひっくり返す
帯にある文言に心が揺れて、そのままレジへ連れて行った


『店長がバカすぎて』

1.あらすじ

谷原京子、二十八歳。吉祥寺の書店の契約社員。
超多忙なのに薄給。
お客様からのクレームは日常茶飯事。
店長は山本猛という名前ばかり勇ましい「非」敏腕。人を苛立たせる天才だ。

ああ、店長がバカすぎる! 
毎日「マジで辞めてやる」と思いながら、
しかし仕事を、本を、小説を愛する京子は――。

2.わたしの感想

仕事で信念に反することがあると「ガルルッ」と喉元がなってしまう癖に
涙もろいところ、毎日「マジで辞めてやる!」って思いながらも
仕事と読書しかしていない29歳独身女

親近感しか覚えないなか、読み進めていった

出版業界、特に本屋さんの苦悩が垣間見える
例えば、この本欲しいのに、本屋さんに売っていない!なぜ!
と言うことがたまにあるが

「定価販売を維持するための再版制度の弊害なのか、出版社は返品を恐れ、
 二言目には「実績」という言葉を使って出荷する数を絞ってくる。
 売りたい本を希望通り入荷することもできないのだ。」

なるほど、こういった背景があるのかと目から鱗だったし、
本屋さんで本を買うという行為を続けて「実績」作りに貢献しよと思った瞬間だった

タイトルの通り、
ポンコツでおバカな上司がいて、
憧れていた先輩は去っていき、
気づいたら自分は意外と古株になっていて

(ここまで自分との合致率100%)

仕事のもやもやは積もってきていて
ただ、ぶれちゃいけない、
自分が大切にしてきたことは守る姿勢を貫いて、
上とぶつかって、もがいて、敗れて
本当にこれでいいのかな、もう信念諦めちゃおうかなって
会社辞めちゃおうっかなって

(ここまでも合致率100%)

でも意外とそういう姿は後輩が見ている
そう、ちゃんと見てくれている(完全同意)

「私、谷原さんのことをすごいって思ってました。
 こんなこと言うのは気が引けますけど、この会社の上の人たち、
 話の通じない人ばっかりじゃないですか。
 そんな中で一人で戦っていて、すごい数の本を読まれているし、
 何も諦めていないし、私は救われる気がしてたんです。
 …谷原さんがいなかったら、私はとっくに出版業界に絶望していたって」

絶望という言葉までは言われたことがないけども、
似たようなことを後輩から言われて、
京子さんも言っていたが、実は言われた私たちが救われている

自分の軸をぶらさなかったことで被ったできた傷が少し癒えた気がした

結局、好きなんだよね
谷原京子さんも、わたしも、働くことが

わたしは働く中で、
普通ではという言葉が適切かわからないけども
普通では出会えない人やモノが絡まることで
生まれる「何か」が生まれる瞬間に立ち会うのが好きで
ラッキーなことに、わたしが絡んだことで
その何かが生まれるとより喜びを感じる

だから、きっと辞められない
今の会社は辞めるかもしれないけども、働くはずっと続けていくのだと思う

この本をおすすめしたいと思った理由は、
最終章が「やっぱりわたしがバカすぎて」なのこと、

そうなのです、やっぱりわたしがバカすぎて◻︎

東京から離れ 本の世界に旅行に行きたい =✈︎