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解雇規制を緩和するなら、“非正規”を廃止すべき。

現在、正規社員への保護が
手厚くなり過ぎているため、
企業は「やる気がなく、能力もない」社員を
解雇できない。

企業価値を高めるためには、
高い能力を持つ人材だけで構成したいところだが、
容易には進まない。

そこで、非正規社員に依存する体質ができてしまう。

重要なポストに関しては、能力のある正規社員を配し、
その他は非正規で構成する。

そうすることで、業績が悪化した場合には、
非正規を切ることで
有能な人材を温存することができる。

企業側からすれば、非常に効率の良い、
スリムな経営基盤である。

自動車業界を見れば、よくわかる。

大手が危機に面した時、
大幅なリストラをすることにより、
驚くほどのスピードで復活した。

さまざまな企業努力もあったが、
リストラの大半は、
非正規のクビを切っただけである。
実に簡単。

“非正規”という制度は、
企業にとって非常に都合が良い。

そして、正規社員の解雇規制まで
緩和されそうである。

正規と非正規の差があり過ぎるため、
正規も解雇できるようにすることで、
非正規を守るというが……。

規制が厳しいために、
非正規ばかりを切らなければならない、
という企業の言葉を鵜呑みにしてはならない。

新しい規制緩和を悪用する企業が必ず出てくる。

「正規と非正規を平等にするために」
という口実のもとに、
より大きなリストラをやってのける。

利益優先の企業にとっては、
有り難い規制緩和となるだろう。

“危なくなったら、人を切れ!”
で、済んでしまうのだから。

私は、この規制緩和に反対するわけではない。
むしろ賛成である。

世の中には、「努力をしない」「やる気がない」
人間が腐るほどいる。

そんな人材を雇用し続けなければならないのは、
おかしなことである。

給料分さえ働かない人材を切りたいのは、
企業として当然のこと。
これが、本当のリストラではないのか。

そのためにも、規制緩和はした方が良い。

ただし、すべてが企業に都合良くなってしまうのは、
避けなければならない。

正規と非正規の差をなくすという目標があるなら、
“非正規”という制度を廃止すべきである。

非正規がいなければ、
経営が成り立たないという企業もあり、
現実的ではないと言われるかもしれないが、
問題の根本はこの制度にある。

昔の非正規すなわち派遣などは、
本人の都合によるものだったが、いまは違う。

ほとんどは、企業の利便性を重視している。
本人が望んでいるわけではない。

正規社員の解雇が容易になるのであるならば、
非正規という存在は不要になるのではないか。
いや、不要にしなければならない。

非正規を守るということが前提なら、
非正規をなくすべきである。

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