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芥川龍之介の「トロッコ」を読んで~一部ネタバレあり~

こんばんは。きむきむです。
今日も数ある投稿の中で私の投稿をご覧いただきましてありがとうございます。

ゴールデンウィークも今日で終わりです。
私の住む地域はまだ、非常事態宣言中なので明日からも仕事以外の外出は
極力避けて生活する日々が続きそうです。

さて、子供の学校の宿題用読書感想文のために買った
芥川龍之介「「「羅生門」、「蜘蛛の糸」、「杜子春」外十八編」
ですが、各短編の長さが短いこともあり、子供よりも私の方が思いのほか
読む機会が増えています。


今日は「トロッコ」についてご紹介したいと思います。

「トロッコ」

大正12年2月に発表されページ数は7頁の短編になります。今まで投稿した「河童」や「羅生門」に比べるとかなり軽いな内容なので、芥川龍之介作品の初心者には良い作品のような気がします。

あらすじ(リード文)

7頁ですがあらすじは非常にシンプルです。
8歳の良平は毎日工事の土砂運搬等で使用される「トロッコ」を毎日眺めている。
いつかトロッコに触りたい、乗ってみたいと思い、作業員がいない時に兄弟やその友達と一緒にこっそり乗ってしまった。
さらに親しみやすそうな作業員に手伝いを申し出てトロッコを押したり、乗車する。気づけば日が暮れて来て、良平は遠くまで来ていた。
良平が「トロッコを眺めている時」、「こっそり乗った時」、そして「トロッコをお手伝いで運搬している時」の情景や心理描写がきめ細やかに描かれています。

1198835_s 海崖

感想

今日も私のような者の陳腐な感想ですが自分へのメモ代わりと言う意味も込めてご容赦いただければ幸いです。
今までご紹介した「河童」や「羅生門」と同じように非常に繊細で生き生きとした景色の描写とついつい知らず知らずのうちに主人公自身になったと錯覚に陥りそうになりました。
迫ってくる景色の描写に思わずドキドキしてしまいました。本当に素晴らしい表現力で私自身の想像力を刺激してくれます。体に力が入って読み終わった後、ホッとしました。

以前、山口県に旅行行ったのですが、その時にバスでその時に秋吉台から山口市内、津和野まで行きました。その途中に見た恐らく石灰石やセメントを運搬するために作られたパイプライン?ベルトコンベア?運搬路?が山間に張り巡らされていたのですが、それをふと、思い出しました。(参考画像です)

良平が最後の方で号泣するのですが、この理由が”モヤっ」とします。
罪悪感と恐怖、安堵の入り混じった気持ちだったのでしょうか・・・・

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と書きながらも何となく自分自身が感じた感想が
十分表現できていない感じがして”もどかしさ”を感じます。

今まで芥川龍之介作品を三話を読み紹介しながら気づいた事が二つありますので、最後に共有したいと思います。

芥川龍之介作品を読んでの気づき

1.映像伝達が想像力を衰えさせる

最近、我々の生活の中では、YouTube、Instgram、TikTok、Facebook等の視覚媒体て紹介するのが主流になりつつありますが、それはそれで物事を簡単に伝えやすく便利だと思います。

ただ、結局、何でも目に入ってくるとそれが自分の先入観として入ってきてしまい画像以上の想像力が膨らみません。

芥川龍之介作品の文章よえに繊細で丁寧な匠の表現力での描写によって、読み手自身が視覚的な先入観に囚われず想像力が膨らみ、一人一人それぞれの想像した景色(うーん、しっくりこない「イマジネーション」)を描けることが文章での描写の良さだと感じました。

ちょっと脱線気味ですが、私が勉強させていただいているnoterさんの一人である、「デザイン思考と本質追究を楽しもう♫」さんの投稿で

「アイデア文房具の台頭」

という記事がありました。

この中で文房具が便利になると人は「便利さ」に依存してしまい、「工夫・節約をしながら上手に使用する」ことを考える機会を奪うという記事を出されていました。
(詳しくは下記投稿をご参照ください。他にも学びが一杯です!)

転じて、画像や動画等の視覚媒体を使用したコミュニケーションの過剰な使用は我々の想像力の低下につながるのではないかと感じました。
さらに拙者のように文章での描写をする表現力が磨かれず、表現力の無さを痛感する次第です。もしかしたら日々劣化しているのかも・・・

アイデア文房具も視覚媒体を使用したコミュニケーションも、受取側への示唆が強すぎて、受取側が思考したり想像したりする力を衰えさせるリスクをはらんでいる気がしました。

2.答えを求め過ぎない

前回の「羅生門」でも今回の「トロッコ」でも、行動の理由について明確にしていない箇所があります。例えば以下の箇所です。

・「羅生門」であれば、作品の最後の方で「下人が衣服を持ち去る」ところ。
・「トロッコ」であれば、良平が号泣するところ。

ついつい我々は「解答」を求めてしまう傾向があると思います。
学校のテストでもつい、相手が期待している「正解」に合致する「解答」を出す訓練を筆記やマークシート等の試験を通して出す訓練をしているので
必然とも言えます。
ただ昔も、現在も、未来について予測は出来ても正解一つではなく千差万別です。

Aさんにとっての最善も、Bさんにとっての最善ではなく、Aさん、Bさんにとっての最善でなくても、Cさんがその置かれた立場では最善であると言う場合もあります。つまり、

人それぞれの人生の最善策がある

ということだと思います。このような芥川龍之介作品のように、「なぜそのような行動を取ったのか」といった「問い」「問題提起」を投げかけられることによって読者に主人公の行動理由や気持ち、自分事ならどう考え、行動するか?を思考させるきっかけを与えてくれます。
これらの思慮を巡らすことによって「答え」ない質問について考える疑似体験(訓練)ができるのだと感じました。

これは実用書とは違った学びを与えてくれるものだと感じた次第です。

「河童」と「羅生門」に関する投稿のリンクもご紹介させていただきます。


「デザイン思考と本質追究を楽しもう♫」の記事を引用させていただきました。ありがとうございます。
今日は皆のフォトギャラリーのgoldrush00さん画像とフォトACから画像を
使わせていただきました。

今日も最後まで付き合っていただきありがとうございます。
明日も皆様にとって良い一日でありますように。

未来志プロデューサー きむきむ
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