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脚本を書き始める前に考えること(どうやって傑作をものにするのか)

今まさにTCP、NHK、伊参など、これからのコンペラッシュに何を書くか練っており改めて。自分の場合は大体以下の流れだけど、皆さんどうなんだろうかな、と。傑作が…書きたいよー!

あくまで自分の場合。おうちにいる今こそ。
書き始める前に考えること、から完成までのプロセス。

この1文は最後まで書いて付け足すんだけど、はぁ、まだまだだな…、と。これもいずれブラッシュアップしてまた書きたいな。

1.どんなキャラクターが何を克服する話なのか、内包されるテーマは?

最初はこれ。どんな問題を抱えたキャラクターなのか、そしてその問題に現代性はあるのか、自分が伝えたいテーマは? 書かれるべき意味はあるのか? ここから考える。いきなりハードルが高い。ここをくぐり抜ければ傑作になるんじゃないか、と。

これが決まれば全体の構成や必要なキャラも何となく見えてくる。何となく。でもこれが当然ながらいちばん苦労する。普段からストックしておく、というのはそうなんだけど、社会への怒りやテーマを持続させるのはなかなか難しい…。

ニュースや普段の生活から湧いてくる疑問から出発することもあれば、様々なジャンルの創作物から影響を受ける場合も。単純にこんな話書きてー!という全体としてのトンマナから入る場合もある。

また、コンクールはやはり受賞が全てという観点からは、各コンクールの傾向から入ることもあるし、今回はこんな内容やジャンルや構成にチャレンジしたい、と習作としての訓練視点から入ることも。
ここなんだ、ここが全て…! 考えたテーマをしっかりとログラインに落とし込む。ログラインで面白さが見えれば…見えなければ泥! ドラマっぽい話、じゃないんだ、ただただ人間を描きたい…!と段々ハードルが高くなり結果、今もこうしてただチューハイを飲んでいる。

ここについてはもうちょっと掘り下げて自分なりの方法論を見出したいところ。

.書きたいアイデアやエピソードを列挙する

この過程は文句なく楽しい!
いちばん楽しいと言っても過言じゃない。セリフや短いシーンもどんどん書き出す。音楽を聞きながら連想ゲームのように関連する事柄や名言、小説や映画の断片を思い起こしながら。含めたいよね、過去の名作の名言やらオマージュやら。
今までだと星の王子さまの名言を使ったり(ベタ)、谷川俊太郎の詩を引き合いに出したり。そういうの。

.拡散するので取捨選択する

ここが苦手。
2を楽しんでいると際限なく拡散してテーマがブレてくる。注意。ここが苦手なんだよな、ログラインさえしっかり意識していればブレることは無いはずなんだけど、これも書きたい、あれも書きたい、と欲張りになった結果、いつの間にか脱線してしまう。もしくはキャラを掴みきれていない、などちょっと違う原因があるのかな、と考え始めてるけどまだ掴めていない。ので、以下4を最初に固めるのが先なのかもしれない。

4.エピソードの中からクライマックスとファーストシーンを掴む

じわじわと平熱のまま終われば不思議な余韻を残す作品。本当はそっちのほうが好きなんだけど、よほどの構成力やシーンの展開力や台詞が書けないと成り立たない。ので、ファーストシーンかそれに連なる一幕内ではっきりとテーマと主人公の抱える問題を打ち出す。イコールこの段階で結末は自ずと予想されるものになる。それでいいのかなと思ってる。

あとはクライマックス。話の大筋は予想されるものであっても、クライマックスの意外性やが決まればある程度形にはなる、と考える。バーン!て。とにかくバーン!て、動きのあるカタルシス、テーマへの答えを出す!! と、文章ならね、!!を付けて雰囲気出してるけど、これが難しい。あと、クライマックスというのはクライマックス単体では成り立たず、それまでの積み重ねも影響してくるわけで、それは5にて。

5.プロットにする、箱を詰める

ここも苦手。
プロットをきちんと書いたことがないし、書いたとしてもプロット通りになったことがない。軽い箱書きはするんだけど、それも思い通りにならないので、いっそ捨てるべきか、どう訓練すべきか、自分なりの構成見積もりを考えたいところ。ただ、シーンの羅列の順番を前後させてみたり組み合わせをガチャガチャと組み替えてみたりはする。本当はなー、ここが大事なんだろうと、話は同じでもシーンの順番だけで効果的に物語る力があるんじゃないかと、いちばん勉強したいところ。数をこなすしか無いね。映画やドラマを数多く見る、分析して気付きをメモって後に使って血肉化する。

6.書き出す

楽しい。ただただ楽しい、何も考えずに勢いで筆が進む。ただ、5が苦手なので、結果一直線の話になりがち。シーンの入れ替えで引っ張ったり何でも無いことを効果的に見せる技術が無い、たぶん。筆力…。
台詞の省略、台詞の代わりに別の方法で分からせる、ト書きでの描写、などなど、、ここに含まれる全ての技術は一朝一夕で身につくものではなく、積み重ねなんだろう。

今日たまたま映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」を見たのでいくつか気付いたところを書いてみる。

●夏休み中の出来事があり、次のシーンは学校
モブの「久しぶりだなー」「おぉひさしぶりー」という会話だけで始業日を描写、基本だね。

●主役2人の仲良くなるシーン
吃音症の主人公Aがいる、もうひとりの相手Bは話しかけてくるも喋れないAにしびれを切らし、紙に書きなよ、とミニノートとペンを渡す。面白いこと書けたらノートとペンあげるから、というB。Aは見事面白いことを書く(内容は本編で)。
その後どう書くのかなって。
Bが「へえ、案外面白いじゃんお前、あげるよそれ」みたいなこと言うのかなと思った、Aもにっこり、みたいな。そう思ったんだけど、それはダサいよな! ダサい! 
本編では、そこではBはフッって口の端を歪めて終わり。次のシーンでまた喋れないAに、Bは「ノートとペンあげたじゃん」という。Aはノートとペンを出す。
そっかーそれでいいんだよなー! と思った。説明しすぎず絵で伝える、これも基本だな。

7.推敲する

出来てない。何故って? だいたい締め切り当日に完成するし締め切り数分前に出したりしてるから。テヘ。

テヘじゃないわ。ただ、初稿の衝動が消えるんじゃないだろうか、と思うこともある。いや、その前に推敲してから言えよ、という話なんだけど。
不要なシーン、不要な展開、無駄な説明台詞、これらを削る、画にする、それを意識するだけでだいぶ変わるんだろうな、と分かってはいる。

5と7、6の技術、そんな筆力をめきめき身につけたい、決意はずっとある。
何ていうか、自分の中で確かな手応えとして、一歩一歩でも何かを掴めたら、それだけなんだよね、まずは。今までだってそうだった、どんなジャンルでもそうやって積み上げたものは自分にとっての確かな拠り所になるんだから。

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