よもぎ大福

文字書きの練習と日記

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木曜を噛み締める

雪が解けて 春、桜が散って 夏、蝉の声が聞こえなくなって 秋、そして冬。 ハッと気付くと、あんなに頼りなくてふにゃふにゃだったこどもは家中を走り回っていて、いよいよ3歳になろうとしている。 今日も今日とて元気にトミカを投げ飛ばしてお歌を口ずさむばかりでごはんを食べないこどもを宥めて誉めてヨイショして結局怒って保育園に送り届けている。 隣ですやすや寝るこどもを慈しみの目で見つめながら「いいママになるようにがんばるよ、毎日笑顔で楽しくくらそうね」などと呟いた日々は幻想となり遥か

    • 冬に着地する(出産の後)

      以上がわたしの出産記録(メモ?日記?)です。自己満誰得な記事にお付き合いいただいた方々、ありがとうございました。 入院生活では、新生児黄疸で子の治療をしたり、夫が初抱っこでふおおおおってなっている最中に子が爆裂うんこをしたり、ちっとも痩せずに質量保存の法則に疑いを抱いたり、(なぜか)LINEで妹と喧嘩したり、授乳がうまくできずに半泣きだったり、子の顔がおっさんだったり梅干しだったり、入院費用精算で目ん玉飛び出たり、いろいろ盛り沢山ありました。 案の定というか何というか、退

      • 飛び出す冬(出産の話)

        妊婦話ですので、以降ご注意ください 何ヶ月前の話だよって感じですが、自分のメモがてら ------------- 入院初日 夕方、破水のような感覚があったもののよく分からずとりあえず待機という名の昼寝を開始。夜、もう一度同じ感覚があったので準備して病院へ。 まだまだ実感なんて湧かない中、いよいよ出産かー今日産まれちゃったらどうしようかなーなんてソワソワしていた。家のドアを閉める時、ああもう帰ってくる時は1人じゃないんだなあなんてしんみりしてた。今となっては、出産舐めん

        • 分裂が収束する秋(妊娠後期の話)

          妊婦話ですので、以降ご注意ください 何ヶ月前の話だよって感じですが、自分のメモがてら ------------- 8ヶ月めあたり 後期に入って早々、大学の同級生(出産予定月がおんなじ)とおランチ。書き込みまくりの母子手帳とハンドメイドベビー用品を見せてもらって焦る。やべえ何にもしてねえ。はしゃぎすぎて翌日からしばらく具合が悪くなる。 控えめに言っても進歩なし。 ふと思い立って胎動動画とやらを撮ってみたところ、歪みすぎで軽く引く。夫氏が触っていてもわかるようになってき

        木曜を噛み締める

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        • 駄話
          9本
        • 妊婦のはなし 育児のはなし
          6本
        • あいうえおのショートショート
          5本

        記事

          分裂が加速する夏(妊娠中期の話)

          妊婦話ですので、以降ご注意ください ------------- 5ヶ月めあたり ようこそ安定期。やれ検診だやれ検査だ、でここまであっという間だった気がする。親友やこの時期に会った友達にはボチボチご報告。すこしお腹まわりがふっくらしてきて体重も着実に増加。中の人の分なのか私の実力値なのか(たぶん後者)。夏が近づくにつれアルコール摂取欲が増してくる。 しばらく炭酸水(主にウィルキンソン)で誤魔化していたものの限界が見え、ノンアルビールに手を出し始める。缶ゴミの量が加速度的

          分裂が加速する夏(妊娠中期の話)

          分裂する冬と春(妊娠初期の話)

          妊婦話ですので、以降ご注意ください ------------- 2ヶ月めあたり 体調変化なし。何かの拍子に流れてしまわないかという不安と、腹に子がいるかもしれないという期待で始終そわそわしていた。 体調や体型にまったく変化なしだったので妊娠自体を疑ったり、次の検診まで流れる不安でギリギリしたり、情緒不安定にも程がある状態。ほら言わんこっちゃない。 3ヶ月めくらい ひたすら日中の眠気がひどかった(ような気がする)。オエオエ系の悪阻はあんまりなかったものの、急にキャベ

          分裂する冬と春(妊娠初期の話)

          分裂が始まる冬(妊娠前の話)

          妊婦話ですので、以降ご注意ください ------------- 力技で結婚に持ち込んだあの日からだいたい2年 いよいよもってお子がほしい欲高まる。が、私は服薬中。しかもメンタルのやつ。諦めたり諦めなかったりを繰り返している時期。 ずいぶん無謀なこと考えてたもんだ。メンタルの薬は胎児に影響が出る可能性がゼロじゃないし、そもそもお前子ども好きだとか言ってるけど友人の子と時々遊ぶだけじゃねえか、とか、いろいろ突っ込みたい。 その半年後くらい ちょっとずつメンタルの症状(

          分裂が始まる冬(妊娠前の話)

          記憶の向こうに木曜日

          すっかりnoteを開かなくなって数ヶ月、自他共に認める後期妊婦に成長しました。どこに出しても恥ずかしくない腹と尻と二の腕をブルブルさせながら変わりゆく体に慄く日々を送っています。我が家はひとりっ子予定なので、毎日の変化も楽しんどかないと損っていうか変わりすぎてもはや恐怖でしかないっていうか。 元より自堕落な人間で、決してマメじゃないのですが、人生で一回こっきりの妊婦期間(もう終わりかけだけど)だし記録でもいっちょ残してやりますか、と思い至りました。爆誕してくれるまでまでの間

          記憶の向こうに木曜日

          水曜の腹のうち

          先日、大学からの知人に妊娠報告を受けた その前は高校の頃からの知人。さらにその前は大学の知人から出産報告が、もう一個前は前職の先輩、もう一個前は地元の。 (仮に何事もなく中の人が出てこられたとして、)周りに同級生が多いのは心強いと思う反面、自分と人を比較してだだ凹みしている姿が目に浮かぶ。比較せずにはいられない癖は相変わらず。これがいわゆるマタニティーブルーってやつなのか。あ、なんかたぶん今、わたしすごく妊婦っぽい。 さて、前回失敗した検査の話 あれからまるっと1週間

          水曜の腹のうち

          金曜の弱気

          つわりらしいつわりもないまま全体的にふっくらしてまいりました その代償なのかなんなのか、この1ヶ月半で胃腸炎もどき(お腹の風邪?)を2度ほど繰り返し、上から下から大惨事に見舞われましたが フィジカルも相当でしたが、どちらかと言うとメンタル面も乱れまくりで、この数ヶ月何をする気力もありませんでした 朝起きてご飯食べて会社に行ってキーボード叩いて自宅に帰ってお風呂入ってご飯食べて寝るのが精一杯 ホルモンバランスのせいだと無理矢理自分を納得させながら今日もなんとか息をしています

          苦し紛れの日曜

          いやはやずいぶんと間が空いてしまった。 いつものことだけど天気の変わり目はメンタルもフィジカルもグズグズに崩れて再起動にものすごく長い時間がかかる。 安定したなと思ったらもうすぐ次の季節。 今年は夜桜をみにいった。 ライトアップされた桜並木は神秘的でよい。 気づけば葉桜になっているけど、種類が違うのかな、近所に咲いている白っぽい桜の木は枝という枝がポンポンになっている。 さて、3月の中旬、調子がグズグズな中に思うところあって通院したところ、お腹に中の人がいることが判明しま

          苦し紛れの日曜

          日曜日の太陽系

          我が家のトイレにはポスターが貼られている。いわゆる今年の一枚。 2017年はビッカメで頂戴した桃鉄仕様の日本地図(やったことないけど) 2018年は鉄道欲が高じたため、東京都近郊の路線図 で、今年は急激な方針転換の末、太陽系図に落ち着いた。 わかってはいたけれど、宇宙のでかいこと広いこと。銀河系とか星雲なんて999やウルトラマンでしか聞かないようなワードを図解されると、そりゃね、しっかり読み込んでしまう。嗚呼めくるめくロマン。 私だって月歩きたい。月の裏側を見たい。

          日曜日の太陽系

          お はよう おやすみ

          廊下に続くドアが開く音がしたので、スマホの画面から目を離した。 ボサボサになった髪と、まだ半分も目覚めていないだろう顔。だっさい部屋着。週末の朝を十二分に堪能したようだ。 さむい… さむい… と、なんとか聞き取れるくらいの声量でモゴモゴ言いながらこっちに歩いてくる。 あ、力尽きた。 人をダメにするソファー(クッション?)に倒れこんだ背中から気配が消えていく。 ダメだこりゃ。 よいしょ と立ち上がって床暖房の温度を少し上げ、隣のソファーに腰掛けた。寝ぐせ頭がくるり

          お はよう おやすみ

          さよなら日曜

          こんにちは2019年、ようこそ亥年 あと数ヶ月、何かにつけて 平成最後の という枕詞がつきまとうんだろう 2017年6月に発症した適応障害と付き合ってもう1年半で、まだ薬を手放せない日々を送っている。 といっても薬は1日1錠に減ったし、それなりに会社には通えているし、まあまあ回復しつつあるんじゃない?という小さな自信もあったりなかったり。 まあ、その小さな自信から芽生えた 全部完璧にやらなきゃいけない 系の思考に囚われて自滅するのがおきまりのパターンなのだけど。 2019

          さよなら日曜

          え てして

          自信がないんだ、 暗い顔をした男が小さく呟いた。 自信がないんだよ、全てにおいて。 見てくれがいいわけでも、頭がいいわけでも、ましてや要領がいいわけでもない。なんの取り柄もないんだ。僕は何も持っていない。 一息に吐き出して口をつぐむ。少し目線を下げた男の表情を、伸びっぱなしの前髪が隠した。 そりゃ努力もしたさ。 暗くなるまで公園で逆上がりの練習したことだって徹夜で勉強したことだってあるよ。でも授業の逆上がりテストは失敗したし、テストは平均ちょい上が限界。就職はできたけ

          火曜日の奴隷

          定期を更新した。 6ヶ月モノなので、それなりのお値段。財布から取り出した この世で一番すてきな紙切れは、あっ というまに券売機の中に吸い込まれてしまった。 初めて 定期券 という名の魔法のカードを手に入れたのは高校生のときだと思う。小さな片田舎の駅で、おっちゃんのいる窓口に並んだものだ。雑に切られた申し込み用紙が懐かしい。氏名も利用駅も手書きしてたんだよ。通学証明書を持っていかないと学生料金にしてくれなかったんだよ。それでも一瞬ひるむ金額だったのだけど。 紙のようにぺら

          火曜日の奴隷