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いまさら聞けないファション用語【フーディ】



よもぎは服屋の一店員である。
一応プロであるのだが。

先日のこと
一見外国暮らしが長そうなセレブ感を醸し出しだす女性のお客が

『あのオゥ。フーディありますかァ?』

さも当たり前に問うてきたので、

ふっ?ふーでい?

うちの商品にそんな名前のモノはないなあと思いつつ

この方の『海外ではこう呼ぶのよ』的当たり前感とフーディという音の持つニュアンスから察するに、

それは固有名詞ではなく、なんらかの服のジャンルやスタイルを指すのだろうとピンときた。

「わかりかねます」にはまだ早い。
ここはプロの意地。

『少々お待ち下さいませ。フーディですね。フーディはですねぇ。。』

とフーディを乱発しながら時間を稼ぎ、更に思考を高める。

フーディ
フーディ 
フーディ

………

んっ?

フード!
帽子か。

帽子のことを海外セレブはフーディと呼ぶのか。

いや待てよ。
この方普通に日本語だし顔はあくまで和人。

フーディのとこだけすごく発音良いけど、日本語は通じる。

帽子なら帽子って呼ぶ。普通なら。
ハット
キャップ
帽子にも色々ある。

セレブを引き連れて、試しに無言で帽子コーナーを通り過ぎるも反応なし。

辺りをキョロキョロしながら20秒経過。

フーディが醸す

言葉のひらめきを信じて

恐る恐るパーカーの棚の方へ手の平を添えて

『こっこちらで宜しいでしょうか』

と恐る恐る小声で尋ねると

『あーこれこれ!』

と見事に正解。

すかさず踵を返し

『大変申し訳ございませんお客様。前日にレイアウトの移動がありまして、わたくしフーディの棚の位置が不確かになってしまい…』

と、さもフーディは知ってましたよ的接客で逃げ切る。

冷や汗モンの対応が終わり

慌てて職場の同世代の仲間ブッチに

『ねえねえブッチ。フーディって言われて分かる?さっきのお客さんがパーカーのことをそう呼んでた』

と尋ねると

『へっ?何それ?全く知らない。勝手に作った言葉なんじゃないの?パーカーでいいじゃん!』

と乾いた返答。

ふむ。
同世代の言葉にホッとする。
自分だけ常識外れだったわけじゃない。
しかしやはり気になって

休憩時間にフーディで検索してみると、

なるほどフーディは海外ではフードのついたスウェットシャツを指し、我々のイメージするパーカーそのモノであった。

色々思考していると

パーカー
パーカ

ん?どっち?

パーカーって呼び名はそもそも何だ?

バカにしてんのか?

とゲシュタルト崩壊していくよもぎ。

以下参考記事より↓抜粋
パーカーとフーディの違い
●パーカー (Parka) :アザラシやトナカイなどの毛皮で作ったフードが付いている防寒着を指します。
●フーディー(Hoodie) :フード付きのスウェットのことを指す。正式には Hooded Sweatshirt (フーデッドスウェットシャツ) と言います。
つまりパーカーとフーディーの違いは、パーカーがフードが付いているアウター (防寒着) で、フーディーがフードが付いているスウェットシャツということになります。
ただ日本では、フードが付いているスウェ ットシャツをパーカーと呼んでいます
パーカーは和製英語?!
以前ではどのメディアでも「パーカー」というのみだったが、ここ最近は「フーディー」と記述する雑誌やメディアが増えてきました。「パーカー」と「フーディー」をアイテムによって使い分けてはいるが、日常会話では「フーディー」はほとんど使わず「パーカー」のみで会話していることが多いのではないでしょうか。その理由は「フーディーって何?」とニュアンスではわかっていても実際に説明するとなると詳細はわからないという人が非常に多いからだと思います。アパレル関係者との会話や、商品を熟知しているショップ店員さんとの会話では「フーディー」というワードは使われて始めています。
おそらく日本に初めに「パーカー」という言葉が伝わったときに、「フードが付いている」という視覚的な部分のみが残ってしまい、「フードが付いている」スウェットシャツもパーカーと呼ぶようになってしまったのだと思われます。
https://www.tshirt.st/guide/t-shirts/hoodie/ 

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素晴らしい解説↑

既に浸透し始めていることさえ知らないプロ達であった。

そう考えるとスウェットも昔は"トレーナー"って呼んでた頃を思い出す。

トレーナーはスウェットのオシャレ感に呆気なく刺し殺された。

果たして日常会話においてフーディとパーカーはどちらが勝つのか。 

なんとなくパーカーも刺し殺されそうに思えた。

我々もタートルネックをトックリと呼ぶ世代をバカにできない旧世代となりつつある。




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