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私たちは愛されていることを忘れている

娘が通う幼稚園から送られてくる定期通信に、目を通すようにしている。

娘はプロテスタント系キリスト教会私立幼稚園に通っているのだが、長男の頃から数えて幼稚園通いは今年で10年目。

兄妹間の歳の差からこんなにも幼児教育を学び続けている母親も、珍しいのではないか・・・と我ながら思う。

だからと言って私自身は10年前と変わらず、今も育児に悩み、あたふたし続けている。

そんな私に有難い育児指南書が、幼稚園からの定期通信。
聖書の教えを通して、子育ての大事な根っこをわかりやすく教えてくれるのだ。

仕事に家事に忙しく、自分に余裕がないときは特に、我が子にトンチンカンなことを言ってしまう自分自身に幻滅する。

「ああ、またやってしまった・・・」と何度思ったことだろう。
そんな人間にとって、なんとも心強い。


最近の通信は、聖歌から始まるお話。
聖歌を思い浮かべるといつも、独特な世界だなぁと思う。

*2022年12月


聖歌を歌う有名人に、ホイットニー・ヒューストンがいる。
映画「ボディ・ガード」に出演し、”オールウェイズ・ラブ・ユー”という曲で一躍時の人となった。

躍動感ある伸びのある歌声が、心に真っ直ぐに響く。
そんな彼女が歌う曲にもう一つ。

”ジーザス・ラブズ・ミー”

「主、我を愛す」という讃美歌である。

神さまはわたしを愛してくださる。
だから、わたしが弱くても恐れることはない。

弱さとは、私の場合、こうありたいと願う理想とはかけ離れた自分のダメなところ。

優しい母親でいたのに、怒りに任せ我が子を怒鳴ってしまう。
穏やかな人でいたいのに、夫に強い口調で話してしまう。
頼り甲斐のある娘でいたいのに、母からの電話を適当に切ってしまう。

もっとたくさんある、私自身のダメだと思う弱いところ。

そんな自分に幻滅しそうになっても、いいのだ。

そんなわたしを、神さまはそのままに、全部愛してくださるのだ。

そのままに。
”ジーザス・ラブズ・ミー”



通信を読み進めるうちに、胸の内にジワリと込み上げてくるものがあった。

きっとこれからも、理想と反省の連続で人生を歩んでいくのだけど、私の傍には到底想像もつかないような大きな存在が、いつも微笑んでくださる。


どんなときも、愛されている。


「息子」 illustration by sato



いつも忘れているけど、こうしてまた思い出してはまた一歩、自分を信じて踏み出そうと、私は通信を閉じた。

頭の片隅で、ホイットニー・ヒューストンの歌声が静かに響いていた。









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