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下積みが活きた一ヶ月

気づくと前回書いた時から1ヶ月以上経ってしまっていた。
いつの間にか11月になって外も朝晩は冷え込んでいよいよ冬を感じる。まだ辛うじてお昼が暖かくて過ごしやすいから、最近は身体が散歩したがって外をうろちょろしている。秋は最高だ。

でもそんな余裕ができたのもつい最近で、先日までのこの約1ヶ月は自分の作品を初めてギャラリーに出展する機会をいただいていた為、準備に忙しない期間だった。
コンセプトに合ったイラストを描くためのアイデアを練る時間、デジタルで描いた作品をアクリル絵の具を買って一枚一枚描いていく過程、飾るための額縁の準備や初めての梱包や郵送の準備、少しでも多くの方に見ていただくための宣伝、ギャラリーとのやり取りや壁面の飾り方・・・。
展示会へのお誘いを頂かなければしていなかった事。そういった意味ではとても貴重な日々を過ごすことができた。

この期間を通してフォロワーが少し増えた事や、誰かが作品を観てコメントをくださった事、そして自分の作品を買っていただけるという経験ができた事。どれもこの経験がなければ確実に得られなかった沢山の刺激。
そう思うと地道に重ねていく行程の一つ一つに重みを感じられることがとても有難く感じた。

幼稚園教諭の教員採用試験に2次試験で落ち、進路に悩んだ末諦めきれなかった表現の道をもう一度志そうと決意した4年前の今頃。
非常勤で保育士をしながら表現の勉強をすると決め二足の草鞋を履いての生活をし始めた。
だけれども、新社会人で近所に友人もおらず、手取りも最小限でボーナスもない。おまけにアパートの隣人が厄介で生活の質も最悪だった2年間。

ただ、そんな中でも毎日絵を描くことと文章を書くことはやめなかった。もちろん仕事が舞い込んできたことはない。細々とInstagramとTwitterに投稿をしていただけ。

このまま続けていても私を求めてくれる人はいるのかという不安ももちろんあったけれど、でもなぜか私には諦めるという選択肢がなかった。
やはり表現が好きだとその2年で確信に変わっていったから。

状況が変わってきたのは去年。生活の質だけでもあげようと引越しをして家賃も抑えるととても過ごしやすくなった。新築からかなり古い家屋のアパートに移ったけれど、変な気遣いから解放されただけで心の持ちようは変わった。
すると続けざまに翌年度から保育士の勤務形態が変わり、手取りが少しばかりアップし、ボーナスまで頂けるようになった。どんどん生活が好転していく中で私はついにイラストでも仕事が頂けるようになった。
ずっと一人で家にいることが多かった約2年間。その期間に自分の生き方、人や仕事に対しての向き合い方が定まった感じがする。

最近はようやくダンスの技術や自分の身体についての理解も深まって、踊ることへもどんどん興味が増してきた。
日々学ぶ中でもっと学びたいことが増えて、やりたいことのために今何をすればいいのかがわかってきた。それに、誰かに求められる前に、まず自分の心身が歓ぶものを作りたいと思えるようになった。


今はただ未来のことを思い描いて今はただワクワクが止まらない。もちろん上手くいくかどうかという不安もあるけれど、圧倒的に楽しみが勝っている。

文学賞に出してみたい小説があったり、ダンサーとして出演する場がいただけたり、描いてみたいイラストがあったり、作ってみたい音楽があったり・・・。とめどなく何かを考えている自分の頭の中のことをこれから時間をかけて少しずつ実現していけたらなと思う今日この頃である。

慌ただしくて疲れやすい世界だからこそ、やりたいことがあるなら惜しみなく時間を使っていいと思う。

本当にやりたいことなら面倒臭いという感情はきっとどこかへいっているはずだ。
1日に少しでも続けるとそれが1年経った時にとてつもなく大きい財産になっている。こういう台詞は耳にタコができるくらい色んな人から聞いてきたかもしれないが、でも自分自身はこれほど信頼できる方法はないと思っている。

そうして積み上げた、誰になにを言われても揺るがない気持ちは、「三匹の子ぶた」でいうところのレンガのお家そのものだ。しかも一回建てただけじゃ満足できずに何回も試行錯誤して立て直して増築して今や要塞と化した感覚。今じゃ怖いもの無しである。

1年先とは言わず5年先、いや10年先まで見据えながら生きていたいものだ。
そうしてまたどこかの誰かと繋がれる時間を大事にできればいい。



読んでくださりありがとうございます。 少しでも心にゆとりが生まれていたのなら嬉しいです。 より一層表現や創作に励んでいけたらと思っております。