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譜面が完成したーーーーっ!!! 〜仮定法の完全理解〜

俺氏。鬼舞辻無惨を倒してしまう。

仮定法というラスボス鬼舞辻無惨を、いつのまにか倒してしまった件。

鬼舞辻無惨を近くに感じ、さて、どうやって倒そうと考えていたところ、既に倒してた。
これで、最後になりますので、どうぞ、最後までお付き合いください。

ただ、今回、その「鬼滅の刃」を手に入れるためには、いくつかの記事をその前に読む必要があります。新たな視点の積み重ねの集大成の結果なので、正直、全部読んで貰いたいのですが笑。厳選項目は三つ。まぁ、それで仮定法がストンと腑に落ち、今までの既存の参考書での時間と労力を考えれば、コスパ高いのでは無いではないかと自負しております。ご寛恕ください(^^;。
「仮定法のユウレイ」で述べたように、仮定法は言葉の二重基準が二つも存在するので、どう日本語にするかは述べていません。

日本語英語教育に物申す 〜英語の言語構造についてのパラダイムシフト〜


現在形(と過去形)とは


英語に潜むザラブ星人


さて、それでは本題です。
過去形Past formで語る世界でのif過去は、話者はその過去時に立っているので、その過去時の話者から見ればif現在形と同じ。右左の分かれ道の分岐点に立っている。どちらも選べる=実現化する。右に行ったら東京に、左に行ったら山梨に行けるということ。ようするに直説法。
しかし、現在形Present formにいるのに(語っているのに)、敢えて持ち出すif過去は全く違う。ifは右左の分岐だから、現在時制にいて過去形のIFを出すということは、選ばなかったもう一つの分岐を指している。ようするに現実にならなかった空想です。つまり、過去において、分かれ道で右を選んだから東京に来たのに、そのことに対して『もし』と言っているのだから、当然選ばなかった左の山梨に続く路のことを言っている=現実とは違うこと。(※ifの概念イメージについては、大西泰斗/ポール・マクベイ共著「ハートで感じる英文法」p210参照)

上記の、IFの違いを念頭に置き以下の解説を読めば、「鬼滅の刃」を手にすることが出来ます。

仮定法過去

Present form内でいきなりif過去形を出す。過去形は、今とは関係ないよ。影響しないよということ。つまり、われわれには影響しない実現しなかったことを言っているよと。その後、帰結節で助動詞ザラブをだす。助動詞ザラブは可能性の低さ、続く動詞は当然話者の頭の中だから原形。よってif節と帰結節合わせて文全体が仮定(で話者に影響ない関係しない)。下図の吹き出し。
※ザラブとは上記、ザラブ星人のリンク参照。

悩ましい助動詞の図引用

仮定法過去完了

では、仮定法過去完了についてはどうか
ただ単に時制が過去にズレただけ
Past formにて、いきなりその過去より前の過去の、if過去完了形(この時の過去完了はザラブだから時制のズレしか示さず、いま話者がいる立ち位置の過去よりも前のこと)を出す。話者がいた過去よりも過去のことだから、我々には関係ない、影響しないよということ。つまり、話者がいる過去には影響しない実現しなかった仮想のことを言っているよと。その後、帰結節で助動詞過去(本物)をだす。続き、過去完了を出す(ただし、形は原形完了形)。原形は話者の頭の中=if節と帰結節合わせて文全体が完全に妄想。

Present formで一発でザラブが見つかるのは現在形で語っている世界で突然過去形が出たからです。
それと同じように過去形で語っている世界Past formで、いきなりその語っている過去より前のことが出たらおかしい。+助動詞&完了形で頭の中の話、妄想話だと言うこと。

ココで「本物助動詞過去形+本物完了形」と「本物助動詞過去形+ニセモノ完了形」での区別が付かないと指摘しましたが、区別が付かないからこそ完了形のニュアンスが残っているということ。完了形はネタフリ(←をクリック)だからこそ、「〜だろうに」等の気持ちが入るのではないでしょうか?これも仮定法に完了形が用いられる理由にもなります。↓最後の結論でもニセモノ助動詞過去にもそれがあると言うこと。

いかがだったでしょう?「鬼滅の刃」を手にできたでしょうか??完全退治できたでしょうか。きっと、あなたもその刃で悪霊退散できたと思います。

仮定法の現実性について

関正生著 真・英文法大全p167
「仮定法は妄想・反事実・非現実なので、「ありえないこと」に使うのが基本ですが、中には「あり得そうな内容」も有ります」引用終わり。

河上道生著 英語参考書の誤りとその原因を突くp432〜p462
本書は仮定法について非常に深く考察していますが、その中で、仮定法過去は実現可能なこともあり得ると分析しています。ただし、仮定法過去完了は100%妄想だとも断言しています。

その理由について解説します。
仮定法過去は
Present formにif過去形を持ち出す。過去形とはPresent formに影響できないこと、関与できないこと。したがって、妄想や実現不可能は現実に影響できないから過去形(日本語の「過去」の意味に惑わされないで!)。先の選ばなかった左の山梨に行くことは実現可能ですが、実現しなかったのだから、現実に影響できないことに含まれます。つまり、Present formにおいての、そのif過去は、「現実可能だったこと」から「実現不可能な妄想」までをも含むのです。両方とも現実には影響できないから。だから、PresentにPastを持ち出したのです。(Present, past formの関係についてはココココを←クリック。仮定法過去での現実可能性の度合いは上記書籍をあたるか、専門書もしくはググってみてください)
しかし、仮定法過去完了は違います。
仮定法過去完了はPast formいる(したがって、Present form現在形にいる今の、我々には関係ないし影響しないこと)。その上での妄想なので100%妄想になるのです。なぜなら、Past formにあるから。今と関係ない、影響ないから過去形Past formにいるのに、99%だったら、その1%が現実Present formに影響があり得る、関係ある可能性があると言うこと。これだとPast formにいれない。Present formに属することになってしまうからです。
ようは、仮定法過去はPresent formで語るから現実化する可能性も含むが、仮定法過去完了はPast formで語るからこそ、現実に及ぼす関与する可能性は0%だと言うこと。
このことは、従来の『時間物差しスケール』を用いると理解できません。なぜならば、過去と現在が繋がっているからです(=切れてない=関係がある。影響がある)。

結論
中・古英語では独立して仮定法があったが、現代英語でその屈折は無くなり直説法に吸収された。(以下、私の推論です)そのために、仮定法はザラブ星人として潜むことになったのでは?そう、実は、ザラブ星人の正体は、中・古英語での仮定法だったなれの果てだったのです。
「丁寧な意味の助動詞過去」や「現在時制の助動詞過去」、および「助動詞過去+完了形」を、仮定法もしくは仮定法の香りがする。という記述がある参考書を見かけますが、それは、そういった理由だからなのでしょう。
もともと中、古英語で仮定法として別にあったもの(変化)が無くなって、無くなった現代英語でその仮定法を表すのに、助動詞過去と完了形を使う。さらに、その時の助動詞過去と完了形は本来の意味とは違うのだから間違いないでしょう。

最後に、以前の記事をもう一度繰り返させてください。

Present formに過去形が突然出てきた場合は、以下の三つ。

1.丁寧、遠回し
2.助動詞ザラブ星人
3.仮定法過去。

現在形で会話や文章で語ることによって形作る世界Present formの中で、過去形が出るから違和感があり(日本語は現在形と過去形混在しても問題ないから気付かない)、それは今いるPreset formに影響がない遠いことだから「遠回し、丁寧」になり、Present formの現実に影響しない過去形だから、それは「仮定、空想」になるのに、その一文を取り出して、それだけで意味をくみ取らせようとするのは、推理ゲームと変わらない。
「言外に言いたいことを表現する」完了形だって同じです。
辛辣に言えば、旧態の日本語英語は、その推理ゲームで、答えを当てるための考えであったり、手法であると言っても過言では無い。ネイティブの幼稚園や小学生が、この日本語英語の複雑極まりない概念や法則を理解しているとは到底思えないのです。

これまでnoteに、英語に対してパラダイムシフト的記事を書いてきましたが、実は、これらの記事を書いている私でさえ、実際にパラダイムシフト(旧態の日本語英語教育からの脱却に)するには2年近くかかりました。わたしは英語の記事題目に、理解を妨げるものとして、ユウレイやら、妖怪やら、怪物やらと称してきましたが、その正体は、実は現日本語英語教育だったのです。

ここまで読んでくれてありがとうございました。
お疲れ様でした。
あなたに幸多くありますように。


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