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~第207回~「楠と船」

須佐之男命(スサノオノミコト)は樹木神としての姿もあり、それは「日本書紀」巻第一の第八段第四と五の一書に記されています。

スサノオは息子の五十猛命(イソタケルノミコト)と筑紫の国から始めて、日本各地に種をまきはじめたとあり、その時に

「このアゴの毛はスギとなれ。胸の毛はヒノキになれ。そうだ、お尻の毛も使おうじゃないか!これはマキの木になれ。眉の毛はクスノキとなれ。」

と宣い、御身の体毛から様々な樹木をお生みになりました。

そして「木々よ、育て、育て。スギとクスノキで船を作ろう。ヒノキは家に使おう。マキは大事な人が亡くなった時の棺にしよう。」

こうして生まれた数多の樹木は、さらに五十猛命と大屋津姫命(オオヤツヒメノミコト)、枛津姫命(ツマツヒメノミコト)の三柱の神によって全国に植えられていきました。

実際に、古墳から出土する木棺の多くがコウヤマキ、発掘される古墳時代の舟のほとんどがクスノキ・スギで造られており、日本書紀の記述を裏付けています。

また、欽明三年(541)の創始と伝わる大楠神社(静岡県島田市)は、大井川に流れ着いた大きな楠で倭吾子籠(ヤマトノアゴコ)が船を造り、その舟霊を祀ったと伝わっています。

この逸話は『日本書紀』巻第十一に記されており、古墳時代以後も楠で船が作られていたことがうかがえます。

日本は島国ですから、船は欠かせません。

スサノオノミコトは樹木神として、島国に欠かせない造船技術をもお示しくださったのです。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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