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【教師としての成長】日本語教師1年目のリアル③

日本語教師になって、もう半年以上経ちました。授業に強いストレスを感じ、辞めようと思っていた時期もありましたが、今学期からは新しいクラスに。心機一転、気持ちを切り替えようと思っていました。
私自身が経験した、日本語教師としての体験を包み隠さず書く最終回。もしまだでしたら、こちらを先に読んでいただければと思います。


10ヶ月~12ヶ月

「私のやり方」を見つけた

新しい今回のクラスでは、失敗したくない。そう思った私は、当たり前のことをきちんとすることを心がけました。それは、以下の3点です。

①授業準備は、実際の授業の雰囲気や学生の応答もシュミレーションして行う。
②クラスコントロールをする。授業に自信をもって、態度が悪い場合は注意する。
③毎回自分の授業を振り返り、改善する

全部、日本語教師になる前の「検定試験」を受けるときから知っていたことでした。日本語教師だけでなく、教員全員に共通するようなポイントでしょう。
ですが、私はこれが実践できていませんでした。授業準備も手を抜くようになり、また学生の態度に一喜一憂し、自分の教え方に自信を無くしてしまっていたからです。
このような点が大切だと、ただ知っているだけでした。しかし、今は身をもってその大切さを実感しています。

受け持つクラスは、初級でした。1年生で、みんな初めて会う学生です。
初日、不安と期待が入り混じっていた私ですが、明らかに手ごたえが違いました。下を向く学生はおらず、教室には活発な雰囲気があったからです。

3時間半の授業内でも、休み時間10分の都度、その後の授業をどう進めるか試行錯誤しました。今までより発言量を増やすにはどう質問したらよいか、集中力を途切れさせないためにどうするか。
その結果、授業を学生も私も笑顔で終えることができました。

こうすればよかったんだ

その後、自分の教え方の振り返りと、定期的に授業を見学することがよい意味でルーティーンとなり、授業改善ができるようになってきました。
現在のクラスでは、もちろん学生がみんな心優しいこともありますが、前のような乱れた授業にはなっていません。「私なりのやり方」がわかってきた証拠でした。

気持ちの変化

そんなある日、かつて失敗が続いた上級のクラスに、お休みの先生の代講として入ることがありました。前のどんよりとした気持ちを思い出し、教室に入る直前まで緊張していました。しかし、今回は問題なく進めることができました。暗い過去という認識がこびりついていた授業に、リベンジできた瞬間でした。

授業後、ある学生が私に近づき、こう言いました。

先生、もうこのクラスには来ませんか?
来てほしいです

また、代講ではない私の担当クラスでも、学期の終わりにはこんな声が聞こえました。

先生に教えてほしいです
先生が変わったら残念です

こんなに感動したことはありません。
学生にとっては、何気ない一言かもしれません。でも、一度日本語教師を辞めようとさえ思った私からすれば、最も嬉しい言葉でした。
その言葉で、教師を続けてよかったと心の底から思いました。

日本語教師って、こんなにも自分が成長できる仕事だったんだ

教師の1年目、どん底まで落ちた当時は、本当につらいものでした。しかし、現在はその経験こそが宝だったと思っています。
私にとって、この仕事は天職です。
身近なのに説明が難しい、日本語や日本文化への知識を得ることができ、授業を通して自分や学生の成長を感じることもできます。何より、経験を積むほどよりよい授業ができるようになります。

この記事を読んでくださったみなさんが、もし日本語教師として悩まれているなら、その悩みはあなただけのものではありません。
今はベテランの先生でも、きっと新人時代には大変な思いをされたと思います。

私の教師1年目の体験はいかがでしたか。
どうか、みなさんの日本語教師生活が、楽しいものとなりますように。


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