『女性同士カップルの日常がテーマ』 ユニクロ新CMに見る企業ブランディング
皆さん、こんにちは、大家好!一條心です。
今日はリリースほやほや素敵なユニクロの新CMをご紹介します。
“女性同士のカップルの日常を描いた”エアリズム新CM
エアリズムの新CMが女性同士のカップルの日常を描いた素敵な作品だと話題になっています。いや、少なくとも僕の中で話題になっていて、これから世間的にも話題になるはずです(笑)最初、レズビアンカップルと表現しようかと思ったのですが、セクシャリティを名言しているわけではないので、女性同士とすることにしました。
まずはフルバージョン60秒を御覧ください。
一緒に住む。
一緒に食べる。
一緒に眠る。
ふたりがしたいことは、みんなが普段着でしていること。
ただ、それだけなのだ。
ユニクロのブランディングといえば、とことん「機能性×低価格」にフォーカスした上で、近年は他ブランドとの積極的なコラボによる話題作りなど、いい意味で商業的に効率がよく、ハズレにくい戦略(それを実現させる実力があるということですが)をとってきた印象が強いです。
そんな中、先月からは始まった「ふだん着が人生になる」と題したキャンペーンは、従来のユニクロのキャンペーンとは少し趣が違い、よりCSR色(企業の社会的責任)が強い内容になっています。テーマと企業メッセージは、先日下記の記事でご紹介した「パナソニックの#ThinkYourNormalあなたのふつうを問いかける」とほぼ同じ内容と言えそうです。ていうか、ほぼ完コピじゃないですか、とツッコミが入れたいです。大企業のキャンペーンはお互いにベンチマークしているのか、同じ広告代理店が作ったと思えるぐらい酷似しています。こういう横並び意識は大歓迎です。
ユニクロのCSRと言えば
ユニクロのCSRといえば、アパレル企業の必須項目である「環境」と「社会貢献としての後進国支援」、あとはサプライチェーン関連項目(調達元の労働環境や環境規制準拠など)が中心でした。
つい最近も、「緑色のドラえもん」と「緑色のユニクロロゴ」でかなりインパクトのあるサステイナビリティ関連の啓蒙キャンペーンを行っていました。仕事を選ばないキティちゃんならまだしも、ブランディングを徹底しているユニクロやドラえもんがその“色”を変えることは、経営トップの決裁なしでは実現しえないことなので、キャンペーンの本気度を感じますね。
ユニクロとLGBTQ
日系企業ということもあるんでしょうか。ユニクロは、海外のアパレル企業と比較すると、それほど積極的にLGBTQの課題を扱ってきていません。毎年6月になると、「プライド月間」ということで欧米ブランドはこぞって、レインボーバーションの自社ロゴを使ってメッセージを出し、PRIDE月間限定商品を発売をしたりしていますが、ユニクロはその流れに乗っていません。ユニクロの中で働く社員向けの支援としては、パートナーシップ制度が2018年に導入されていますが、公式HPにもそのことがシンプルに記載されているだけです。
ですので、ユニクロが消費者向けに打ち出すメッセージとして、日本市場向けにLGBTQを全面的に扱ったのは今回が初めてではないでしょうか。ユニクロは言わずもがな超大衆ブランドですから、子供から高齢者まで幅広い顧客がいます。若者を主要顧客としているようなブランドと違い、このテーマを全面に扱うハードル(リスク)は高いと思いますが、それだけ社会全体の理解が追いついてきたと判断されたということでしょう。戦略的なユニクロのことですから、思いつきで流行りの話題に載ったわけではなく、データに基づいて今がその時だと判断されたのでしょう。
風通しのいい世界へ
さて、最後に今回のユニクロのエアリズムのメッセージを振り返ってまとめたいと思います。新CMの15秒版が分かりやすいのでご覧下さい。
風通しのいい世界へ。
普段着の日が、人生になる。
風を着る。エアリズム。
シンプルでいいですね。風を着る。エアリズム。にかけて「風通しのいい世界へ」とメッセージをまとめています。そもそも、このCMを見ても、この女性二人がカップルだと思わない方もいるかもしれません。CM内でそれを名言しているわけでもないですし。ただ、花屋さんで綾瀬はるかに「もしかして、記念日ですか?」と聞かれて、小声で照れながら「そうです」と言うシーンがありますので、僕はこの二人が友達同士ではない、カップルなのだと解釈しています。
ああ、僕も彼と花屋で綾瀬はるかに、
「もしかして、記念日ですか?」とか言われたい!(笑)
日本のセクシャルマイノリティの課題は諸外国と比べても大幅に遅れ上京ですが、少なくともユニクロのような大衆ブランドがフィーチャーにしてくれる時代になったことを喜びたいと思います。では、また次回☺
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