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生協が大人気・・その裏では物流センターは三密・・自動化促進が必須!

ステイホーム・おうち時間によって生協利用が増加

ステイホーム・おうち時間によって生協の利用者が増えているようです。

(NHKニュース2020年5月12日引用)
新型コロナウイルスの影響で外出を控える動きが続く中、宅配サービスを行う全国の生活協同組合では、食料品などの注文の急増に対応が追いつかず、一部の商品で配送できないケースも出ているということです。生協はより多くの人に届けるため、必要以上にまとめ買いをしないよう呼びかけています。

生協はいろんな組織体があり、一般的にはわかにくいですね

(生協って)
生協は「生活協同組合」の略で、数ある「協同組合」の一つです。
消費者一人ひとりがお金(出資金)を出し合い組合員となり、協同で運営・利用する組織です。

 これだけ読んでもわかりにくいです。
また、パルシステムも登場し、よりわかりにくくなっています。

生協は自動化が進んでいる・・・物流子会社シーエックスカーゴ

 日本生活協同組合連合会(略して日生協)は、物流子会社をもっています。
その名はシーエックスカーゴです。

 私も前職では間接的なご縁ですが、シーエックスカーゴの主要大型センターの設備に仕事で関わっていました。
ドライ(通常温度帯)のセンターとして、鳥栖、桶川、尾道、野田。
冷凍のセンターとして、鳥栖、広島、印西。

 ドライのセンターには、トーヨーカネツ(通称はTKSL)が納入した当時の最新集品システム「クライミングソータ」が納入されています。
鳥栖→桶川→尾道→野田にいくほど、この「クライミングソータ」は改良されています。
 特に、野田は上記4つのセンターの中で一番巨大なセンターになります。
「クライミングソータ」から排出されたトレーが搬送されている様子をセンター中央の渡り通路からみると壮観です。

 TKSLでの今の主力は、ケース自動保管システム「マルチシャトル」になります。動画は以下のホームページよりどうぞ。

冷凍食品の取り扱いも自動化・・生協は新技術の宝庫

 今人気の冷凍食品・・この入庫・保管・出庫も自動化が進んでいます。
パルシステム(八王子)の冷凍センターでは、冷凍用自動保管システムが採用されています。

 -30℃の室内に、この冷凍用自動保管システムが配置されて、自動で冷凍食品の入庫・出庫を行っています。
-30℃をあなたは体験したことありますか?
かなりの寒さです。
専用の防寒着を着ても、とても作業する気にはなれない現場です。
もちろん安全上、人間が作業する場合の作業時間は決められています。

 そこをメンテナンス以外では、完全自動化することはとても大事ですね。
それにより、安全確実に冷凍食品の入庫・出庫が可能になります。

 最終的には、人間の手によるピッキングがありますが、これもTKSLの独自なシステムにより確実に配達別容器に自動で格納されています。
(ここに、前職での最新技術も使用されています)
アメリカで先進的に使用されている例を、日本で始めて導入した1号機ですね。
(実際は、同時に3カ所の生協に納入されています)

 ただ、アメリカのしくみのそのままではなく、TKSLの実績を活かした運用方法に改善されて使用されています。
こういう別な付加価値をつけて運用を構築していく技術は、日本ならではの自慢できるものです。Amazonでも日本内でのAmazonは独自進化していますから立派だと感じます。

生協の未来はどうなるか?・・・システム的に統合は?

 生協の自動化システムは、シーエックスカーゴでの大型センターに関してはそれなりに進んでいます。
しかし、各生協団体ごとにセンターを構えており、センター単位での設備の自動化の差は大きいと思います。

 シーエックスカーゴとて、最初に自動化が始まった鳥栖は古いものになり老朽化し始めています。
それに一番感じることは、各生協団体ごとにシステムが独自で統一化されていないことです。
なかなか難しい課題ではありますが、強いリーダーシップが発揮されればできると思うのですが・・・折角の設備もバラバラで決めていてはデメリットが多きくなっています。

 また、自動化設備を納入して一番大事なのはメンテナンスです。
人間でもそうですが、機械でも定期メンテナンスは重要です。
機械がトラブルで止まってから対応し始めては遅いです。

 今、オンラインが叫ばれていますが、メンテナンスにおいてもリモートメンテナンス予防保全という概念があります。
リモートメンテナンスは人が行かなくてもシステム内でメンテナンスを実行することです。
(例えば、鳥栖の物流センターの自動化設備を、東京の事務所よりメンテナンスを実行すること)

 こちらの技術も進んでいってますが、まだまだですね。
課題になるのは、システムとセキュリティです。

人を大事にしてほしい・・・過酷な物流現場、通販推奨では何の解決にもならない・・人財!

 いずれにしても、通販やスーパーマーケットやドラッグストアへの安定的商品の供給のためには、バックヤードである物流センターの自動化は必要不可欠です。
トラックドライバーやトラックの運送ばかりがニュースになりますが、バックヤードである物流センターはもっと人が足りないのです。また、先日もニュースで取り上げられていましたが三密になっている現場は多いと思います。

 スーパーマーケットやドラッグストアでは、人が商品のピッキングをしてくれます。
しかし、通販はその作業を誰かが代用するしかないのです。
それを人がやるのか?
それとも機械にやってもらうのか?

 まだまだ人手に頼っている物流センターが多いということを知ってもらいたいですね。
国交省には、物流センターのしくみにももっとスポットを当ててもらいたいものです。
そうすれば、マスコミが取り上げわかりやすくなると思います。
物流センター内で感染が発生すれば、ネット通販推奨も絵に描いた餅になります。

 人材ではなく、人財として人を大事に扱ってほしいものです。単純作業や労働作業は機械に任せられる環境をもっと推進してほしいものです。今のままで、ネット通販推奨だけではいずれ人と一部の機械双方がパンクします。


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