マガジンのカバー画像

5
運営しているクリエイター

記事一覧

【詩】【エッセイ】恋をみつめて「あの夏になりたい」「ぱっつん」「月齢」

【詩】【エッセイ】恋をみつめて「あの夏になりたい」「ぱっつん」「月齢」

あの夏になりたい

わたしは、あなたの現在ではなく、
永遠の過去になりたい。

そばにいたら、きっといつかわたしは
あなたの気に入らないことをする。
あなたを傷つけるし、
あなたを怒らせる。

それですこしずつ私のスコアが減っていって
いつかゼロになってしまうなら、
そんなことになるのなら。

記憶の海辺で、
堤防に座ってむこうを見つめている女になりたい。
麦わら帽子の下見え隠れする、憂うようなま

もっとみる
暮らしの所感を綴った散文詩「ちくちくしない音楽」「プチ・ジレンマ」「インディゴブルーの夜に」

暮らしの所感を綴った散文詩「ちくちくしない音楽」「プチ・ジレンマ」「インディゴブルーの夜に」

ちくちくしない音楽

心の容量がいっぱいになってしまっていると、
あたらしい音楽を聴くのをどうも億劫に感じてしまう。

聴こうと思えば聴けるのだけれど、
その「あたらしさ」という名の彩りが
やけに極彩色のように目には映って、
胸をちくちくと刺す。

敏感になった肌には
少しの刺激が痛く感じられる、
それとおなじようなことなのだろう。

そういうときは慣れ親しんだ歌に耳を委ねる。

そういえば、

もっとみる
つらい時間を過ごす、誰かのために。「たのしいってなんだっけ」「きみは、」「湿布」「凪に灯る」

つらい時間を過ごす、誰かのために。「たのしいってなんだっけ」「きみは、」「湿布」「凪に灯る」

はじめに

今回の詩には、かなり暗い内容が含まれています。
自傷に似た行為や「消えたい」という思いなど、読むのを苦しく感じられる方がいらっしゃるかもしれない内容がありますので、
「読みたくない」と思われる方はこちらで引き返していただきますようお願いします。
構成としては、一つ目が苦しみの詩、二つ目と三つ目が救いのための詩、四つ目が小康の詩となっています。

たのしいってなんだっけ

どこまで歩けば

もっとみる
人生を迷い見つめた自由詩三篇【挿絵付】「何処かへつづく道なのなら」「翼と虹」「身体と銀河」

人生を迷い見つめた自由詩三篇【挿絵付】「何処かへつづく道なのなら」「翼と虹」「身体と銀河」

何処かへつづく道なのなら

何処かへつづく道なのなら、
歩みを進めることができるのだろうか。

そのむこうに何かがあるのなら、
一歩をふみ出すことができるのだろうか。

今は闇に堕ちて蔦の茂る眼の前であっても、
その先に、
たとえただの「何か」に過ぎなくても「何か」、
「しあわせ」でも「繁栄」でなくても「何か」があるのなら、
この道を踏み外さずに、
ぱっくりと口を開ける側溝の闇に呑まれずに、
生き

もっとみる

詩のような短文三篇「シュワリと」「人生と星」「時代の川」

シュワリと

じぶんの外にあるものに生気を吸い取らせてはいけない。いけないんだよ。

そもそもじぶんで悩みを過大化させてるところもあるんだよ、
ほんとはそんなに大きな問題でもないんだよ…

そう思いながらも、
大切ななにかが体からが零れていくのを感じる今日この頃。

人生と星

わたしの人生は殆ど星の瞬きのようなもので、静かに明滅をくり返している。

時にはその瞬間にはっきりとわかるほどに強く輝い

もっとみる