ぬるい眠り

ぬるい眠り

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20230519“Newdums First Solo Concert”@SOCORE FACTORY

雨上がりとライブは相性がいい、と思っている。良い夜は、決まって曇り空だった。家を出て自転車を跨ぐと、星は見えなくて、まだ微かに雨は降っていた。暗い夜道に輝くのは、ソーコアのネオン看板だけ。 これから活動拠点を東京に移すNewdumsの初ワンマンライブには、たくさんの人が駆けつけていた。みんな気ままにゆったり揺れたり酒を飲んだり、いつもの景色だった。個人的にはMistが聴けて嬉しかった。ドラムのタンタンがボーカルで、まんじろうの安定したかつグルーヴィなベースが際立って好きな曲。

    • 20230506“福企画第一回CD発売記念「ごあいさつ編」”@ファンダンゴ

      GWも後半になると、街や電車内の浮足だった人の多さにもそこそこ慣れる。堺駅に降り立って、折り畳み傘を広げるのも横着を決め込み、小走りでファンダンゴへ向かうと、雨と一緒に潮のにおいが漂ってきた。 名は体を現す、とはよく言ったものだな。「福」というバンドについて。元々「じゃがーどりちゃん」というユニットでライブペイント等をやっていた、うみひよ子を中心に2022年(のはず)に結成。私が初めてひよ子が歌っているのを観たのは、2022年1月のミュージックジャンボリーの“バンドやろうぜ!

      • 20221212“Ride on Waves”@太陽と虎

        あたし、出会ったときから泳ぎ方なんて知らなくて、息継ぎなんてもちろんわからないし、目の前の波打ち際を必死に追いかけて、結局どこにも辿り着けなかった。ゴールなんてないもん。盲目、というよりかは窒息、溺死。ただでさえカナヅチなのに、見よう見まねの巻き足でギリ立ってて、それが突然終了のベルがなって、元々ギリ立ってたくらいだから、砂浜まで戻りたくても、なかなか帰れなかった。海は、あたしが思っているより深かった。溺れていることにも気が付かずに。 その海は、綺麗なものだった。真新しさ

        • 20220914“血のドラゴンボール事件vol.35”@堺ファンダンゴ

          週のど真ん中、ライブハウスの何気ないブッキングで、こんなにワクワクさせられたことはいつぶりだろう。あまりにも素晴らしい日だったので、酩酊していた脳みそを叩き起こして記録する。 そもそも一組目のバンドには油断していることが多い。名前も知らないバンドだし、と、まだシラフでぼーっと眺めていた「ここで生きてるず」は、観客がまばらなフロアどころか、堺駅のホームまで届きそうな大きい声で名乗り、イベントが始まった。その声に釣られて、誘蛾灯に集まる虫みたいに、ふらふらとステージ前へと引きよ

        20230519“Newdums First Solo Concert”@SOCORE FACTORY

        • 20230506“福企画第一回CD発売記念「ごあいさつ編」”@ファンダンゴ

        • 20221212“Ride on Waves”@太陽と虎

        • 20220914“血のドラゴンボール事件vol.35”@堺ファンダンゴ

          20211205“現在地”@太陽と虎

          冬が好き。ちょうど今独りになろうとしていて、寒さで自分の輪郭がくっきりする感覚に気付いてから、好きになった。脳も耳も研ぎ澄まされるような。乾燥した空気と自分の中に、音楽がひたひたに染み込む季節な気がする。 2021年12月5日の日曜日、6年間追い続けた、世界一愛してるがらくたロボットの活動休止ラストライブだった。10月にそれが解禁されたとき、最初は信じられなくて、マイナスなことしか考えられなくて、落ち込んで落ち込んで、眠る前に今までのことを思い出しては少し泣いたりもした。結婚

          20211205“現在地”@太陽と虎

          20191021“This Is G.R.R.B.”@VARIT.

          この日は雨が降るだろうな、とぼんやり思っていた。案の定、三宮には傘をさして歩く人だらけ。 雨の日は苦手だ。あたまが痛くなるし、髪を巻いても湿気でヨレるし、何より気分がしずむ。しかしこの日だけは違った!あたまの痛みも、ぺしゃんこになる髪もどうだってよくて、ゆるむ口もとを必死で抑えながら、浮き足立ってVARIT.まで歩いた。喉から心臓が吐き出しそうなくらい緊張もしていた。イヤホン伝いに鼓動が聞こえた。開演5分前に到着、VARIT.の入り口には列ができていた。 がらくたロボットの

          20191021“This Is G.R.R.B.”@VARIT.

          20181118“ECHOES”@108

          がらくたロボットの自主企画ライブは随分と久しぶりのように思える。「ECHOES」と題した今回のイベントは、神戸で活動するバンドや、彼らと同世代の若手バンドを集め、三宮イーストのイカしたライブハウス・108で開催された。108の赤色は、彼らによく似合う。がらくたロボットという物語の新章が幕開けたかのような夜だった。 スモークが漂うなか始まった「産叫」。凛々しく登場した3人は、すぐさま「My Way」を演奏。タカヒロの疾走感のあるドラムでスタートし、フウタは力強くベースを高く

          20181118“ECHOES”@108

          がらくたロボット アルバム「ツキノアリカ」について

          はじめに 2016年から毎年春にミニアルバムをリリースしていた彼らが、2018年4月25日、満を持してフルアルバムを世に放った。昨年10月から発表していないシングルカセット三部作に収録された7曲の再録と、3曲の新曲、また以前から発表されていたものやかねてよりライブで披露されていた2曲を合わせた12曲入り、一枚で43分の作品。カセットももちろんちゃんとしたひとつの作品なので、このような表現をするのはおかしいかもしれないが、カセットで予習してアルバムで答え合わせするような感覚

          がらくたロボット アルバム「ツキノアリカ」について

          がらくたロボット シングルカセット3部作について

          2017年10月9日、12月6日、2018年2月2日に発売されたがらくたロボットのシングルカセット3部作。A面曲はすべてMVも公開されている。 まず最初に言いたいのは、どれがA面になってもおかしくないくらいのクオリティだということ。カセットプレーヤーを持ってる人は少なくなったし、ダウンロードがいちばん手軽に音楽を聴ける方法なのだが、こうやって形に残して楽曲を発表してくれるのはやはり胸がときめく。しかも、カセットテープは聴き込むとテープが伸びてしまう(と、一般的にいわれて

          がらくたロボット シングルカセット3部作について

          20171216“KING BROTHERS ONEMAN LIVE!!!2017”@Shangri-la

          それはワンマンライブの1週間前の12月9日、ツイッターでオープニングアクトが50/50'sだと発表された。そもそもオープニングアクト枠があるとすら発表されてなかったので、50/50'sだから今回出演が決まったのかもしれない!と私は思った。 ライブはステージ上ではなく、柵の前でのフロアライブだった。キングの小さなスタンドの照明をひとつ灯して、煌々と照らされる2人。どんなライブが始まるのか訝しげな人、好奇と期待に目を輝かせる人、いろんな観客がいた。 そんな空気を破るように

          20171216“KING BROTHERS ONEMAN LIVE!!!2017”@Shangri-la

          20171203“ながれものたちの夜vol.5”@OOH-LA-LA

          そういえば、冬の「ながれものたちの夜」は初めてだった。ウーララに向かう阪急電車からは紅葉が見えて、確かにまだ秋なのかもしれないな、と思いながら眺めた。あの日は春だったから桜が咲いていたのにな。 楽器の少なさを物ともしない、2ピースの可能性を教えてくれたバンド、50/50's。セットの都合上でもあったが、毎回のライブが間違いなくカッコいい彼らなので、安心してトップバッターを任せられた。 いつもライブ前にステージ上で乾杯する2人は、今日はハートランドで乾杯。ドラムの池本く

          20171203“ながれものたちの夜vol.5”@OOH-LA-LA

          20171028 Purple Heads @108

          「おれらは変わっていくもののなかで、変わらないものが好きで、そういうものを大切にしたいとおもいます。108に捧げます。"through and away"」

          20171028 Purple Heads @108

          20171013 “KOBE Goodies Collection”@VARIT.

          キングブラザーズを知ったとき、「キング好きならミッシェルもきっと好きだよ」と勧められてから、どっぷりハマった。その約一年後にがらくたロボットに出会う。キングブラザーズと若手バンドがたくさん対バンするイベントだった。 あれから約2年半。今回の対バンはまぐれでもなんでもなく、確実に彼らの実力で掴んだものだと勝手に思った。ミッシェルガンエレファント、キングブラザーズ、がらくたロボットで三世代と言ってもいいであろう。ロックンロールを継承し今もなおその音を響かせている男たちはこの上

          20171013 “KOBE Goodies Collection”@VARIT.