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夜のエッセイ

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寂しさも悲しみも切なさも全部握りしめて書きました。
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夜の世界を経て

夜の世界を経て

私は高校が定時制(夜間)だったこともあり、この頃から夜遊びをするようになった。それは家に帰りたくないとか友達や外の世界の人達と一緒にいたいとか様々な理由があってのことだったけれど、これらに付随した漠然とした寂しさや不安を紛らわすのに「夜」は実に魅力的な世界だった。

不思議なことに、もはや偶然というか、うっかり私は多摩美術大学の夜間部(今はなき造形表現学部 映像演劇学科)に入学することに。
高校の

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夜のエッセイを始めます。

夜のエッセイを始めます。

夜のことを想う。

音楽を垂れ流しながら時間が過ぎることを願った夜
ここではないどこかへ逃げたいと願った夜
朝が来なければいいのにと泣きじゃくった夜

このまま時が止まってしまえばいいのにと思った夜
帰りたくないねって皆で騒ぎ散らかした夜
二度とこんな時間は味わえないなと感じた夜

部屋、学校、駅のホーム、バイト先、病院、クラブ、カラオケ、あの子の家、知らないバーetc、色んな場所で色んな夜を過ご

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#なぜ書くのか

#なぜ書くのか

私が夜のエッセイを書こうと決めた経緯を話そうと思う。

突然だけれど、「死にたい」と思ったことはありますか?

私は幾度となく、ある。最初に思ったのはいつだろう。あれは何歳の頃だっただろう?
たぶん小学生の頃、いじめに遭った頃だと思う。なんで私はこんな目に遭わなければならないのだろう?私が何をしたというのだろう?何かした?そんな言葉が頭の中をずっと駆け巡っていた。それでも学校には頑張って通っていた

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#余談

#余談

私が「夜のエッセイ」を書いていることによって、病んでるんじゃないか?と、ご心配いただくことがあったりするのですが…。

正直

超健やか!!!!
な、気持ちであります。笑

書いている内容が暗いわwwと思うでしょう。
だけれどこれは必要な執筆だと思い書いています。
書くこと自体は過去の辛いことを思い出したりもするので、ちょっとばかり涙ぐんだり、内容によってはダバダバ泣いていたりもします。でもそれで

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#帰りたい

#帰りたい

夜に感じる。「帰りたいなあ」と。
どこへ帰りたいのかはわからない。ただ、ここではない「どこか」。
ずっと居場所がない感覚を抱えている。それは物心ついた頃から、感じていた。
漠然とした寂しさ。漠然とした虚しさ。ひたすら感じる、途方もない孤独感。

記憶がある頃から気がつけば絵を描いていた。
それは絵を描くのが好きだったから、といえば、そういうわけでもないような気がする。たぶんあの漠然とした孤独感から

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#高校生、だった

#高校生、だった

私は定時制の工業高校に通っていた。単位制で四年制。
17時から地下の食堂で給食を先生混じえて皆で食べ、18時から授業が始まる。仄暗い時間、外の景色はビルが立ち並びきらきらとしている。教室はこれでもかというくらい蛍光灯で照らされ、いつも鬱陶しいくらいに眩しい。

教室移動する度に、教材を取り出すため廊下のロッカーを開ける度に、海外ドラマみたいだなってちょっと心が躍った。私服制だったので皆が自由なファ

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呪縛と解放

呪縛と解放

最近気がついたことが色々あって。
長年蓄積された「膿」みたいなものが一気に炙り出される。今まさにそんな時期のように思う。

自分で自分に呪いをかけていたみたい。
私は生まれてこの方ずっと「自分と戦っていた」。
そんな必要、なかったのに。とにかく自分のことだけが許せなくて、憎くて、なんでこれができないの?なんでこんなこともできないの??と、鞭を打っては傷つけてばかりいた。当たり前のようにその「思考」

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