仕事。ちょっと辛くなった私へ贈られた人生の先輩の助言。

あるプロジェクトをするにあたって、
論理で全て語る必要があるか?と聞かれたら、
答えはNOだ。

なんとなく、こっちの方が良さそうだという
野生の勘みたいなものは大切にしたい。
ただ、その野生の勘ですべて突き進むと、周りがついていかないこともある。

下っ端の私は職場の3つ上の先輩とプロジェクトを担っていた。
はじめは、私の方が入社が遅いし知識も浅い、会社のカラクリだって大してわかっていないし、人脈だってそこまでないから、まずは吸収する学びの環境だと思って取り組んでいた。
プロジェクトを滞りなく進ませ、先輩との関係を良好にするため、ポジティブな意見を言い、たまには先輩を持ち上げることを言っていた。
実際、その人はなにやら大変そうな別件プロジェクトをいくつか任されていて、上司もまぁがんばれよ、やっとけよ、という感じであまり関わっていないように見えた。
時折、その先輩が上司からほったらかされていることについて苦言を呈していた。その度に私は、先輩ができるから任されているんですよとその人の沈んだ気持ちを持ち上げていた。
実際、上司の対応はだいぶノータッチだなとは思っていた。

ある時、2人でやるように言われていたプロジェクトで、実質の検討は時間がある私が行なっていた。1週間ぐらいあたためたアイデアをまとめて、事業性、建築空間の内部と外部の連関のある現実的な話を組み立ていた。
プレゼン前日になって突然先輩が「このアイデアだと要素が多すぎて伝わりづらいと思う。もっと人に働きかけるようなインパクトのある形にしようよ」と言って私が以前書いていた案を引っ張り出して、全く別案で検討し始めた。たしかにコンセプトはわかるものだったが、ワンアイデアで現実味に欠け、内部と外部のつながりに欠けたように思えた。ただの思いつきではなくて、もっと用途に寄り添った構築的な案にしたい…。なにより、その恣意的で設計者のエゴに見えそうな形にどうしても共感できなかった。

上司もうんうん、それでいいじゃん!そのアイデアで2人で意見を出し合ってまとめてみてね、と言ってきた。
先輩の、私の以前のアイデアを再検討している点についてはとても私に気を遣っているのは分かったが、
出てきた空間や形が設計者の主観的な理由で、ただただこうしたい!っていう気持ちだけに思えて、もうついていくのは無理になってしまった。
まぁとはいえ、発表するのは明日…、締切には間に合わせないと…。とりあえず、仕事だし、やるだけやるか。


後日、他プロジェクトで先輩が他の年配の人に
「なんでこれにしたの?」と聞かれた時、その答えが一言「かっこいいから」と言っているのを聞いた。
作業所(工事現場)の人たちからなんでこんなことをするんだ?と問いただされているようだった。

それは…、そうだよなぁ…。
だって、そのままだと設計者のエゴに見えるもん…。

上司も、若いしやりたいようにやらせておこう、
責任は俺が取る。と言っていたのはどれだけ心が広いんだ…と感心したのだが…。

結局、上司に、先輩の非論理的で恣意的な形、考え方についていくのがしんどい旨を伝えたら、あっけらかんと明るく「そっかーー!笑 そうだよねー!笑 気持ちはよくわかるよ笑」と言われて、悩んでいることがすごく小さいことで気にするなみたいな対応で救われた。

まぁ。
私も生真面目で、状況の奥、さらに奥まで気を遣って、うまく振る舞おうとするのは大問題。

翌日、他の年配の先輩から
「ちょっとねぇ、そんなんだとこれから先長いんだからやってけないよ?本当に色んな人がいるんだし、周りに気を遣いすぎ。自分の人生、自分で選んで生きていかなきゃ。誰のせいにもできないよ。
仕事だけじゃない。結婚とか子どもとかこれから色んなことに向き合わないと行けないと思うけど、どれも自分がこうしたい、って思ってやらないと辛くなるよ。
私も今、このフルタイムの仕事をしながら2人の子供を育てつつ、親の介護をしてる。若い時は超過酷なところに放り込まれたけど、しぶとくやってやった!笑 大変だった。けど、それ以上にやりがいがある仕事だから続けられる。子どもたちとの時間が取れないのは子どもに悪いなと思うこともあるけど、自分の設計した建築を子どもたちを連れて見に行って、「お母さんはこんな仕事をしているんだよ」って誇れるし、子どもたちも私が頑張っているのを見てるから、仕事を辞めろとは言わない。子どもがいるからって仕事を辞めずにずっと続けようと思えば続けられるし、自分の人生は自分のものだし、子どもたちにも自分が輝ける人生を歩んでほしい。やっぱり楽しまなくちゃ!」
とか他の人からは
「自分の思っていることを相談できるのは大事よ。以前いた若手の子はずっと溜め込んで他に相談できないまま、あれ?と思ったころにはあんまり来なくなっちゃって。それからパタっといなくなっちゃったのよね。周りは分からないからねぇ、ちゃんと言わないと。その子は、周りを気にしてうんうん、そうですね、と作り笑いをしてすごしていたから。
まぁ、切り替えは大事よ。仕事は仕事、勉強は勉強、家庭は家庭。切り替えなくずるずるしていたら全部中途半端になる。悩んだところでつらいだけよ」などなど。

母からは
「ひとまず安心した☺️
いろんな人いるから会社で揉まれて成長すると思う。それがなければ社会性のない世間知らずのおバカさんになるだけ😂
学校とは違ってそういう人間力も必要ですね」
とLINEをもらった(原文ママ)

これからもいろんな人と出会い、考えながら、生きていきたい。



最後が中途半端な終わりだけど、
今日はここまで。

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