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平成の旅路

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激動の時代平成のノンフィクションルポ、 エッセイですが 作品に登場する人物名、団体名、商品名など 全て実際に存在するものとは一切関係ありません。 一部ボカして書いていますが登場人…
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平成の旅路 その5

平成の旅路 その5

扉を開けると中は正に豪華絢爛という言葉を具現化したような圧倒的な魔空間であった。

入口では屈強な黒人が分厚い二重扉を開けてニッコリと笑う。
床には真っ赤なカーペットが全面に敷き詰められており広いワンフロアにはど派手なジャンデリアに煌々と照らされた大小のバカラ台やルーレットが配置されており、更に奥にはVIP用の高レートテーブルまでもあった。
後で知ったがさらに別のフロアに完全個室の1人のお客の為だ

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平成の旅路 その四

平成の旅路 その四

購入した原付は三万程だったので残り残金十五万円ほどで当てもなく旅に出た取り敢えず県外に出て行けるとこまで行こう。

県外に出るまでに原付といえど古い2stのバイクなのでそこまで燃費が良いとは言えず給油を何回かしたところでこれで全国を回るのは厳しいなと感じ始めていた。

しかし数々の労働のトラウマがあったので働く気には一切なれなかった。

そう言えば昔友達とパチスロのハイエナで小遣いを稼いでいた事を

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平成の旅路 その3

平成の旅路 その3

店に着いて挨拶も早々におろしたてのオーダースーツを颯爽と脱がされ中古のツナギ作業着へと着替えさせられる。

促されるまま軽トラへと詰め込まれ、走ること数十分のとあるオフィスで降ろされ
一息する間もなく次々と車から資材を下ろしていく社員達、特に私への指示は無かった気がするが、荷卸しを手伝ったり作業してるところに資材を運んで行ったりと全くの素人ながら結構頑張って働いていたのだが事あるごとに理不尽に怒鳴

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平成の旅路 その2

平成の旅路 その2

西暦2004年同じ横浜市内にある私立高校へと無事サッカー推薦でギリギリ高校進学を決めた私ではあったが
高校サッカーを舐めていた。
と言うか既にサッカーに興味すら無かった私は入部初日の練習から新入生全員が足を攣るまで延々と走らされその辛さを全身全霊己の体で分からされる羽目となった。

まず何が一番キツいのかと言うとその練習量の長さである。
最近女子校から共学に変わったという事で元々サッカー部、野球部

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平成の旅路 その1

平成の旅路 その1

西暦2000年中学校一年生の春
放課後いつものように下校しようと学校の
校門をくぐると、当時の帰宅部仲間の1人であるワッ君が早速両脇を抱えられて強制連行されていった。

おそらくヘアーワックスで
某ハンター漫画の主人公かと見間違うくらいツンツンに髪の毛を逆立てていた事が原因であろう、校門での頭髪検査に引っ掛かったのである。

頭髪検査と言っても学校の先生方が行う
生徒指導的なものでは勿論なく、

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