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小説たち

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掌編、短編小説と長編の第一話をまとめてます。多分、主人公は男が多い(笑)
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#掌編小説

はつ恋

はつ恋

―消しゴムのすり減りは恥じらいのある証拠。
 そう言われたのはいつだったけ。

 背景に桜木と舞う花びらがあしらわれた原稿用紙に文字を連ねながらふと思った。

「あ」

 『だったっけ』の最後の『っ』が抜けている。豆粒ほど小さくなった消しゴムで『け』の字を消す。ちょうどそのマスに収まった桜の花びら達は、地面に落ちて踏みに踏まれた時のように黒ずんでいた。せっかくの綺麗なピンク色も台無しになってしまう

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クリスマスプレゼント

クリスマスプレゼント

 クリスマスプレゼントを開けるように勢いよく包装紙を破いた。だが、子供の頃のようなワクワク嬉しい気持ちではない。今日、12月24日の内に、段ボール50箱に入ったプレゼントを処理しなければならないのだから。

 僕は今年の7月から『ルーチェ』というアパレル店でアルバイトをしている。仕事内容は、レディースの店だという点もあって、店頭販売はなく、バックヤードでの商品整理業務が主だ。人見知りの僕にとっては

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音と色の世界

音と色の世界

 そこは歩いても歩いても緑色の世界だった。大夢(ひろむ)は立ち止まった。ここまで来れば余計な音も聞こえてこないだろう。ケースを置き、中にあるバイオリンを取り出した。大夢はゆっくりとバイオリンを構えて奏で始めた。

 ドは赤。レは黄色。音に色がつけられていく。色はつながり混ざって夕やけを描いていく。しかし、混ざった音はだんだんと黒くなり始めた。大夢は色を取り戻そうと弓をゆっくり動かすが、黒はどんどん

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