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ダイエットの呪縛

 ルッキズムが否定されはじめ、美しさにバリエーションが生まれている。
脂肪と筋肉が共存し、女性らしいしなやかさと筋肉を共存させたスタイルや、峰不二子を想起させるようなむっちりしたスタイル。今まで主流だった細さに重きを置いたスタイルももちろん人気がある。どのスタイルを語るにせよ、土台には一定の細さがあるのではないか。

 私はここ数年、BMI21~22をうろうろしている。ジムに行ってみたり、食事をプロテインに置き換えてみたり、オートミールを食べてみたりするが、今のところ効果は見えない。
 その答えは簡単、口先だけのダイエットだからだ。1200キロカロリーに制限して、人生なにが楽しい?白米はうまい、スナック菓子はストレスを軽減する、チョコレートは多幸感をもたらしてくれる。

 どうして大好きな食べることを我慢してまで細くなりたいのだろう。辛い食事制限をするたび、いつも同じことを自問自答してしまう。答えは分かりきっている、デブに世の中は冷たいからだ。
 細くて綺麗な友人と、脂肪をまとった私とが並んで歩けば、周りの人が優しくするのは基本的には前者だろう。なぜなら、いくら綺麗げにしていても、しょせん「綺麗げ」でしかないから。この「げ」から抜け出すには、細さしか今の私には思い浮かばない。細くなることがいちばん手っ取り早く美しさに近づくことだと信じて、今日もプロテインを飲む。

 

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