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『お客さま、そんな部署はございません』

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「市役所コンシェルジュ」なるものに採用されてしまった私。しかし内実はなんでも相談窓口だった・・・ 1日約100人、5年間で延べ3万件の案内や相談から学んだ私の市役所生活日々のあ…
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#市役所をハックする

市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第1回】安易に夢が叶ってしまったのだが正直どうすればいいかわからない

市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第1回】安易に夢が叶ってしまったのだが正直どうすればいいかわからない

注)これは少し前のこと。私が働いていた場所での出来事と雑感を「セミ・フィクション(ゆるやかな事実)」的にまとめたエッセイ。
毎週日曜日、21時頃に更新予定です!

ちょっと買い物に出かけようとしたら、ポストに郵便が届いていた。
先日受けた、某市役所の移築オープンに伴う増員職員の結果が来たのだ。
もうサンダルを履いたその場で、私は封筒の開け口をむしり取った。

「採 用」

よかった。
ひとまず安心

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市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第5回】気になる2人組

市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第5回】気になる2人組

市役所にも「常連さん」つまり、よく来る人というのがいる。

かつて住んでいた市町村の役所で証明書を出しまくっていた頃は、常連さんといえば「業者」だった。相続を請け負う行政書士、車検のための仮ナンバーを取りに来る小さな中古車販売業の事務員、葬儀社の人。たまに弁護士や、捜査のために公用で証明書を請求しに来る刑事もいる。

コンシシェルジュのカウンターにも、そうした人はいる。

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市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第6回】誰かが見てる

市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第6回】誰かが見てる

これは少し前のこと。私が働いていた場所での出来事と雑感を、1話完結のショートストーリーとしてまとめた「セミ・フィクション(ゆるやかな事実)」的お仕事小説です。毎週日曜日、21時頃に更新予定!

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