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経歴とビジネスモデルから見る セミナー講師の選び方

1      はじめに

 自分のスキルアップのために外部セミナーを受けようと思っている、会社から外部講習を受けて来いと言われた…社会人ならそんな経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか。業務に関係があれば受講時間は業務時間とみなされることが一般的ですが、その時に悩むのが「このセミナーは貴重な業務時間を費やすのに値するのか?」ということ。

本記事ではそんな社会人の皆様、及びセミナーを企画する立場の企業の皆様に向けて、毎月1回の外部セミナー受講を自分に課している筆者が考える、セミナー講師の選び方を伝授します。

*この記事は5分程度で読むことができます。


2      セミナー講師の種類

 講師を選ぶポイントとして、まずはセミナー講師という仕事について考えていきます。世の中のセミナー講師は次の2種類に大別されます。「A:セミナー講師を本業としている講師」「B:別の本業の営業活動としてセミナー開催を行う講師」の2種類です。これは講師の経歴から容易に判断ができます。もし判別に迷った場合は講師名で検索してみましょう。自社HPで肩書が紹介されている場合があります。

 2種類の講師の違いは、そのビジネスモデルから考えるとわかりやすいです。それぞれのビジネスモデルを詳しく見てみましょう。

2.1   A:セミナー講師を本業としている人のビジネスモデル

 セミナー講師としての働き方は「個人事業主として働く」「研修会社に所属し講師として働く」の大きく二つに分けられます。どちらの場合でも、主な収入源は参加者からの参加費です。例えば参加費5000円のセミナーがあったとして、参加者が10人集まれば売上は5万円になります。そこから会場代や交通費などを差し引いて、残った分が自分の儲けになります。また、企業から依頼されて集合研修などを行う場合もあります。その場合には1日の単価が設定されています(あまり公開はされていないかもしれませんが)。

2.2   B:別の本業の営業活動としてセミナー開催を行う人のビジネスモデル

 本業を持ちながら、セミナー講師をしている場合もあります。本業の営業活動としてセミナーを開催する場合、ビジネスモデルは本業の契約のためのドアオープナーとなります。例えば参加費3000円のセミナーを開催し、参加者が10人集まれば売上は3万円ですが、その中の1名でも本業の商品(例えば1回30万円のコンサルティングサービス)を購入してくれれば売上は33万円になります。このように、セミナー開催では集客や知名度向上、信頼性の構築に徹底し、本業のサービスで利益を生み出すことがBのビジネスモデルとなります。


3      結局どちらのセミナー講師を選択すれば良い?

 セミナー受講の目的によって、どちらの講師が適切か選択するのがよいでしょう。

3.1   Aタイプの講師が向いているパターン

 セミナー開催を本業とする企業・講師は、セミナーの内容を詳細にカスタマイズしてくれることが多いです。そのため、企業の集合研修など、その企業に合った内容に柔軟に調整できる点が強みと言えるでしょう。また、Aタイプの講師は「講師業一筋」であり、人前で話すプロと言えます。講師からそのような「話すスキル」を吸収できることもメリットの一つとなるでしょう。よって、Aタイプの講師を選択することが望ましいと考えられるのは、以下のような場合です。
・セミナー講師のテクニックを吸収したいと考えている人
・将来セミナー講師として独立したいと考えている人
・新入社員研修など、特定企業に合わせた研修を企画したい人

3.2   Bタイプの講師が向いているパターン

 別の本業を持っている講師は、リアルタイムに実務に携わっているその道のプロフェッショナルです。対象の分野においては、より専門的で最新の知識を持ち合わせている点が強みでしょう。講師の経歴も様々で、複数の実務経験を積んでいることが多い点も魅力と言えます。また、セミナーを受講してみて「ある程度の知識は吸収できたが、自分/自社の場合にはどうすればよいのだろう」という具体的な課題が発生した場合、その場ですぐに相談できる点も大きなメリットと言えるでしょう。よって、Bタイプの講師を選択することが望ましいと考えられるのは、以下のような場合です。
・より実務に活かせる知識を吸収したいと考えている人
・講師の経験に基づいた具体的な知識・アドバイスを得たいと考えている人
・講師の本業のサービスに興味がある人

全てが上記のパターンに当てはまるとは限りませんが、セミナーの選び方に迷った場合は参考にしてみてはいかがでしょうか。

4      さいごに

 いかがだったでしょうか。外部講習はどんなに短くても2時間以上かかることが多く、せっかくならその時間を最大限活用したいですよね。本記事が、皆さんが良質な知識を吸収するための判断材料の一つとなれば幸いです。

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