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[スタートアップ人事向け]-年次有給休暇の設計〜後編


年次有給休暇の設計〜後編

前編で記載したように、年次有給休暇の設計ポイントは以下となります。

  • いつ付与するか?

    • 最初の付与日をいつにする?

      • (法令通り)入社日から半年後に付与する。

      • 入社日に付与する

    • その後の付与日をいつにする?

      • (法令通り)入社日から1年半後に付与する。

      • 一斉付与

  • 何日付与するか?

    • (法令通り)初回10日付与

    • 法令以上に付与する

詳しくは、[スタートアップ人事向け]-年次有給休暇の設計〜前編をご確認ください。

以降の文章では、年次有給休暇の設計をシンプルに考えるために、週5日勤務する従業員(多くの場合は、正社員と呼ばれる従業員)を対象として記載いたします。パート、アルバイトなどの有期雇用契約で週5日未満の勤務の場合などは若干異なることもありますので、その点はご留意ください。

年次有給休暇の設計ポイント

年次有給休暇を法定付与、入社日付与とそれぞれのパターンについて、経営、従業員、人事担当者の視点からメリット、デメリットをまとめると以下図になります。

年次有給休暇をいつ付与するか?

経営/会社の視点

法定付与(入社6ヶ月経過後に付与)より前(例えば、入社日)に有給休暇を付与する場合、採用でのアピールポイントとなる一方で、人件費増加の可能性があります。

従業員の視点

法定付与(入社6ヶ月経過後に付与)より前(例えば、入社日)に有給休暇を付与する場合は、すぐに使えて嬉しいですね。
法令付与の場合、入社6ヶ月までは有給休暇がないので、体調不良や家庭の事情で休まなければならない場合は、欠勤となってしまいます。
欠勤した日は給与が支払われないので、欠勤日数分給与が減額となります。

人事担当者の視点

付与のパターンによって、一番影響を受けるのは、人事担当者(勤怠処理、給与計算を担当している方)となります。
人事担当者の視点から、年次有給休暇付与の業務処理で気をつけるべきことは以下となります。

  • 付与日を間違えないこと

  • 付与日数を間違えないこと

法定通りの年次有給休暇の付与であれば、間違えにくいですが、入社日付与など法定外の取り扱いをする場合には、ミスをしやすくなります。
また、2回目以降の付与を一斉付与(例えば、4月1日付与に統一する)とした場合は、付与日数を間違いやすくなります。
一斉付与を行う、4月1日時点の在籍年数から付与日数を決めると、法定以下の付与日数となり、法令違反となります。(以下、図が付与日数となります)

2022/4/1入社だった場合の有給休暇付与日数

また、一斉付与を行う場合は、5日取得義務の初回はダブルトラックとなりますので、5日取得義務の管理に注意が必要となります。

出典:厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得〜わかりやすい解説 P9から抜粋

まとめ

スタートアップでは採用は、費用、対応工数も多く、苦労をすることが多いです。したがって、少しでも採用に有利に働くのであれば、多少の人件費増となる可能性があっても、入社日に年次有給休暇を付与するのが良いと考えています。
一方で、以下人事担当の視点からすると管理は煩雑になるので、早い段階で年次有給休暇の管理含め、勤怠管理システムを導入し管理することをお勧めします。
HRMOS勤怠、KingOfTime、ジョブカン勤怠共に、入社日付与、一斉付与、どちらの設定も可能です。

付与日数はどうしたら良いか?という点については、スタートアップ実務としての有給休暇の設計で記載したいと思います。

年次有給休暇に関する参考資料

以下、厚生労働省の資料が参考になります

厚生労働省-労働基準関係リーフレット「次年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」

厚生労働省-「年5日の年次有給休暇の確実な取得〜わかりやすい解説


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