見出し画像

「なぜ大雨の中、畑や田んぼを見に行くのか?」を農業2年目の私がご説明したい件

大雨になると、時折

「田んぼ/畑を見に行った農家の男性・女性が行方不明」

というニュースが流れます。農業を始めるまでは、私自身も

「なんで雨の中、危ないのに見に行くかねぇ」

と正直馬鹿にしたような気持ちがありました。ただ実際自分が畑を始めてみると、どこか田んぼを見に行く気持ちが分かるようになったのです。

※この記事はもちろん危険を冒してまで農作業をすることを推奨するものではございません。

①仕事だから

やはり最大の理由はこれじゃないかと。
仕事である以上、農業を生業にする人間にとっては農業はカネを得る手段です。
また農業にはどこか「自然任せ」みたいなイメージがあるのかもしれませんが、案外計画的かつ人為的な部分が多いのも確か。
雨によって作物がダメになると、生活にかかわります。

そのため、雨の中でも畑を見に行く行為を馬鹿にするというのは、
通勤電車が長時間止まって、歩いて会社に向かう人を揶揄するのと変わらないのでないかと。

歩いてでも会社に行くのは、なぜですか?それはカネを得る仕事だからではないでしょうか?

②後に響くから

例えば、予想外の大雨が降ると、畑で言えば畝が崩れたり、近くに引水用の用水路をがある人はそこから水があふれたり、そもそも用水路自身が故障したり。

合わせて風が吹こうもんなら(=台風のことですね)、なぞの物体が畑に飛び込んできていたりもします。
私の畑も先日の台風で、作物の支柱が曲がったり、私の身長を超えるような木の枝が畑に突き刺さっていました。

稲作(田んぼ)はやっていないのでわかりませんが、それでも「このタイミングで泥水が入ったらマズい!」みたいなものがあるらしく、神経の使いようは畑以上かもしれません。

普段の農作業でもヒーヒーなのに、予想外の業務が増えることを考えるとなるべく早く手を付けたいという気持ちが湧いてきます。

③作物が死んでしまいかねないから

②の続きに近いですが、②を怠ると、作物の生死にかかわるということもあると思われます。
作物の生命力は偉大ですが、それでも滅するときは一気に滅することも確かです。

分かりやすい例で言えば、ビニールハウスがぶっ壊れたら、中の作物はどうなることやら。
他にも、土壌に水分が多すぎると「根腐れ」といって、根が呼吸できなくなり根から腐っていく現象が起きたりします。

他にも実がなる野菜で言えば、実割れという障害もあります。トマトやピーマンなどは急激に実に水分が供給されると、それに耐え切れず割れたり、亀裂が入ったりします。
こうなると商品価値が落ちるどころか、樹の上で腐ったりして害虫や害獣を呼び寄せたりするので、なるべく早く処理したい。

④かわいいから

これは個人差があるとは思いますが、何か月もほぼ毎日顔を合わせたら、そりゃ愛着が湧いてくるものです。

それが短期的な雨や風で全滅ってことになれば、考えるだけで嫌になります。
エクセル保存し忘れた!なんてレベルではない・・・

感情的な理由ですが、きっと理由の一つではないかと。

ーーー

このところ雨続きなので、私自身も少雨を狙って畑を見に行っています。
そんな中で、この前までかわいく実っていたミニトマトが

(ショックで写真を撮って無かったので、https://874-lifehack.com/blog/sharefield/2018/07/08/1097/より引用)

バキバキに割れているのをみると、気分が落ち込むわけです。

また雨が降るとほぼ100%雑草たちも芽吹いたり、勢力を増します。その適切な管理も必要です。

危険を冒すことは望ましくありませんが、そうしたくなる気持ちを馬鹿にするのではなく、優しく見守っていただければ幸いです。

というわけで、本日これにて。
ご清読ありがとうございました。

★「旅×農×本」な民宿やってます↓

いただいたサポート分、宿のお客様に缶コーヒーおごります!