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こんなやつもいるから大丈夫です、知らんけど

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日常の疑問や問題意識、抽象的な問いをあーでもない、こーでもないといいながら、簡潔で読みやすいエッセイにまとめます。 どうぞ、肩の力を抜いてお読みください。 きっと何か発見があり… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

【第一回「みつを」をつけたくなる名言賞】受賞式会場はこちらです

みつをこのボケをかましたことのない人間がこの世にいるのだろうか。 なんてことのない一言でも、深みがありそうにみえるし、味わいを感じさせてくれる。そんな魔法のコトバ。 今回は、私の独断と偏見で「みつを」との相性抜群の名言をここにご紹介したい。もし「これもベストコンビネーションだぜ!」というのがあれば、コメント欄で教えてほしい。 では早速、銅賞から。 銅賞 ドラえもんが放った一言が見事銅賞をゲット。 「ひとつひとつかたづけてゆくんだね 具体的にね みつを」とのコンビネーシ

あの日の虹はピザ1切れ分

ピザ1切れは中心角30°の扇形であった。 私が宅配ピザ店でアルバイトをしていたあのころは、いやたぶん今も、Lサイズのピザは12等分されていたように思う。つまり、ピザは1切れあたり、360°÷12=30°の扇形をしていたというわけだ。 ピザ1切れが30°と知ってから、かれこれ6年が経つ。この紛れもない事実は、全くと言っていいほど私の人生に影響を与えてこなかった。 進学したり、就職したり、移住したり。 そのどの場面を振り返っても、半径15センチの、表面積18.75π㎠、弧の

トリセツが読めない私の取扱説明書

新しい掃除機が来た。 動かない。コード繋いだのに。そういえば、この部品、どこにつけるんだ? 簡単取り付けセットに苦戦すること、およそ10分。 布団用の物干しざおを追加購入した。 ラクラク組み立てとのことだが、伸縮自在のさおががうまく伸びない。あれ?なんか曲がってないか? ここまでおよそ10分。 結局、取扱説明書(トリセツ)を取り出して、 「ははーん。こういう構造だったのか」 と一安心。 動かない。伸びない。 おいおい、なんのためのトリセツなのだ! といったように、私

「36÷18は?」

皆さんの写真を撮るときの掛け声はなんですか? やっぱり1+1=2ですかね。 さて問題、36÷18は?  そう、正解は2ですね。 こちらの皆様も御名答。 にーですね! さてさて、「1+1は?」や「はい、チーズ」って、あまりにも聞き慣れすぎてどんな顔していいか分からないときありませんか? 私は多々あります。 だから時々、私がお写真を撮らせていただくときは掛け声を変えるようにしています。 「36÷18は?」 もちろん答えは2ですが、それを少し考えたりする時間だったり、

3センチの愛らしさ

知ってますよ、結局、みなさんもウチの「ヤモリ」がみたいって。 ほーら。 はい、ハナモゲラ。そうそうヤモリも4ヵ国語マージャンを、、、ってこれ、タモリやないかい。 はい、「肉のカーテン」。そうそうヤモリも牛丼食べると額の肉の文字が浮かび上がる、、、、って、これ、守りやないかい。 はい、和音。そうそうド・ミ・ソがかっちり、、、ってこれ、ハモリやないかい。 さてさて、先日の台風以来、ほぼ毎日「ヤモリ」が我が家に現れます。 しかも、体長3セン

「月が綺麗ですね」と言えるほど、私は月を見てこなかった

「月が明るすぎて、星が見えないのね」  ーーー 「宿の庭からは星がよく見えますよ」 夕暮れ時、そんなお話をお客様に差し上げた。 これは紛れもない事実で、空気の澄みやすい冬の日はもちろん、夏の日でも星がよく見える。 夕方縁側でぼーっとしていると、夜が更けて、あれよあれよと空は暗くなる。その日は雲一つない快晴で、きっと今日も星空が見えると確信したものだった。 しかし、待てど暮らせど、星は出ない。こればかりはなぜか分からなかった。 「月が明るすぎて、星が見えないのね」

おばあちゃんは「家内」だった

祖母から「おばあちゃん」感が抜けた。 おじいちゃんの家内は誰?島に移住してきて以来、よく大阪の祖父と電話をするようになった。 それもそのはず、祖父の生まれ育った島に、孫の私が住んでいるからだ。 さて、祖父と電話をしていると、ときどき祖母の話になる。すると、祖父は祖母のことを「家内」と呼ぶのだ。 私は最初この呼び方にとても違和感を覚えた。なぜなら、私の前では誰しもが祖母のことを「おばあちゃん」や「おばあさん」と呼ぶからである。つまり、私の母にとっても、叔父にとっても、孫の前

私は「ヒト」から「人」になる

カマキリのメスはオスを食べるらしい。 いつの日か耳にした。 そんなことを昨日思い出した。 ミニトマトに目をやると、カマキリがいる。 「こいつはオスか?それともメスか?」 結局、雌雄は分からず終いだったのだが、そこにいたのヒトという生き物は、 「オスだったら、近々食べられるのかなぁ」 と少しそのカマキリを見つめていたものである。 なぜカマキリのメスはオスを食べるのか。 それは交尾後に卵に栄養(アミノ酸)を送るためらしい。 科学的な事実をいえば、たしかにこれ以上でもこ

ジャムパンを買いに行こう、少し大人を休憩するために。

大人は「大きな人」でしかない アホみたいな量「そんなアホみたいな量、食べたらあかん!」 いつの日だったか、幼い私に母はこう言った。 アホみたいな量とはいうが、正真正銘のアホはどのくらいの量のジャムをパンに塗るのだろう。 さて、昔受けた注意というのは、案外大人になっても忘れないもので、その1つがこの「アホみたいな量、食べたらあかん!」である。 だからこそ、幼少の私にとってジャムはとても高価なもので、少しずつ甘味を感じるべきものだった。 私は私の金でジャムを買えるように

旅に余白を~クロアチアの元民兵と私の大学院進学~《Part2》

どうやらクロアチアの酒が良薬であることは間違いない ★以下の記事はこちらの続きです。 ーーー ユーゴ内戦の史跡を巡りにきた私に大男は、 「お前が飲めるのなら、当時の話をしてやっていいいぞ」 と片言の英語で言う。 気が付くとショットグラスに注がれた茶色の酒が私の前に差し出されていた。 私は返事の代わりに、そのグラスを一気に飲み干した。若気の至りがそうさせたのか、「どうせ明日も雨だし」という諦めがそうさせたのかはわからない。 ただ少なくとも、「晴れのドブロブニクを見ず

腹が減っては戦はできぬが、戦のあとには何食べよう?

辛さが王将に行く理由になるのなら、その辛さも悪くない気がしてきた。 落ちた私と王将高校の合格発表の日、私は王将にいた。 私は王将にいたけれど、私の受験番号はその高校にはいなかった。 私の実家から川を越えて車で5分。もう今はなくなってしまったけれど、そこに確かに王将があった。 それまでも幾度となく、我が家はそこの王将で食事を取った。なんなら母はときどきテイクアウトも活用していた。 ただ高校に落ちた日に踏み入れた王将の床はいつもより油ぎったように感じられ、心なしか床と靴がい

80代のハイカラご夫婦と異国の料理

85年前というと、どうやらそれは昭和という時代で、戦前という時世らしい。85年前、すなわち1936年といえば、2・26事件が起きたり、プロ野球が始まったりと、私からすれば教科書の中の話である。 私に農業を教えてくれるご夫婦は旦那さん87歳、奥さん85歳。 当の26歳の私はというと、ポケモンより1歳年上といった程度で、生まれた時には風呂はボタンを押せば沸いていたし、少なくとも旦那さんのように小学生にして牛の散歩をするようなこともなく育ってきた。 さて、先日、旦那さんから、