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Episode 403 得意が苦手を作るのです。

以前に私はブログ記事で、私の感覚的な視覚優位のことについてお話ししました
その詳細は過去記事を参照していただくとして、インプット能力が弱いのに視覚優位とは…という点について、私のWAIS-IIIの結果が見事なまでに表現してくれています

「昨日コンコンと説明して理解したハズの話を、翌日には綺麗サッパリと忘れているASD」は、「忘れているのではなくて違うと認識しているのではないか」と指摘しました。
そこにはインプット能力が弱いが故に、単語と映像が "1:1" で結びついてしまう現象が存在するのだろうと思います。

先日、WAIS-IIIの結果を運動会の種目で考えると分かりやすいというブログ記事を書きました。
自分の特性を理解して、戦える騎馬戦の騎を作る…という例え話です。
ここで求めるものは、自分自身の特性による凸凹を理解して、凸を生かして凹をカバーするにはどうしようかを考えよう…ということでした。

では、騎馬戦ではなく二人三脚で戦うには?
足の速い人と遅い人が二人三脚でペアになった時、倒れずに走るためには「息を合わせる」ことが重要になるワケです。
この場合、足の速い人にペースを合わせることは物理的に不可能なわけですから、足の遅い人のペースに合わせて転ばないように走る…という選択をすることが「息を合わせる」の具体的な選択になるのでしょうね。

つまりね、そう言うことです。
転ばないようにするには、ペースの遅い方に合わせなければならない。
私の場合「見る」のが得意だから、見る方を優先してしまう…。
でも、苦手な「聞く」を待たないと二人三脚で倒れるのです。
倒れないようにするには「聞く」のペースに合わせなければならないワケですよ。

常に映像が優先している視覚優位の私は、苦手な言葉を拾った瞬間に映像と結び付けてしまう…しかもその言葉とは会話全体ではなくて「単語」です
優先的に視覚にメモリを割いてしまうのが私の標準仕様なので、タダでさえ苦手な言葉に割り当てられるメモリはホンの僅か…ということでしょう。

動画で記憶するタイプの私は、映像で単語を包み込んでしまうのです。
映像の網を振り回して、言葉というトンボを捕まえる感じ…。
コントロールできるのは網、つまり映像側を拡げて言葉を捕まえに行くワケです。
振り回した網に何種類もの単語を捕まえて言葉として理解するのが一般的なのでしょうね。
でも、私はトンボ一匹を捕まえた時点で、映像に突き刺さってしまう…。

この話は聴覚と触覚に過敏/鈍麻がある、ASDの私の経験に基づく話です。
同じように聴覚と触覚に過敏・鈍麻のある方でも、全員が私と同じように感じるワケではありません。
感じ方は人それぞれで、似たような感じの方もいれば、全く異なる感覚をお話しされる方もいらっしゃるのだと思います。

私は、強すぎる映像記憶が言葉を待ちきれずに、掴んでしまった会話の出だしで「全体のイメージ」を作り上げてしまうのだと思います。
強すぎる知覚統合の能力が、処理速度と作動記憶を押し下げる結果を生む

「昨日コンコンと説明して理解したハズの話を、翌日には綺麗サッパリと忘れているASD」を掘り下げて行くと、そんな私の特性に行き着く気がするのです。

旧ブログ アーカイブ 2020/2/2

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