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Episode 242 関係ないと思うのです。

自分で言うのも何ですが、私はパッと見は"Gentleman"だと思います。
だってそうでしょう…女性向けの恋愛小説や少女マンガが好きで、それを自分自身の経験の代替品として記憶と混ぜ合わせたのですから。

但し、その"Gentleman"の部分はあくまでもマンガや映画・小説の主人公の持つ優しさの模倣であって、私個人の持つ本質ではなかった…。
それは、パートナーと出会って自分の本当の姿を見つめる結果になって、初めて思い知ることでした。

私は戸惑いながらも彼女との時間を共有して楽しみ、不器用ながらも彼女を喜ばせようと努力するのです。
その方向性は「彼女の全てを受け入れる」ということで、彼女が嫌がることは決してしないという徹底的なモノでした。
そりゃそうですよ、だって私は「やるかやらないか」しかない両極思考の持ち主なのですから。

この状況をパートナーの方から見たらどうでしょうかね…。
後にパートナーは私に「恥ずかしい過去も、それでいいから…と受け入れてくれた」と言いました。
私は…きっとこの時に「試された」のだと思います。
自分の嫌いな部分や人に言えないような恥ずかしい部分のひとつやふたつ、必ずあるのですよ…人間だもの。
それをワザとぶつけてきたのだと思います。

髪を真っ赤に染めてみたり、夜通し飲んで遊んで明け方ポケベルで呼びだして家まで送れって言ってみたり…。
甘えと言えば、そこまででしょうね。
それを腹も立てずに相手する私も私ですが…。

私の勤務先のアルバイトさんだったパートナーは、バイトを辞めて身なりを整えて、就職先を探すようになります。
拠りどころを得た…ということだったのかもしれません。

今思い返せば、私たちはお互いの欠け落ちた部分を埋めるピースを持っていたのだと思います。
全てを受け入れてほしい彼女と、全てを受け入れたい私。
そこには、私のASDとしての性格が色濃く映し出されていたのだろうと思います。
でも、当時の私たちにそれは関係なかった…いや、むしろ大歓迎だったのだろうと思うのです。

顔かたちは別として、結婚する「物件」としての条件は決して悪くない…。
国立大卒東証一部上場企業の社員
タバコやお酒は好きだけど、ギャンブルはしないしね…経済的に苦労する要素も見当たらない。

結婚前にパートナーがASDだと気が付かないのは何故か…なんて、ネットで騒がれているようですが、結婚に至るまでに気が付く必要があったのかと思います。
少なくとも私たちの関係性は、私がASDであることで成立したのだと思います。

私がASDであることで、その後の結婚生活においては随分と苦労を掛けたのだろうとは思います。
ただ、苦労なんてどんな場合でもあり得る話であって、ASDであってもなくても離婚するような不仲に発展するケースは普通にあるのです。

育ってきた環境が違うから 好き嫌いはイナメナイ
夏がダメだったり セロリが好きだったりするのね

山崎まさよしが「セロリ」で歌っていることが全てだと思います。

つまりは単純に君のこと 好きなのさ

ASDであろうとなかろうと…です。

旧ブログ アーカイブ 2019/5/14

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