見出し画像

#1ショパン/バラード1番の記憶

こんにちは、カナダでワーホリ中のHotaru(@Hotaru_piano)です✨(マガジンご参照ください!)

ーーーーーーーーー
本日は、ピアノのお話。
人生で何かが起きた時、ある人は映画を観て、ある人はカラオケでJ-Popを歌い、ある人はお酒を飲み、ある人は旅に出る。

私にとって、何かが起きた時に必ずすることは、ピアノと向き合うこと。

画像1

今日は、私にとって想い出の曲を1つ、紹介します。

今模索していることは、noteで、「音楽のソムリエ」のようなことができたらいいな、ということ。
ふと、立ち止まりたいとき。〇〇な気分のとき。
そっと、そこに寄り添う音楽を提供したい。
まるでそれは、あなたにあったカクテルを提供するバーテンダーのように。

昔、「クラシック音楽に興味があるから教えて!」と言われたときに、何から伝えればいいのかがわからなかった。
なぜなら私は、クラシック音楽のうんちくは語れないから。
そういうのは、ぜひ他のメディア情報を見てください。
でも、クラシック音楽の楽しみ方ってそれだけではないと思う。


私や周りの体験に基づいた、「今」と結び付けたお話を、まるでエッセイのように綴って何かに寄り添うことができないか。

前回の記事のように飛躍的なアクセス数が望める内容ではないかもしれない(とてもすごかった笑)。私の周りにリアルな知り合いの中には、「興味」「共感」が出来る人は少ないかもしれない。

でも、ここを訪れた誰かの心に、何か響くものがあったら、それだけで本望です。

それでは、参ります。

#1 ショパン バラード1番 (Chopin Ballade 1)

・聞くタイミング:私は、誰もいない部屋のベッドの真ん中に寝転がって、ゆっくりと目を閉じて聴きたい。
・関連メディア:四月は君の嘘(非常におすすめ)

私の、エピソード。
ーーーーー
約9分間の曲。

フィギュアスケートの競技にも使われた有名な曲ですが、初めての出会いは遅くて、高校3年生。
当時、ピアノ部という部活に入っていた私。

部員の中で任意のオーディションに受かった2人が、文化祭の際に講堂で演奏できる仕組みだった。
私は、とてもありがたくも3年間連続で立たせてもらった。
でも、前年のコンクールで燃え尽き症候群に陥っていた私は、舞台に立つことに自信がなかった。
自分なりに練習はしてきたし、無難に発表できるレベルにはなっていた。
それでも、私は、観客からしたら「オーディションを受けた部員の中で一番うまい人」というレッテルを貼られているであろうことがとても怖かった。

もう1人の子が弾いた曲。
それが、このショパンバラード1番。

リハーサルのときに初めて聴いて、私は訳もなく泣いた。
「めちゃくちゃ上手い」という訳ではなかった。
もちろん上手だったけれども、コンクールで1位を取るような弾き方ではなかった。
それでも、訴えるものに、私は泣いた。

かわいらしい風貌の彼女が、こんな情熱的な曲を弾くということも意外だったし、ころころと動くその指先の動きがとてもきれいで、大体4分40秒くらいで沸き起こるフレーズに対して使われる身体の動きやメロディーの豊かさ。

私は、その瞬間の「すべて」に対して、ある意味、「恋に落ちた」。

私がもし映画監督になったら、とても繊細にこの絵を撮ることができると思った。

実は私にとってショパンは天敵で、まぁ単純に技術力がなかったというせいもあるんだけれども、弾こうとしても全然身体になじまなかった。だから、多分弾いたことがある曲は「子犬のワルツ」「革命」「幻想即興曲」くらいだと思う。

大人になり、去年、COVID-19が流行りだして1回目の緊急事態宣言が出ていたとき。
時間が有り余っていた私は、ふと、この曲の楽譜を手に取った。

全然スムーズに弾けるわけではなかったけれども、私の頭の片隅にあった18歳の記憶を少しずつ紐解きながら、初めて、私は楽譜の音符たちを追いかけた。

正直、私には全然弾ける曲ではなかった。
一応最後まで譜読みはできたし、表面的なデートはできた。
世の中なんでもそうだけれども、扱いになれればある程度のところまではいけるもの。
でも、なかなか両想いにはなれなさそうな曲だと思った。

この曲は、きっと18歳の私のあのときの記憶を超えることはないだろうし、この先どんなにすばらしい演奏を耳にしたとしても、私にとって「最も上手」なショパンバラード1番は、あの時に聴いた演奏であり続けるんだろうな、と思っている。

ーーーーーーーーーーーーーー

noteを始めてから「世界って優しさでできているんだな~」と、バファ〇ンのようなことを感じるようになりました。

よくいろいろ曝け出せるね、と言われるのですが、私が表現者として、私が個人として、何かを発信してくこと。まだまだ何をしたいのかは見えていないけれども、優しさに溢れたこのプラットフォームの上で、動きながら道が定まればいいな、と思っています。

「こんなときにおすすめの曲、教えてください」というリクエストも歓迎です。

あと、ピアノが手元に入ったら、配信も予定しております。

See you later!

★現在はジャズピアノをやっています★


この記事が参加している募集

部活の思い出

思い出の曲

よろしければサポートお願いいたします✨ 皆さまの日々に少しでもプラスになることを書けるよう、精進していきます!