〜淡い恋〜②
ダイスケの言う通りだったのかもしれない。いや、だけどちゃんと自分の目で事実を確認して良かったとも思うし、何よりも、初めて心が抉られる思いだった。
「お前は何やってんだよ!!」いつもの溜まり場に乗り込んで、そうセイヤに怒鳴り散らすと「おめぇは何でここにいんだよ!病院戻れよ!!」なんて逆ギレなんかされちゃったりして。
その隣でタバコをふかして冷静な目で見ている1人の女、アカリはあたしとセイヤのやり取りを見て鼻で笑っていた。
「なんなんだよ!!」そうその女に勢いよく突っかかろうとしたあたしの腕に強い痛みが走った。「やめろ、ほっとけ。」そうあたしの腕を掴んでいたのはダイスケだった。ダイスケとここに来たことがバレれば面倒なことになると、溜まり場の近くでバイクから下ろして貰ったのに・・・
「なんで・・・・・・」
「へぇ〜いつの間にお前ら〜!」
セイヤが立ち上がりあたしに近づくと「わりぃけど、借りるな、お前の女」そうダイスケはセイヤに笑いながら囁くと、あたしを引っ張ってその場からさらってくれた。
「病院戻るぞ、気が済んだろ」そう静かに呟いたダイスケの方が悲しい顔をしていてなんだか笑えた自分がいた。「ありがとうね」そう呟くとダイスケは掴んでた腕を放し、バイクのエンジンをかけた。
とてつもなく寒くて、顔が痛かった。バイクが風をきっていて、ダイスケにしがみついていた手も痛かった。
だけど、そんなことより
あたしの心は比べ物にならないほど、もっともっと痛かった。
つづく→③
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