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あまりに綺麗なあの子は
きっと旅をする
あの家も学校も全て捨て去って
でもきっと彼は映像を作り続ける
それが夢だから
全て捨て去ってあの子は気づく
作品の一部だったことに
一滴の油が空気へ滲ませる手紙
誰にもバレぬように
フライパンに油をしいて
こっそりと手紙を焼いてみた
プスプスと音を立てて
息を吹き返したように
蠢いて行く
一瞬見惚れた隙に
炎があがり
全て燃えて消え去った
ように思えた
灰は気付かぬうちに
私の身体に入り込み
退去費用をかさませようと
白い壁に黄色く身を残していった
再来年の住人さん
これはピーマンを焼いたからじゃないよ
タバコなんかよりも
あの手紙の足跡だよ