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半分世界を食べてみる

朝の埼京線はなんだか薄紫がかっている

いつも乗る横浜線とは違い

少しヤンチャそうな若者と

携帯から漏れる音を気にしないおばさんが

入り乱れている

紫陽花も咲いていないのに

そんな季節でもないのに

紫陽花の香りがした

不思議なくらいに

世界は丸いんだよと

誰かが言っていた

あれは地元の公園によく居る

お爺さんだったろうか

それとも一昨日スーパーで偶然に再開した

飲んだくれた日に入った

ガールズバーの店員さんだったろうか

全くもって記憶にはないが

確かに誰かが教えてくれた

不思議なくらいに丸いこと

紫陽花の季節でもないのに

紫陽花の香りがして

誰かも分からないのに

世界の丸さを教えてくれて

なんだかもう

私1人では到底理解が出来ないと

気がついてしまって

思わず君に渡すはずの

この世界を

半分

食べてしまったんだ

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