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星々マガジン

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hoshiboshiメンバーの記事をまとめています。星々に住む人々のあれこれ。 https://hoshi-boshi.jimdofree.com
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#日記

読書日記『東京のぼる坂くだる坂』

星々ワークショップ第6回の課題図書。読書会用に印象に残った3箇所の抜き書きと、それに関するメモを用意したので、読書日記にも合わせて載せます。 機械で時を計るには時間というものが一定の速度で進んだ方が都合がいい。そうでなければ測れない。人が、時間は一定の速度で進むもの、と考えるようになったのも、時計ができたからなのかもしれない。(p.143) 主人公・蓉子は、亡くなった父から遺された「住んでいた坂リスト」をもとに、父親が住んだ坂をめぐっていく。その過程で父親の歴史や、自身の

弟と、ふたり|大佐渡スカイライン<防衛道路>|巡る道、辿る道

旅先でなければ、大人になってから弟とふたりでドライブをするという機会は訪れなかっただろうと思う。 2017年の夏に僕は父の出身地である新潟の佐渡島を五日間ほど訪れた。直接のきっかけは鎌倉の友人から運営に携わる当地での人形浄瑠璃を見にこないかと誘いがあったことだけれど(とても素晴らしい公演だった)、偶然にいろいろのタイミングが重なり、同じ時期に佐渡へ滞在中だった弟と半日ほど一緒に出かけることになった。 どこへ行こうかと考えて、すでに島内の海外線外周を二日かけて一回りしてやや

第一詩集インカレポエトリ叢書8『聖者の行進』(七月堂)が販売されました!

本日(2021年3月25日)私の第一詩集、インカレポエトリ叢書8『聖者の行進』が七月堂さんで発売になりました! お買い求めはこちらから。 BASEはこちら! もう本当に感謝しかなくて……。 きっかけを作ってくださったのはフェリスで詩の授業をされていた城戸朱理先生。城戸先生とは詩集をどう出すか一緒に考えていましたが、むしろ今でよかったなと思います。 出版までの私の緊張していた心も含め、編集・組版・DTPに多大なご協力をいただいたのは朝吹亮二さん。感謝・感謝です。朝吹さ

斜めにしか進めない|京都・後院通|巡る道、辿る道

これまで国内外で二十五回ほど引越しをしている。もちろん九十三回の転居歴をもつ偉大なる葛飾北斎先生の例を挙げるまでもなく上には上がいるだろうし、鎌倉での七回など同一市内での移動の数も含んでいるから実際はたいしたことはない。とはいえ旅での逗留も含めて、ある程度の長さの期間を過ごした街というのはそれなりにある。 僕は歩くことがかなり好きなタイプの人間だ。だからだろう、各々の街の記憶を思いかえすときに「道」がその媒介となることが多い。それらさまざまの道について巡るように辿るように、

【制作裏話】過去と未来の自分とお話しすること

こんにちはー! リアルタイム連詩真っ最中なのですが、私が思っていたよりだいぶみんなのんびりやっているので、ちょっと息抜き。 西荻窪の数寄和さん、来てみてね(私のリアルタイム詩も読めまーす!) 今日は私が創作しながらあれこれ思っていることについて。 私が「師」と仰ぐ表現者はたくさんいるのですが(ありがたいことです……)その中で、私とリアルで会って、アドバイスをいただいた方がいます。というかたくさんいるのですが、実際創作の話になると本当に限られた方しかいません。 私が大

ながおのラジオ、はじめました

いやーしゃべるっていいわあ。 どうも、長尾早苗です。 前回の投稿からかなり間が空いてしまいましたが……みなさまお元気ですか? 私は結構しゃべるのが大好きなんですが、在宅フリーランスという仕事の都合上、しゃべる人が普段なかなかいない状態なんです、ね。家族(の休憩時間)くらい? それでも、先日美容院に行って髪を染めてきたんですが、美容師さんとおしゃべりしていたら、「長尾さんナイスキャラだわ~」っていきなり笑いだされちゃって(笑) おばあちゃんになったら老人施設で伝説作りそ

インカレポエトリ3号に寄稿しました

こんにちは! 最近詩のご報告ができていないな~とさびしい思いをしていた長尾です。 ついに! ついに! 念願かなって、インカレポエトリ3号が七月堂さんより出版されました! うわーい! ぱちぱち。 あの、もう若い熱量がね、半端なくてね、OGびっくりしてる(笑) 372ページ、だよ。372ページ!! だよ。 私は初参加ながら、巻頭に来てしまって、いいのかなあと少々気後れしてます。私は「誰かの毒薬の副作用」という詩を寄稿しました。 だってみんなすごいよ。 縦書き横書き

まあまあふぅふぅなスローライフ

八千草薫さんの、『まあまあふぅふぅ』を読みました。 生き方美人って、こういうひとのことを言うのかもしれないなと思います。 まあまあふぅふぅとは。 中国語で「馬馬虎虎」。「いい匙加減、いい加減」という意味です。 はっと、しました。 最近私はやっと基礎体温の呪縛から解き放たれ、やっと心安らかに、たいした病気もなく、割合のんびりとした生き方をしているはずなのに……。 気がついたら自分をどんどん追い込んでいて、暇があったりすこし寂しいと思ったらすぐにSNSを開いたり、仕事

お家のお値段おいくら万円?

まわりは一列に並んで一足跳びに結婚していきます。そしたら当然所帯染みてきたりなんかしてさ、家やマンションなんか買ったりするわけだ。 賃貸派かマイホーム派かどちらがお安いのかしら?なんて終わりなき論争もなんのその、私は向こう30年も借金を返し続けていくことを考えただけでもう思考停止、もろもろの諸経費を計算する気力は消え失せ、こちらはただの惰性で今のアパートに住み続けるってのに(この間3回目の更新ハガキが届きました。本当はペットが飼える家に住みたいのだけど。引越しを考えるとまた思

夏が過ぎゆく、オンライン合評

今日は、て、わたしブックス発行人の山口勲さんと共催させていただいた、詩のオンライン合評でした! 今回は告知前から参加希望人数が上限に達し、 大・大・大感謝です……! ご一緒させていただき続けてよかった……。 TwitterなどのSNSで告知できませんでしたが、内心にまにま、にまにましていました。 初司会だったので緊張に緊張を重ねてしまいました……でも和やかに、穏やかな雰囲気で進められたのでよかったです。 Google meetでオンライン合評だったのですが、いつもの

誰かに読んでもらいたいと思うこと

 こんばんわ。灰音ハルです。  星々ワークショップ第1回が無事に終わりました。  わー、ぱちぱち。レポしたいところですが、内緒ということで。  でも、とても有意義な時間でした!!  (参加者の皆様がそう思っていただければ、幸いです) 星々ワークショップについて 星々ワークショップは、オンラインで実施している創作会です。  (公式サイト:https://hoshi-boshi.jimdofree.com/)  ご時世がご時世なので、オンラインになっております。運営メンバーに

140字小説でたどる戦前の海底ケーブル(新潟、長崎、小笠原、鎌倉)

運営メンバーの一員として携わっている「hoshiboshi」で、いま140字小説コンテストを開催している。月ごとのテーマを設けて募集しており、初回となる先月は「海」だった。そういえば過去に自分が書いたなかで海という文字を入れたことはあっただろうか、と確かめてみるとひとつだけ三年前の作品にあった。 これは新潟・佐渡島の北端にある二ツ亀という陸繋島のあたりの海辺をイメージしたもの。佐渡は父の故郷で、幼少期のころは帰省で毎夏おとずれた。その後に個人的なもろもろですっかり縁遠くなっ

なるほど、愛を信じてる

ステレオタイプは存在する 人によって価値観が違うのは周知の事実です。  多様性の時代になって、より個人を感じるようになった気がします。  きっとそうなんだろうはきっとそうじゃない。笑ってる彼らは、本当は泣いている。誰もが奥底に悲しみを飼っている。そう思うようになって、はたと気づいたことがあります。  そうはいえど、世の中にはステレオタイプというか、きっとそうなんだろうを未だ信じぬいている人がいるということです。それを旧世代の人間と呼べば良いのか、実はそれが正しいのかは誰に

今の私がいちばんきれいであるために

茨木のり子さんが、好きです。 多分、詩人の中で尊敬している方の5本の指に入るくらい。 私は、今を「いちばんきれい」でいたい。 話はちょっと変わりますが、私は今回、自分の詩の原体験について書こうと思っています。 簡単に言ってしまうと、私の場合、「痛み」でした。 13歳の時にぜんそく外来でレントゲンを撮ったとき、背骨が横に湾曲していました。 両親と共に千葉に行き、すぐに入院。側彎症という、背骨が曲がっていって、内臓などを圧迫し、ひどいときには歩けなくなってしまう病気で