見出し画像

エンディングノートに思うこと

エンディングノートってご存知ですか?
エンディングノートというのは、万が一に備えて家族や友人など大切な人たちに伝えておきたいことや、自分の希望を書き留めておくことができるノートです。

法的効力はありませんが、文具店などで売っているので何歳からでも書き始めることができます。
色々な会社からエンディングノートが売られているかと思います。

エンディングノートというのは、例えば、自分の葬儀の時に家族やその他の人たちに予め伝えておきたいことを書いておけたり、自分の思いを伝えたりできるものです。
エンディングノートを書いておけば、自分の葬儀の時に周りの人たちが困ることが減る可能性もあります。

今後の人生と向き合うことができて終活にも役立ち、残りの人生を充実したものにするためと、自分の人生を振り返り見つめるきっかけにもなるかと思います。

こちらのエンディングノートなのですが、凄く興味が惹かれてしまいます。
「まだ今の時点では書くのには早すぎると思います」
と精神科の医師には言われましたが、最近は流行病で多くの命が亡くなっていきますよね。
年齢とかは関係ないんじゃないかというくらいに、意図しないことで、人はすぐに命を落とすと私は思うんです。

「人って世界に生かされてはいても、簡単に死んでしまう生きものなんだな」
と、よく思います。

悪性リンパ腫という病を患い、抗がん剤治療を受けて、幸い私の体は8クールの抗がん剤治療に耐えてくれて、その時の看護師さんや医師の皆さんと、そして友人や大切な方々に支えられて今を生きています。

もう悪性リンパ腫の治療を終えてから、そろそろ10年が経とうとしています。
今は命に関わるというような病というと、悪性貧血と言われている「巨赤芽球性貧血」という病の治療しています。

「巨赤芽球性貧血」も、最悪の場合輸血を必要とし手遅れになると血液が作れなくなり死んでしまう可能性がある病です。
投薬治療をしていますが、今後どうなるかはまだわからないです。

巨赤芽球性貧血が酷くなって、寝たきりの状態になった頃になってからでは、もうノートを書くことはおろかペンを握ることさえもできなくなると思います。

私はこうして命に関わる病を経験しているせいか、どうしても他の人よりも「死」というものが身近な存在に感じてしまう時があります。

本当は葬儀の時にしてほしいこと、葬儀の時に一緒に埋葬してほしい物品、そして今付き合っている方々や知っている方々に伝えたいことは沢山あります。
お伝えしたいことが、本当に沢山あるんです。

それをお伝えするまでは、安心して死ぬことはできません。
だからでしょうか。エンディングノートを購入して伝えたい事や希望を全て書き終えたら、この世に未練を感じずに、そのまま「死」に直行してしまいそうになるんです。

それでも、エンディングノートに凄く惹かれてしまうんです。
堀川桜さんにも、そんな心境を抱くことがあるとお伝えしたことがありました。

その時
「玻璃にエンディングノートは合わない気がする。だって、エンディングノートを書いたらもう思い残すことはないって思うんでしょ?エンディングノートって自分がいつ死んでもいいようにって思って書くものじゃなくて、1日1日をより良い暮らしにしようと思って書くものだと思うんだ。玻璃はさっき全てを書き終えたらこの世に未練を感じずに死ぬことに直行してしまいそうになるって言ってた。本末転倒だと思う」
と言われてしまいました。

確かに、堀川桜さんの言う通り、1日1日を良い暮らしにするためのノートであって、死を助長するノートではないのも、わかっています。

わかっているのに、なのにそれでも、エンディングノートという存在に強く惹かれるんです。

人はいつ死ぬかわかりません。
病気だって事故だって、いつ何月何日に起きるのかを予め知ることは難しいです。

堀川桜さんに内緒で、何度か通販サイトで購入してみようか考えたことがありました。
だけど先ほどお伝えした通り、書き終えて全てを終えた後、本当にこの世に未練を感じなくなって、人生を終わらせることに直行してしまいそうになる自分が怖いんです。

それで未だに、購入できずにいます。
買いたいエンディングノートはあるのですが、まだ買えないんです。

存在を知ってからもう何か月も経っています。
けれどまだ、躊躇しています。

買いたいけど、買ってノートの中身を全て埋めた後が怖いんです。

先ほどの通り、精神科の医師に相談をしても書くのは早いと言われました。
私は、早さ遅さがこちらのノートに関係があるのだろうかと疑問を感じます。

人間である以上、いつかは死んでしまうのでその前に予め伝えたいことは伝えておきたいという思いと、全てのページを終えた後どうなるか自分でも怖いという気持ちとで、今もエンディングノートに惹かれながらも、1日1日を過ごしています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?