みんな一緒でみんないい
眠りの途中に鼻が感知したのは
玉ねぎを炒める匂い
目を瞑ったまま鼻呼吸し、嗅覚が戻った事実を確認
脳が覚醒してから
「えー!玉ねぎを炒めた匂いなの」
枕元のカモミールやシャンプーの香りではなく
ひどく現実的
もっと心が躍動すると、勝手に考えていた感情は
とても平穏で、嗅覚が戻った
先日、尊敬するかたから、お手紙を頂戴した
ポストの中にある手紙を取ると
反射的に涙が込み上げ、手が震え
手書きの文字を目にするまで、時間を要した
速攻、連絡するに至らず泣いていた
感動は作られると、確信した
素の自分は、周囲の空気がなければ
脳は自分の有り様を感情として排出する
逆に周りがいて、前評判と合わせる自分がいる
誰にも左右されないところだから
手紙に震えて、気持ちが熱くなり
炒めた匂いで、心は震えなかった
感動が作られると確信したのは
M-1で優勝したコンビだから、笑える
障害者、被災者だから泣ける
こういった押しつけが蔓延して
冷えたわたしに、熱い言葉が届く
「お前、人間じゃないだろう」
どうして「みんなと同じ」を目指すのか
感動基準を増やし、感動の指示を与えられ
自らに感動を強いて、フェイクな感動が輪となる
そうまでして、他人からよく見られたいのか
どれだけ虚栄心の塊なんだろう、現代人は
違う、自分が何者か分からないんだ
AIの時代はデジタル的に
感情さえも計算によって導き出される時代へ
人間がAIへ感情を任せている、流れ
それまで、感動ポイントに身を委ねた結果
みんなと同じところで涙を流し
みんなと同じ感想を共有して
大声で「感動は作られる」と言えば
流されていく、心
自分は自分、他人は他人。自分の信念を重んじる
自分の経験や知識に確証され
人の発露として出てくると思っていた感情が
感動までも基準化され、乗っかっている
チープなポピュリズムが露出している
自分が無力で無能だと、認めたくないから
声のデカいバカの後ろを、足並み揃えてついてゆく
基準や平均のないものへ
社会に啓蒙する目的を避けられないとしても
自分で考える力がないのは、批判する目が衰退し
みんな一緒で、みんないい
…二律背反な心情も、分かっている
˚✧₊⁎cofumiさん⁎⁺˳✧༚
こふみさんの作品を拝読し
自分の気持ちに軸を置く詩に感銘を受けました
信念とはなにか、感情との折り合い
考えているうちに、上記になりました笑
なんでやねん笑
こふみさん
いつも親切にしていただき
そして仲良くしていただき
ありがとうございます(*'▽'*)
わたしも詩集がほしいです!