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☆癒しのとき・宝箱☆

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#Poetry

『恋し』ー詩ー

『恋し』ー詩ー

君恋しいと
涙がいう
体の奥に
しんしんと
深くゆき積もる

君恋しいと
涙がいう
やせた心に
しとしとと
雨降る

君恋しい
君恋しい
たとえこの身が
不自由に
なっても
君の優しさに
触れた
この指は
忘れはしない

君が恋しい

✴︎✴︎✴︎

X投稿 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『風船』ー詩ー

『風船』ー詩ー

バスを待つ間
君の姿を探す

いつもの時刻に
君は来ない

知らない街へ
引越したのかな
体調が悪いのかな

かなが頭を占領して
不安に囲まれる

長い髪の毛が
ベリーショートに
変わって

心なしか
君の笑顔が小さくて

傷跡は見えないけど
きっと風船は手をすり抜けたんだ

それを僕は毎日空に探してる

✴︎✴︎✴︎

X投稿一部修正 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『砂浜』ー詩ー

『砂浜』ー詩ー

作りかけのお城
片方だけのビーチサンダル
波の音は時計の秒針
朝の海は穏やかに風に撫でられ
耳を澄ますその先には
遠い昔の魂達が
静かに眠っていてほしい

戦い敗れた者達の若い命は
この白い砂浜に家族の姿を
見ていたのかもしれない
この海が遥か母国へと
繋がっている事だけを胸に
珊瑚と散って行ったのかもしれない

風が波を苛立たせる

今聞こえているのは
心の足元までに届くような波の音

歴史の上

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『108』ー詩ー

『108』ー詩ー

ありふれた思索を
軽々と口にするモノは
浮ついた己を
観覧車に乗せてるだけ

瞳の奥に築いた
欲望だけの城は
正義を濁らす

軽い物など
この世にはない
重さを測る必要はない
全ては創造されたモノ

ticktack ticktack
時は生きている
繰り返すな 涙

✴︎✴︎✴︎

NEKOさんの絵からイメージしました
X投稿 #詩 #poetry #lyric #私の作品紹介

『for peaceful night』ー詩ー

『for peaceful night』ー詩ー

泣きながら目を覚ます
現実に揺れる陽炎は
抵抗するためのボーダーライン

真っ直ぐ突き進むたびに
誰かが作ったフェンスが
立ちはだかる
面白がる輩の
歯の隙間程度の逃げ道もない

壁に背中をあずけると
ゆるみだす痛みから
こぼれる涙
拭えるのは自分だけと知った

どうか問わないで
何故?と
問わないで
誰もが瞳を濡らさずに
眠る事ができる
夜のためなのだから

✴︎✴︎✴︎
#詩 #poetry

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「追憶の一片」ー詩ー

「追憶の一片」ー詩ー

そっと体を包むブランケット
秋のはじまりの夜は
はしゃぎすぎた体を
冷やしてゆく

カエルの鳴き声を追いかけて
小さな足は右へ左へ
おろしたてのワンピースは
駆け回るたびに
風を取り込み
小さなドットが増えてゆく

幼い私は
おかっぱ頭が嫌いだった
長く伸びた母の髪が
羨ましかった

水平線のように
真っ直ぐに切られた前髪の下で
キラキラ光る瞳は
波間を照らす太陽の光
母もそれを愛したのかもしれな

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『starless』ー詩ー

『starless』ー詩ー

きょうの朝は
やけに冷たくて
白い月も震えている

苦手な時間は
目を瞑って
猫のように
まぁるくなればいい

間違いだらけの
テストのような
私の生き方
添削しないまま
きてしまった

赤や青の誘惑
明日へ繋ぐために
必要な時もあって
後悔という言葉に
二重線を引いたり
度数の合わない
眼鏡で視界を誤魔化す

終わっては
始まる

終わらせたことは
始まらない

終わらせたことが
時に胸を苦しめ

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『息先』ー詩ー

『息先』ー詩ー

サーカスが街にやってきた
空中ブランコの娘ジーナは
象使いのカールに恋をした
何度も書いたラブレター
毎朝ゴミ箱の底に見つけ
赤い目をして引き裂いた
人の心が見えないように
目隠しをして歩いたある日
指の腹に緩い液体を感じた

間も無くサーカスは始まる。
間も無くパッカー車は来る。

✴︎✴︎✴︎

NEKOさんの絵からイメージしました。
タイトルは誤字ではありません。😎 #詩 #poetry

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『カフェ』ー詩ー

『カフェ』ー詩ー

初めての場所で
初めての恋を思い出す
春をまとった陽射しは
珈琲を少しだけ甘くする

テーブルの向こうの
オーナメントのような会話が
初めて涙に温度があると知った
あの日のことを思い出させる

涙という粒は
私の体から生まれ、流れ
乱れた旋律を
緩やかにしてくれた

一通の恋文を
また今年も書こうと思っている
初めてではないけれど
決して投函することのない
あなた宛の恋文を

✴︎✴︎✴︎
#詩

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『気がすすまない日曜日』ー詩ー

『気がすすまない日曜日』ー詩ー

足をソファに放り投げて
一ヶ月前に買った小説を読み始める
3日前に買ったピスタチオを
5ページ目で思い出す
思い出すきっかけの言葉なんか
どこにもないのに

もう少しだけ世界に入りたくて
 そう、創られた世界に
もう少しだけ世界を脱ぎたくて
 そう現在(いま)という現実の

固い殻の代わりになる何かに
守られていたら
窮屈なブーツのような
生き方をしなくてもいいのかな
なんてね

天井のシミは私が

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「ルル長生きしてね!」ー詩ー

「ルル長生きしてね!」ー詩ー

我が家の 大切な一人娘ルルは
茶色で毛並みキラキラの ダックス犬

なにしろ 溺愛されて育っているから
吠えるだけで 要求は
なんでも叶うと 思い込んでる

ルルは自分を犬と 思ってはおらず
人間と 思ってるのでは… と時々思う

食事をしていると
テーブルの下から
ブドウ粒のような 目つきで見上げ
おりこうさんにチキンと 座わり
「欲しい 頂戴」ビームを
発射してくる

このビームに 飼い主は

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『消えてはいない』ー詩ー

『消えてはいない』ー詩ー

嫌いなことはしない
嫌いな人とは話さない
塗り絵の世界で
大人になっても生きてゆく

真っ白なドレスの花嫁さん
いたずらな御伽話の主人公が
出てきたと思った
大きくなったらいつか着たい
足がリズミカルに回り出す
ズンチャッチャ ズンチャッチャ

食べたくないから食べない
チロルチョコなら食べられる
ワガママとか言わないでよ
きっと女心はお年頃なの
こっそりお母さんの口紅を塗ってみる
鏡は嘘をつかな

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「戻らない季節」詩、作詞(曲にしてみませんか?!)

「戻らない季節」詩、作詞(曲にしてみませんか?!)

君が帰る季節が来る
渡せるものは何もない
朝露が足元を濡らす
君の瞳が揺れている
ギターの弦が切れたと嘘をつく
二人の思い出を増やしたくはない

君が帰る季節が来て
ぎこちなく時間は過ぎ
お互いに相手の言葉を待って
沈黙に涙する君
手をつなぎ二人の運命を確かめても
握り返す勇気はない

君が帰る季節が過ぎ
笑い飛ばせるジョークの
一つも思い浮かばず
便りをしようか電話にしようか
またこの町に君が戻

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「一人ぼっちの空」ー詩ー

「一人ぼっちの空」ー詩ー

夕方の空の色は
白湯のような
優しさがある
静止していると
引き込まれて
しまいそう

どんな気分も
受けとめて
諦めとは違う
ころんころんと
ころがった
石が私のつま先から
涙を連れてころがった

一緒に見上げる人はいない
一人ぼっちも似合う空

✴︎✴︎✴︎

お題 一人ぼっちの空 #私の作品紹介 #詩 #poetry