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編訳…川辺秀美『空海 人生の言葉』

 平安時代に生きていた人なのに、令和を生きる人の心をも静かに揺さぶり続ける空海の言葉をまとめた本。

 敢えて長ったらしい解説文をつけず、現代語訳や原文の読み下し文をつけてくれているので、空海のメッセージが心にまっすぐ飛び込んできます。

 頭だけではなく五感をフル活用することを意識しながら読むのがおすすめ。

 空海の言葉を読んでいると、なんだか自分の心と体が地球の外にも無限に繋がっていて、何度も生まれては死んでいるように思えて、ゾクッときます。

 また、この本には仏教によく出てくる「三宝」、「四諦」、「六波羅蜜」といった言葉や、密教についても教えてくれるので、勉強になります。

 さて、わたしがこの本の中で特に好きなのは、

 「一切の凡夫の心処は、未だ自ら了すること能はずといえども、然もその上に、自然に八辨あり。合蓮華の形の如し。但し、この心を観照し、それをして開敷せしむ」

 私たちは自らの心のありかたを知りませんが、その心には、八枚の花びらがあります。ただしその花は、まだつぼみの状態。ですから、あなたが心をよく見つめて、その花がやがて満開に咲くようにイメージしてみましょう。

 法華経解題(重円性海)

 (編訳…川辺秀美『空海 人生の言葉』から引用)


 という言葉。

 心の花を咲かせる…。

 なんて美しい考え方なのでしょうか。

 とすれば、わたしはこれから自分の心を耕したり、水を与えたり、光を当てていこうと思います。

 今まで経験した傷も、これからするであろう嫌な思いも含めて、全てをその花の糧にしてしまおうと思います。

 どんな花を咲かせられるかを楽しみに…。





 〈こういう方におすすめ〉
 「空海」という名前だけは知っていても、その思想までは知らない方。

 〈読書所要時間の目安〉
 4時間くらい。

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