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著…芦沢央『雨利終活写真館』

 前向きな終活の小説。

 読むと、自分らしい遺影を撮りたくなります。

 この小説の舞台は、人生のしまい支度を手伝ってくれる写真館。

 遺影の撮影前に必ずカウンセリングタイムを設けることで、お客様にとって自分らしい服、ポーズ、背景などを選べます。

 中でも、主人公のおばあちゃんが撮った遺影が興味深いです。

 赤を基調としたギンガムチェックのシャツに赤いスカーフを合わせるという個性的なファッション。

 その上、おばあちゃんは麻雀牌の「中」を見せびらかすように持ち、ニヤリとしながら写っていました。

 一般的な遺影とはイメージが異なりますが、とても素敵ですよね。

 自分の遺影を元気なうちから用意しておくことって、「縁起でもない」などとネガティブに捉えられたりもしますが…。

 「どんな姿がわたしらしいんだろう?」

 「自分が亡くなった後、どんな姿を思い出して欲しいんだろう?」

 と自分と向き合うことって、これからの人生をより自分らしく生きることに繋がると思います。

 いわば、これからも生きるための終活。

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