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監修…小川仁志『現代人の悩みをすっきり解消する 恋愛やビジネスから人生観まで役立つ 哲学図鑑』

 「どうしてたくさん勉強しなくちゃいけないの?」

 「どうして働かなくちゃいけないの?」

 「本当の自分らしさなんて存在するの?」

 といった、誰もが抱くであろう様々な疑問についての本。

 もし著名な哲学者たちだったらどう答えるか? を想像しながら、それらの問いについて考察していきます。

 わたしが特に興味深いと思ったのは、トマス・ホッブスの思想について解説するページ。

 「もしも誰も税金を納めることが無い世の中になったら、みんな幸せになれるのか? 」という問いが書かれています。

 一見それはとても良い社会であるかのように思えますよね?

 ところがこの本には、

 「全員が自由だということは、誰がどのようなことをするかわからないということです。暴力をふるうのも自由なのですから、お互い自分の身を守るためにいつでも戦える準備をしておかなくてはなりません。万人の万人に対する戦争状態、これが国家以前の人間の姿だとホッブスは言います」

(監修…小川仁志『現代人の悩みをすっきり解消する 恋愛やビジネスから人生観まで役立つ 哲学図鑑』 P63〜64から引用)


 と書かれています。

 確かに、税収が無ければ、国としての機能はおのずと停止することになるでしょう。

 そうなると警察を含むあらゆる機関を維持出来なくなります。

 最初こそ、みんな「自由だ!」と喜ぶかもしれませんが…。

 きっと、事件が起きようが、災害が起きようが、秩序ある動きはとれなくなるでしょう。

 みんなが好き勝手に動き回る無法状態。

 …そんな世の中を想像するとゾッとします。

 そう考えると、わたしたちは「税金という不自由によって一定の安全を買っている」と言っても過言ではないのでしょうね。

 税金の使いみちや金額への不満は尽きることがないけれど…。



 〈こういう方におすすめ〉
 哲学に興味があるけれど、とっつきにくい話は眠くなるので、分かりやすい例を使った本をお探しの方。

 〈読書所要時間の目安〉
 3時間くらい。

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